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GPSとGNSS・みちびきの違い|2級の要点

GPS・GNSS・みちびきの違いを、各国の衛星測位システムの比較表、4機の衛星が必要な理由、A-GPSと測位誤差の順に整理。取り違えやすい点の表と、全選択肢に解説をつけた独自の確認問題3問つきです。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • GNSSは衛星測位システムの総称、GPSは米国のシステム、みちびき(QZSS)は日本の準天頂衛星システムです。「GPS=衛星測位の一般名」ではありません。
  • 受信機は、高度を含む3次元の位置と時刻という4つの未知数を求めるため、原理的に4機以上の衛星の電波が必要です(内閣府 みちびき公式サイトの解説)。
  • みちびきはGPSと互換性があり、2018年11月に4機体制でサービスを開始しました。7機体制の構築に向けて整備が進み、7号機は2026年8月に打ち上げられ、運用位置に入って機能確認中です(2026年9月時点)。
  • モバイル2級では出題カテゴリ「モバイル端末基本機能と端末周辺技術」(公式の出題比率20%)に当たる範囲です。出題頻度は公表されていません。

GPS・GNSS・みちびきとは、一言でいうと何?

GNSS(Global Navigation Satellite System)とは、衛星からの電波で位置と時刻を求める衛星測位システムの総称で、GPSは米国の、みちびき(準天頂衛星システム、QZSS)は日本のシステムです。

日常会話では「GPSで位置を測る」と言いますが、今のスマートフォンの多くは、米国のGPSだけでなく複数の国の衛星を組み合わせて測位しています。そのため、試験の用語としては「GNSS=総称」「GPS=その一つ」と区別しておく必要があります。

みちびきは内閣府が所管するシステムです。内閣府のみちびき公式サイトは、みちびきを準天頂軌道の衛星が主体となって構成される日本の衛星測位システムと説明し、GPSと互換性があるため、GPSと一緒に使って安定した高精度の測位ができるとしています。

各国の衛星測位システムは、表で比べるとどう違う?

  • SLAS:サブメータ級の測位補強(誤差を1m未満のレベルに近づける補強)
  • CLAS:センチメータ級の測位補強
  • MADOCA-PPP:高精度測位補強
  • 災危通報:災害・危機管理通報
  • QZNMA:信号認証(受信した信号が本物かを確かめる)
内閣府 みちびき公式サイト「各国の測位衛星」などをもとに当サイトが整理(2026年9月確認)
名称運用する国・地域押さえる点
GPS米国最も早く普及したシステム。みちびき公式サイトの解説では、高度約2万200km・周期12時間の軌道を使う
GLONASSロシア測位の原理はGPSと同じ。軌道の高さや傾きはGPSと少し異なる
Galileo欧州欧州が運用するシステム
BeiDou(北斗)中国中国が運用するシステム
NavICインドインドが運用するシステム
みちびき(QZSS)日本準天頂軌道の衛星が主体。GPSと互換性があり、測位補強や災害・危機管理通報のサービスを持つ

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みちびきが提供するサービスとして、公式サイトは次のものを挙げています。名前と役割の組合せは4択の材料になりやすいので、略称とセットで確認してください。

みちびきの機数は変化しています。公式サイトは2018年11月に4機体制でサービスを開始し、7機体制の構築に向けて開発・整備を進めていると説明しています。7号機は2026年8月11日にH3ロケット9号機で打ち上げられ、8月22日に運用位置(東経約184.5度・高度約36,000km)に入ったことが確認され、搭載機器の機能確認を順次行う予定とされています(2026年9月時点)。受験の時期によって状況が変わりうるため、機数は公式サイトで確かめてください。

なぜ4機の衛星が必要で、A-GPSや誤差はどう関係する?

衛星測位の原理は「電波が衛星から届くまでの時間から距離を求める」ことです。みちびき公式サイトの解説は、求めたい値を自分の3次元の位置(x、y、z)と時刻(t)の4つとし、4つの未知数を決めるには4つの式、つまり軌道が分かっている4機の衛星の電波が必要だと説明しています。

時刻が未知数に入るのは、スマートフォンの時計が衛星に積まれた原子時計ほど正確ではないからです。わずかな時計のずれでも距離に換算すると大きな誤差になるため、時刻も位置と一緒に計算で求めます。

A-GPS(アシステッドGPS) は、測位に必要な衛星の軌道の情報などを、衛星からの電波を待たずに携帯電話の網から受け取る仕組みです。衛星からの放送だけで情報をそろえるより早く測位を始められ、電波の弱い場所でも測位しやすくなります。携帯電話の網を使った測位の手順は、3GPPのLTE Positioning Protocol(TS 37.355。LTEとNRの両方を扱う)などで規定されています。

