この記事の要点
- 第5章は1級 端末・アプリケーション科目の最初の章 で、端末のハードウェアと、端末が外とつながる周辺の無線技術を扱います。節は 5-1〜5-6 の6つです。
- 2級との違いは 世代や規格の番号と、その中身の組み合わせ まで問われることです。Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)の 320MHz・4K QAM・マルチリンク動作、Bluetooth LE Audio の LC3、NFC の 13.56MHz、みちびきの L1・L5 などが定番です。
- テキストは2023年4月末時点の情報です。その後、IEEE 802.11be の承認(2024年9月)、Bluetooth Core 6.0 のチャネルサウンディング、Qi2 の普及など、端末周りの規格が大きく動きました。
- この記事は章見出しだけを手がかりに当サイトが書いた独自の解説です。当サイトは MCPC とは関係のない非公式の個人運営教材で、合格は保証しません。
この章の位置づけ(科目・範囲):端末・アプリケーション科目の入口
対応テキストは『モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版』(リックテレコム、2023年7月中旬刊行、定価5,060円(税込)、ISBN 978-4-86594-367-2)です(出版社の書誌ページ、2026年9月27日確認)。本文は2023年4月末時点の情報で書かれています(当サイトがテキスト実物で確認)。出版社のページに第10版の告知は見当たりませんでした(2026年9月27日確認)。改版の予定は公式発表を確認してください。
テキストの目次で確認した科目と章の対応は、ネットワーク=第2〜4章、端末・アプリケーション=第5〜8章、モバイルシステム=第9〜12章 です。第1章「はじめに」は出題範囲外と当サイトは判断しています(推定)。MCPC の1級ページは、端末・アプリケーション科目の範囲を「各種端末機器の要素技術、構造と開発手法およびシステムアプリケーションの要素技術、開発手法など」としています。第5章はこのうち 端末機器の要素技術と構造 に当たると当サイトは考えています。1級は1科目43問・60分の4者択一(CBT)です(2026年9月27日確認)。
第5章の節は、出版社の目次によると 5-1 モバイル端末の概要、5-2 モバイル端末の特徴と機能分類、5-3 遠隔通信機能、5-4 ヒューマン・インタフェース(HI)、5-5 マシン・インタフェース(MI)、5-6 端末の構成部品と機能 の6つです(2026年9月27日確認)。当サイトは章と節の 見出しだけ を手がかりにしており、テキストの本文・図表・巻末のサンプル問題は使っていません。以下の6テーマは、節の見出しから当サイトが試験対策向けに組み直した独自の括りで、節の順番や中身と1対1には対応しません。科目全体の進め方は モバイル1級 端末・アプリケーション科目の対策 を参照してください。
2級から深くなる所:部品の名前から、性能を決める仕組みへ
2級テキスト第11版では、端末のハードウェア(第6章)と端末周辺技術(第7章)で、部品や無線方式の 役割 を押さえました。1級の第5章では、同じテーマを 性能や消費電力を決める仕組みと、規格の世代ごとの違い で問われると考えておくのが安全です(当サイトの判断)。2級の復習は モバイル2級 第6章 と 第7章 を参照してください。
| テーマ | 2級で押さえる程度 | 1級で深くなる所(当サイトの見立て) |
|---|---|---|
| SoC | CPU・GPU・モデムを1チップにまとめる | 性能コアと効率コアの組み合わせ、電圧と周波数の制御、熱による性能の制限 |
| カメラ・ディスプレイ | イメージセンサと有機EL | 画素の読み出し方、複数フレームの合成、可変リフレッシュレート |
| 電池・給電 | リチウムイオン電池の注意点 | 充電の制御、USB PD、ワイヤレス給電の規格 |
| Wi-Fi・Bluetooth | 世代名と IEEE の規格名 | Wi-Fi 7 の MLO、LE Audio、チャネルサウンディング |
| NFC・GNSS | 13.56MHz、GPS とみちびき | 動作モードとカードエミュレーション、2周波の測位 |
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テーマ別の要点:当サイトの6つの括りで何を覚えるか
SoC と省電力:Arm は big.LITTLE を、電力効率を重視した LITTLE コアと、持続的な性能を重視した big コアを組み合わせる方式と説明しています。後継の DynamIQ は、異なる種類の CPU を 1つのクラスタにまとめて 統合する方式です(Arm 公式、2026年9月27日確認)。負荷に応じて電圧と周波数を下げる制御や、温度が上がったときに性能を絞る制御もセットで押さえます。基礎は SoCとArm で解説しています。
カメラとディスプレイ:イメージセンサは各画素が1色の明るさしか得られないため、周りの画素から色を補う処理が要ります。スマホでは複数枚を撮って位置を合わせて合成する処理が一般的です。ディスプレイは有機EL が主流で、表示の書き換え回数を内容に応じて変える可変リフレッシュレートが省電力に効きます。詳しくは スマホのカメラと画像処理、有機ELとは を参照してください。
電池と給電:リチウムイオン電池は高温や満充電に近い状態が続くと劣化しやすく、充電の制御が重要です(リチウムイオン電池)。ワイヤレス給電では、WPC が磁石で充電器と端末の位置を合わせる Magnetic Power Profile を採用した Qi2 を2023年に発表しました。
