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リチウムイオン電池の安全とは|発火の原因と2級

リチウムイオン電池が発火する原因を、高温・外力・充電・リコール品の4つの状態で整理。NITEの事故データと3つのC、PSEマークの確認点、MCPCの充電安全認証、モバイル2級の確認問題3問まで解説します。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • リチウムイオン電池の安全とは、電池を「熱・外力・想定外の充電」から守り、異常が起きたら使うのをやめることです。発火の多くは、電池の内部で発熱が進み、膨張や可燃性ガスの噴出につながることで起きます。
  • NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2021〜2025年の5年間に通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は2,140件で、製品別ではモバイルバッテリーが最も多く、事故は8月にピークを迎えます(2026年7月発表)。
  • 購入時はPSEマークと届出事業者名を確認します。ただしスマートフォン本体のように、PSEの対象になっていない製品もあります(NITE)。
  • モバイル2級の出題カテゴリ「モバイル端末基本機能と端末周辺技術」(公式の比率は20%)に当たる範囲です。

リチウムイオン電池の「安全」とは、何を守ることなのか?

一言でいうと、電池の中で熱が生まれ、その熱がさらに発熱を呼ぶ状態を作らないことです。リチウムイオン電池は小さく軽いわりに多くのエネルギーをため込めるため、スマホやモバイルバッテリーに欠かせませんが、そのエネルギーが一気に熱として出ると発火や破裂につながります。

端末や電池パックには、充電しすぎ・使いすぎ・ショートなどを防ぐための保護の仕組みが組み込まれるのが一般的です。それでも、外から強い力が加わったり、高温の場所に置かれたりすると、保護の仕組みだけでは防ぎきれない場合があります。そのため、安全は「部品の設計」と「使う人の扱い方」の両方で考えます。

どんな状態が発火につながるのか?

NITE が公表した事故事例をもとに、発火につながる状態を4つに分けます。原因の説明は NITE の推定を要約したもので、すべての事故がこの型に当てはまるわけではありません。

発火につながる状態と対策(NITE の事例をもとに当サイトが整理、2026年9月確認)
状態起きていること避けるための扱い方
高温暑い車内などで電池セルの内圧が上がって膨張・破裂し、噴出した可燃性ガスに引火暑い日の車内や直射日光の当たる場所に置かない
外力(衝撃・圧迫)かばんの中などで電池セルに力が加わり、異常に発熱落とさない、重い物の下にしない、後ろポケットに入れない
想定外の充電指定と違う充電器などで、電池に想定外の条件がかかる指定された充電器を使い、目の届く所で充電する
リコール品の使用不具合のある電池セルが充電中に異常発熱購入前と購入後にリコール情報を確認する

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NITE は、事故の件数が春から夏にかけて気温の上昇とともに増え、8月にピークを迎える傾向を示しています。また、「ポータブル電源」の事故が増える傾向にあることも挙げています(2026年8月、PSマガジン Vol.506)。

異常のサインとして、NITE は「充電できない」「急に充電がなくなる」「以前より異常に熱くなる」「膨らんで変形している」「焦げたにおいがする」などを挙げています。こうしたサインがあれば使用をやめ、燃えない容器に入れて販売店やメーカーに相談します。

業界や国は、安全のために何をしているのか?

経済産業省や環境省などの関係省庁は連携して、リチウムイオン電池の事故を防ぐ「3つのC」を呼びかけています(NITE、2026年7月発表)。

  1. 賢く選ぶ(Cool Choice):販売事業者の連絡先や製品情報、リコール情報、表示マークを確かめてから買う。
  2. 丁寧に使う(Careful use):高温の場所で使わない・置かない、強い衝撃や圧力を加えない、異常を感じたら使用をやめる。
  3. 正しく捨てる、そして資源循環(Correct disposal with better recycling):燃えるごみなどに混ぜず、メーカー回収や自治体の回収区分を確かめる。

購入時の確認点として、NITE は「PSEマークが表示されているか、PSEマークの近くに届出事業者名があるか」を挙げ、あわせて「スマートフォン等、PSEの対象となっていない製品もあります」と注記しています。モバイルバッテリーとスマホ本体を同じ扱いにしないことが、選択肢を読むときにも大切です。

検定を主催する MCPC は、検定とは別の事業として「モバイル充電安全認証」を運営しており、対象として AC充電アダプター・モバイルバッテリー・USB充電ケーブルを示しています。技術的な基準として「USB充電インターフェース安全設計ガイドライン」(TR-021)も公開しています(MCPC 公式ページ、2026年9月27日確認)。認証の内容と検定の出題範囲は別物なので、認証の細部を暗記する必要はありません。

モバイル2級では、どの範囲で、どう問われそうか?

MCPC の公式ページの図では、モバイルシステム技術検定 2級(100問・100分・4者択一)の出題カテゴリ「モバイル端末基本機能と端末周辺技術」の比率が20%と示されています(2026年9月27日確認)。当サイトでは、公式テキスト『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の第6章「モバイル端末・機器のハードウェア技術」がこの範囲に当たると推定しています(章名からの当サイトの判断で、公式の対応表ではありません)。

4択での問われ方は、次のような型が考えられます。出題頻度の公式データはありません。

  • 不適切な扱い方を選ぶ:保管・充電・持ち運びの記述の中から、安全上まずいものを見抜かせる。
  • 原因と現象の対応:高温・外力・充電と、膨張・発熱などの現象を結び付けさせる。
  • 表示と制度:PSEマークの対象や、表示から何を確かめるかを問う。
  • 省電力との関係:電池を長持ちさせる端末側の工夫(SoC やディスプレイの省電力)と混ぜて問う。

端末側の省電力はスマホのSoCとArmや有機ELと液晶の違い、電池を使わず周囲のエネルギーで動かす発想はエネルギーハーベスティングとはで扱います。試験全体はモバイルシステム技術検定2級とはへ。

どこで取り違えやすいのか?