測位の誤差の主な要因は、次のように整理できます。

当サイトの学習用の整理(考え方はみちびき公式サイト「衛星測位入門」を参考にした)
誤差の要因何が起きるか対策の考え方
電離層・対流圏上空を通るときに電波が遅れ、距離が長く見える複数の周波数を使う、補正情報を使う
マルチパスビルなどで反射した電波を受け、遠回りした距離で計算してしまう反射波を見分ける受信処理、周囲が開けた場所で測る
衛星の配置見える衛星が一方向に偏ると精度が落ちる複数のGNSSやみちびきを組み合わせて衛星の数を増やす
衛星の時計・軌道のずれわずかなずれが距離の誤差になる補強サービスやディファレンシャル方式で補正する

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誤差を補う考え方の代表が、位置が正確に分かっている基準点で誤差を測り、その値を利用者に伝えるディファレンシャル方式です。みちびき公式サイトの解説は、日本でも1997年にFMラジオ放送で補正情報を送るディファレンシャルGPSのサービスが始まり、カーナビの普及につながったことを紹介しています。みちびきのSLASやCLASは、この「補正情報を届ける」役割を衛星から行うものと整理できます。

モバイル2級では、どの範囲でどう問われる?

衛星測位は、モバイル2級の出題カテゴリ「モバイル端末基本機能と端末周辺技術」に当たります。MCPCの試験ページの図では、このカテゴリの出題比率は20%です(2026年9月27日確認)。カテゴリの中で衛星測位が何問あるかは公表されていません。

公式テキスト(モバイルシステム技術テキスト第11版)の目次では、第7章「端末周辺技術」が近い範囲です。章と出題カテゴリの対応は当サイトの推定で、使っているのは目次の章名だけです。

4択での確かめられ方は公表されていないため、以下は当サイトの想定です。

  • 総称と個別名:GNSS・GPS・QZSSの関係を取り違えさせる記述を見抜けるか。
  • 原理の数:必要な衛星の数と、その理由(位置3つと時刻1つ)を説明できるか。
  • 補助と補強の区別:A-GPS(網からの補助データ)と、SLAS・CLAS(誤差の補正情報)を区別できるか。
  • みちびきの特徴:GPSとの互換性、準天頂軌道、提供サービスの名前を結べるか。

衛星測位はスマートフォンの位置情報の一部です。Wi-Fiや基地局を使う測位との比較は位置情報サービスの仕組み、衛星を使った通信はNTN(非地上系ネットワーク)、端末の内蔵センサーはスマートフォンのセンサーで扱っています。試験全体の形式はモバイルシステム技術検定2級の概要にまとめています。

GPS・GNSS・みちびきで、間違えやすいのはどこ?

当サイトの学習用の整理。公式の出題傾向を示すものではありません
取り違えやすい記述正しい整理見分けるコツ
GPSは衛星測位システム全般の名前GPSは米国のシステム。総称はGNSS「G」が Global か、固有名詞か
みちびきはGPSと互換性がなく、専用受信機が必要みちびきはGPSと互換性があり、一緒に使える公式の説明は「GPSと一緒に使う」
みちびきは静止軌道の衛星だけでできている準天頂軌道の衛星が主体。「準天頂衛星」には静止軌道の衛星も含まれる名前の「準天頂」を思い出す
3機の衛星があれば高度と時刻まで決まる位置3つと時刻1つで未知数は4つ。原理的に4機が必要時刻も未知数に数える
A-GPSは衛星からの補正で精度を上げる仕組みA-GPSは網から補助データを受け取り、測位開始を早くする仕組みAは Assisted(網が手伝う)
マルチパスは衛星が多すぎて起きる誤差ビルなどで反射した電波を受けて起きる誤差「マルチ」は経路が複数
みちびきは7機体制ですでに完成している7機体制の構築に向けて整備中(2026年9月時点)。最新は公式サイトで確認機数は変わる情報と考える

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確認問題1:GNSSの説明として最も適切なものは?

次のうち、GNSSの説明として最も適切なものを選んでください。

  1. 米国が運用する衛星測位システムの正式な名称で、他国の衛星は含まない
  2. 日本の準天頂衛星システムの英語名で、単独で全世界の測位を担っている
  3. GPS・GLONASS・Galileoなど、各国の衛星測位システムをまとめた総称である
  4. 携帯電話の基地局からの電波の到達時間だけを使って、位置を求める方式である

正解:3。GNSS(Global Navigation Satellite System)は衛星測位システムの総称で、米国のGPS、ロシアのGLONASS、欧州のGalileoなどを含みます。

1はGPSの説明で、GPSはGNSSの一つです。2はみちびき(QZSS)を指していますが、QZSSの英語名は Quasi-Zenith Satellite System で、GNSSではありません。4は衛星を使わない基地局測位の説明で、衛星測位の総称とは別のものです。

確認問題2:位置と時刻を求めるのに必要な衛星の数は?