Wi-Fi:Wi-Fi Alliance は、Wi-Fi CERTIFIED 7 の特徴として、6GHz 帯の 320MHz 幅のチャネル、Wi-Fi 6 の 1024QAM より伝送速度を20%高める 4K QAM、複数のリンクに通信を振り分けるマルチリンク動作(MLO)を挙げています(2026年9月27日確認)。世代の比較は Wi-Fi 6とWi-Fi 7の違い で解説しています。
Bluetooth と NFC:Bluetooth SIG は、LE Audio の標準コーデック LC3 について、SBC よりビットレートを50%下げても音質を高められると説明し、1台から台数の制限なく音声を配る Auracast ブロードキャストオーディオも加えています。NFC Forum は、NFC を 13.56MHz を基本周波数とし、通常は最大2cm 程度で通信する技術とし、カードエミュレーション・リーダー/ライター・ピアツーピアなどの動作モード(ほかにワイヤレス充電モードなど)を示しています(いずれも2026年9月27日確認)。基礎は Bluetooth Low Energy、NFCとは を参照してください。
GNSS・SIM・センサ:内閣府のみちびき公式サイトは、みちびきが GPS と互換の L1C/A(1575.42MHz)と L5(1176.45MHz)などの信号を送信していると示しています(2026年9月27日確認)。2つの周波数を使うと、電離層による誤差を補正しやすくなります。SIM は物理カードに加えて eSIM が広がり、端末の向きや動きを測る加速度・ジャイロ・地磁気などのセンサも範囲です(GNSSとみちびき、SIMとeSIM、スマホのセンサ)。
間違えやすい所:世代名・規格名・数字の組み合わせ
| 誤解しやすい言い方 | 正しい整理 |
|---|---|
| Wi-Fi 7 は IEEE 802.11ax | Wi-Fi 7 は IEEE 802.11be。802.11ax は Wi-Fi 6 |
| Wi-Fi 7 の 320MHz 幅は 5GHz 帯で使う | Wi-Fi Alliance は 320MHz 幅を 6GHz 帯のチャネルとしている |
| DynamIQ は big コアと LITTLE コアを別々のクラスタに分ける方式 | 別クラスタの構成が big.LITTLE。DynamIQ は1つのクラスタに統合する |
| NFC は数十センチ離れても通信するのが普通 | NFC Forum は、典型的な通信距離を最大2cm 程度としている |
| Bluetooth の距離測定は電波の強さ(RSSI)だけで行う | Core 6.0 のチャネルサウンディングは位相ベース測距(PBR)と往復時間(RTT)を使う |
| みちびきは GPS と互換性がない独自の信号だけを送る | L1C/A・L5 など GPS と互換の信号を送信している |
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端末の問題は、「どの世代の、どの規格の、どの機能か」 の3点がそろっているかで正誤が決まることが多いです。規格名だけ、機能名だけで覚えず、組み合わせで覚えてください。
テキスト後に変わった点(2026年9月時点)
テキストは2023年4月末時点の情報です。第5章に関わる、その後の主な変化を一次資料で確かめました。
| 時期 | 変化 | 出典 |
|---|---|---|
| 2023年(後半) | WPC の Qi2(Magnetic Power Profile)の認証が始まる。2025年7月には出力を高めた Qi2 25W(Qi v2.2.1)も登場 | WPC |
| 2024年 | Wi-Fi Alliance が Wi-Fi CERTIFIED 7 を開始(320MHz・4K QAM・MLO) | Wi-Fi Alliance |
| 2024年9月26日 | Wi-Fi 7 の規格 IEEE 802.11be-2024 が承認(公開は2025年7月22日) | IEEE |
| 2024年〜2025年 | Bluetooth Core 6.0 がチャネルサウンディング(PBR と RTT による安全な測距)などを追加 | Bluetooth SIG |
| 2025年4月10日 | 衛星とスマホの直接通信「au Starlink Direct」が開始。対応機種で、空が見えれば圏外でもメッセージを送受信できる | KDDI |
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1級の出題がどの時点の規格を基準にしているかは公表されていません。問題文に規格の版や年があればそれに従い、なければテキストの時点(2023年4月末)の内容を基本に考えるのが安全です(当サイトの判断)。
確認問題1:Wi-Fi 7
(当サイトのオリジナル問題)Wi-Fi Alliance が示す Wi-Fi CERTIFIED 7 の特徴の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- 6GHz 帯の 320MHz 幅のチャネル、4K QAM、マルチリンク動作(MLO)
- 5GHz 帯の最大 160MHz 幅のチャネル、1024QAM、OFDMA の初導入
- 2.4GHz 帯だけを使う 40MHz 幅のチャネルと、64QAM
- 13.56MHz の近距離通信と、カードエミュレーション
正解:1。Wi-Fi Alliance は、6GHz 帯の 320MHz 幅のチャネル、4K QAM、マルチリンク動作を Wi-Fi 7 の特徴としています。