安全の問題は常識で答えたくなりますが、「言い切りすぎ」と「対象の混同」に注意すると判断が安定します。

つまずき別の見直し表
取り違え正しい考え方確認する問い
保管は満充電が安心なるべく満充電を避け、充電の頻度を取扱説明書で確認する(NITE)長期保管の話か、使う直前の話か
スマホ本体にもPSEマークがあるPSEの対象でない製品もある。モバイルバッテリーとは分けて考えるその製品はPSEの対象か
発火は充電中だけに起きる高温下の放置や外力でも起きる充電以外の条件が書かれていないか
膨らんでも使えれば問題ない膨張・変形は異常のサインで、使用を中止する異常のサインに当たる記述か
MCPCの認証は検定の一部充電安全認証は検定とは別の事業製品の認証か、人の資格か

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確認問題1:不適切な扱い方を見抜けるか?

リチウムイオン電池を搭載した製品の扱い方として、最も不適切なものはどれか。

  1. 暑い日には、車内の座席の上やダッシュボードに置いたままにしない
  2. 長く使わない間は、満充電の状態を保って保管しておくのが望ましい
  3. 膨らんで変形しているのに気付いたら、充電や使用をやめて相談する
  4. 充電には指定された充電器を使い、出力電圧の違う充電器は使わない

正解:2。NITE は保管時に「なるべく満充電の状態を避け」、どれくらいの頻度で充電が必要かを取扱説明書などで確認するよう呼びかけています。満充電を保つことが望ましいとする記述は不適切です。

1は高温下の放置を避ける扱い方で適切です。3は膨張・変形という異常のサインへの対応として適切です。4は想定外の条件で充電しないための扱い方で適切です。

確認問題2:発火に至る流れを埋められるか?

次の文の空欄に入る語句として、最も適切なものはどれか。

「高温の環境に置かれたモバイルバッテリーでは、内蔵する電池セルの( )が上がって膨張・破裂し、噴出した可燃性ガスに引火して火災になることがある。」

  1. 出力電圧
  2. 充電回数
  3. 内圧
  4. 電池容量

正解:3。NITE の事故事例では、高温の車内に置かれたモバイルバッテリーの電池セルが内圧の上昇で膨張して破裂し、噴出した可燃性ガスに引火したと考えられています。

1は充電器や電池が出す電圧のことで、膨張・破裂の直接の説明になりません。2は劣化と関係しますが、高温で急に上がる量ではありません。4はためられるエネルギーの量で、温度で上がるものではありません。

確認問題3:表示の確認点を説明できるか?

リチウムイオン電池搭載製品の購入時の確認に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. スマートフォン本体を含め、電池を内蔵する製品にはすべてPSEマークが付いている
  2. PSEマークの有無だけを見れば、販売事業者の連絡先は確認しなくてもよい
  3. 価格が極端に安い製品ほど、リコールの対象になりにくいと考えてよい
  4. PSEマークの近くに届出事業者名があるかと、リコール情報を確かめておく

正解:4。NITE は購入時のチェックポイントとして、PSEマークと届出事業者名の表示、リコール情報の確認を挙げています。

1は言い切りすぎで、NITE はスマートフォン等PSEの対象となっていない製品もあると注記しています。2は販売元の連絡先や日本語でのサポートの確認も挙げられているため不適切です。3は逆で、NITE は類似製品と比べて極端に安くないかを確かめるよう呼びかけています。

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よくある質問

発火したときは、どうすればよいですか?

NITE は、まず身の安全を確保し、消火器や大量の水で消火すること、対処が難しいと判断したら119番通報することを挙げています。発火前の異常(膨張・異臭・異常な発熱)に気付いた段階で使用をやめるのが基本です。

捨てるときは燃えないごみでよいですか?

一般のごみに混ぜず、メーカー回収の有無や自治体の回収方法を確認してください。ごみ収集車や処理施設での発火も問題になっているため、NITE は廃棄前に電池を使い切ること、分解しないことも呼びかけています。

試験では電池の化学反応まで問われますか?

出題の深さは公表されていません。当サイトでは、発火につながる状態、安全な扱い方、表示と制度の区別を押さえることを優先しています。細かい化学式より、選択肢の「言い切りすぎ」を見抜けることが得点につながります。

出典・参考

  1. [1]MCPC モバイルシステム技術検定[2級]CBT方式(出題カテゴリの図・形式)確認 2026-09-27
  2. [2]MCPC 検定テキスト(モバイルシステム技術テキスト 第11版)確認 2026-09-27
  3. [3]NITE『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を(2026年7月15日発表)確認 2026-09-27
  4. [4]NITE PSマガジン Vol.506「リチウムイオン電池搭載製品の事故」(事例・チェックリスト)確認 2026-09-27
  5. [5]MCPC モバイル充電安全認証 確認 2026-09-27

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