受信機が、衛星からの電波だけを使って、高度を含む3次元の位置と時刻を求めるとき、原理的に必要な衛星の数はいくつでしょうか。

  1. 4機
  2. 3機
  3. 2機
  4. 1機

正解:1。求める値は位置のx・y・zと時刻tの4つで、4つの未知数を決めるには4つの式、つまり4機の衛星の電波が必要です。

2の3機では、位置の3つは決められても、受信機の時計のずれ(時刻)まで決められません。3の2機、4の1機ではさらに式が足りません。実際の受信機がより多くの衛星を使うのは、精度と安定性を上げるためです。

確認問題3:衛星測位について適切でない記述は?

衛星測位とみちびきに関する次の記述のうち、適切でないものを選んでください。

  1. みちびきはGPSと互換性があり、GPSと一緒に使うことで測位を安定させる
  2. みちびきは、センチメータ級の測位補強(CLAS)などのサービスを提供する
  3. A-GPSは、網から補助データを受け取り、測位を始めるまでの時間を短くする
  4. みちびきは静止軌道の衛星だけで構成され、赤道の上の一点にとどまり続ける

正解:4。みちびきは準天頂軌道の衛星が主体となって構成されるシステムです。公式サイトは「準天頂衛星」という呼び方に静止軌道の衛星も含むと説明していますが、「静止軌道の衛星だけ」ではありません。

1は適切で、公式サイトはGPSとの互換性と、一緒に使うことによる安定した高精度の測位を説明しています。2も適切で、CLASはみちびきのセンチメータ級の測位補強サービスです。3も適切で、A-GPSは網からの補助データで測位の開始を早める仕組みです。

確認問題を解いたら、次に何をする?

名前の問題で迷った場合は、「総称(GNSS)」「国のシステム(GPS・GLONASS・Galileo・BeiDou・みちびき)」「補助・補強の仕組み(A-GPS・SLAS・CLAS)」の3つの箱に分けて書き出すと、選択肢の入れ替えに気づきやすくなります。

ほかの分野と混ぜて本番と同じ4択で試すなら、モバイル2級の無料お試し20問を登録不要で解けます。公式の出題比率に合わせた20問で、全問に解説がついています。

続けて読むなら、位置情報サービスの仕組みで、衛星が届かない屋内での測位や位置情報の扱いまで広げると、第7章と第13章の範囲がつながります。

よくある質問

スマートフォンは、みちびきの電波を受信できますか?

みちびきはGPSと互換性があるため、対応する受信機なら一緒に使えます。どの信号やサービスに対応しているかは機種ごとに異なるため、個別の対応状況は機種の仕様やみちびき公式サイトの対応製品の情報で確認してください。

みちびきは何機体制ですか?

2018年11月に4機体制でサービスを開始し、7機体制の構築に向けて整備が進んでいます。7号機は2026年8月に打ち上げられて運用位置に入り、機能確認中です(2026年9月時点)。機数やサービス開始の時期は変わるため、受験前に公式サイトで確かめてください。

屋内でも衛星測位で位置が分かりますか?

屋内では衛星の電波が弱くなったり届かなかったりするため、衛星測位だけでは難しい場面が多くなります。スマートフォンはWi-Fiや基地局、BLEビーコンなどを組み合わせて位置を推定します。

出典・参考

  1. [1]MCPC モバイルシステム技術検定[2級](出題カテゴリと出題比率の図、2026年9月27日確認)
  2. [2]MCPC 公式テキストの案内(モバイルシステム技術テキスト第11版、2026年9月27日確認)
  3. [3]内閣府 みちびき公式サイト:みちびきとは(2026年9月27日確認)
  4. [4]内閣府 みちびき公式サイト:みちびき7号機が準静止軌道に入りました(2026年8月22日)
  5. [5]内閣府 みちびき公式サイト:各国の測位衛星(2026年9月27日確認)
  6. [6]内閣府 みちびき公式サイト:衛星測位入門(4機の衛星が必要な理由)
  7. [7]内閣府 みちびき公式サイト:衛星測位入門(ディファレンシャルGPS)
  8. [8]内閣府 みちびき公式サイト:衛星測位入門(GLONASSとGPSの軌道)
  9. [9]3GPP TS 37.355: LTE Positioning Protocol (LPP)

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記事の次は、本番形式の問題で。

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