2:最大 160MHz 幅・1024QAM・OFDMA の導入は Wi-Fi 6 の世代の特徴です。3:古い世代の組み合わせで、Wi-Fi 7 の特徴ではありません。4:NFC の説明です。
確認問題2:Bluetooth のチャネルサウンディング
(当サイトのオリジナル問題)Bluetooth Core 6.0 で追加されたチャネルサウンディングが、距離を求めるために使う方式の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- 受信信号強度(RSSI)の平均だけ
- 位相ベース測距(PBR)とラウンドトリップタイミング(RTT)
- GNSS の衛星から届く時刻情報
- Wi-Fi のアクセスポイントとの往復時間(Wi-Fi RTT)
正解:2。Bluetooth SIG は、チャネルサウンディングの2つの測距方法として PBR と RTT を説明しています。
1:RSSI だけの推定は従来からある簡易な方法で、チャネルサウンディングの方式ではありません。3:衛星を使うのは GNSS の測位です。4:Wi-Fi の測距機能で、Bluetooth の機能ではありません。
確認問題3:Qi2
(当サイトのオリジナル問題)WPC(Wireless Power Consortium)の Qi2 の特徴として、最も適切なものはどれか。
- USB Type-C ケーブルで給電するための、有線の電力規格である
- NFC の 13.56MHz を使って、カードを読み取りながら給電する規格である
- 磁石で充電器と端末の位置を合わせる Magnetic Power Profile を採用している
- Bluetooth LE で音声を配るための、新しいプロファイルである
正解:3。WPC は、Qi2 の Magnetic Power Profile で端末と充電器の位置がそろい、効率と充電速度が高まると説明しています。
1:USB の有線給電は USB Power Delivery などの領域です。2:NFC の説明と混ざっており、Qi2 の特徴ではありません。4:LE Audio の説明で、ワイヤレス給電とは関係ありません。
確認問題のあとは何をすればいい?
迷った問題は「世代名と規格名の対応」「どの周波数帯か」「その機能はどの規格のものか」の3点で見直してください。第5章は規格が毎年のように更新されるので、公式サイトの特徴の一覧を1度見ておくと知識が整理されます。
本番と同じ4択で確かめるなら、モバイル1級 端末・アプリケーション科目の無料お試し で全問の解説まで確認できます。1級の全体像は モバイル1級のページ、収録内容は 料金と収録内容 で確認できます。続く 第6章 モバイル端末開発技術 もあわせて進めてください。
よくある質問
第5章の節の見出しは何ですか?
出版社の目次によると、5-1 モバイル端末の概要、5-2 モバイル端末の特徴と機能分類、5-3 遠隔通信機能、5-4 ヒューマン・インタフェース(HI)、5-5 マシン・インタフェース(MI)、5-6 端末の構成部品と機能 の6節です。この記事の6テーマは当サイト独自の括りで、節の見出しとは一致しません。
IEEE の規格番号はどこまで覚えるべきですか?
当サイトでは、Wi-Fi 6=802.11ax、Wi-Fi 7=802.11be のように、世代名と組にして覚えることをおすすめしています。番号だけを単独で覚えると取り違えやすくなります。
第5章は端末・アプリケーション科目の中でどれくらい出ますか?
科目内の章ごとの出題数は公式には非公表です。当サイトの模試の配分は当サイトの判断で、公式の配分ではありません。
出典・参考
- [1]リックテレコム モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版(書誌・目次、2026年9月27日確認)
- [2]MCPC モバイルシステム技術検定[1級](科目・形式・範囲、2026年9月27日確認)
- [3]Arm big.LITTLE / DynamIQ(2026年9月27日確認)
- [4]Wi-Fi Alliance Wi-Fi CERTIFIED 7(2026年9月27日確認)
- [5]IEEE 802.11be-2024(2024年9月26日承認、2026年9月27日確認)
- [6]Bluetooth SIG Bluetooth Core 6.0 feature overview(2026年9月27日確認)
- [7]Bluetooth SIG LE Audio(LC3・Auracast、2026年9月27日確認)
- [8]NFC Forum NFC Technology(13.56MHz・動作モード、2026年9月27日確認)
- [9]内閣府 みちびき 送信信号一覧(2026年9月27日確認)
- [10]WPC Qi v2.0 Standard for Wireless Charging Is Now Ready(2023年11月、2026年9月27日確認)
- [11]WPC History of the Qi Specifications(2026年9月27日確認)
- [12]KDDI au Starlink Direct 提供開始(2026年9月27日確認)
本番と同じペースで腕試し
記事の次は、本番形式の問題で。
出題カテゴリの配分どおりに組んだ無料お試しを、登録不要・カード不要で解けます。続きの模試と章別ドリルは買い切りで、月額はかかりません。
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