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技適マークと電波法とは|モバイル2級の要点

技適マークとは何かを電波法の条文から一言で整理し、技術基準適合証明・工事設計認証・自己確認の違いを比較表で解説。海外端末の90日と実験等の180日の特例、改造時の注意まで、e-Govで確認した内容と独自の確認問題3問で押さえます。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • 電波法では、無線局を開設するには原則として総務大臣の免許が必要です。Wi-Fi や Bluetooth などの小電力の機器が免許なしで使えるのは、技術基準に適合した表示(いわゆる技適マーク)が付いた無線設備だけを使うことが条件の一つになっているからです。
  • 技適マークの根拠になる手続は、技術基準適合証明(個々の機器)・工事設計認証(設計と製造の確保)・技術基準適合自己確認(一部の機器を製造業者等が自ら確認)の3つです。
  • 技適のない機器にも、入国者が持ち込む一定の機器を入国から90日以内の範囲で、届出をした実験等を届出から180日以内の範囲で扱える特例があります(2026年9月時点の条文)。
  • 電話回線につなぐ端末機器の「技術基準適合認定」は電気通信事業法の別制度です。モバイル2級では「モバイルシステム概要と移動体通信サービス」(公式ページの図で13%)の範囲に当たります。

電波法と技適とは?一言でいうと?

電波法(昭和25年法律第131号)は、電波を公平かつ能率的に使うためのルールを定めた法律です。第4条は、無線局を開設しようとする者は総務大臣の免許を受けなければならない、と定めています。スマホも Wi-Fi ルーターも電波を出す「無線局」であり、この原則の対象です。

ただし第4条には免許が要らない例外があり、その一つが「空中線電力が1ワット以下で、混信を避ける機能などを持ち、適合表示無線設備のみを使用する」無線局です(総務省令で定めるもの)。適合表示無線設備とは、電波法に基づく技術基準への適合を示す表示が付いた無線設備のことで、この表示が一般に技適マークと呼ばれています。

つまり技適マークは、「この機器は日本の技術基準に合っていることが確かめられている」という印であり、それが付いた小電力の機器だからこそ、利用者が免許なしで使える、という関係になっています。総務省の電波利用電子申請の案内でも、Wi-Fi や Bluetooth などの無線機器を使うには原則として技適マークが必要だと説明されています。

技適マークは何を意味する?3つの手続の違いは?

技適マークの表示の根拠になる手続は3つあります。どれも電波法の条文で定められています。

e-Gov 法令検索の電波法(2026年9月時点の条文)で確認。当サイトが要約
手続電波法の条文誰が確かめるか対象と特徴
技術基準適合証明第38条の6総務大臣の登録を受けた登録証明機関個々の特定無線設備を審査し、技術基準に適合すると認めたものを証明する
工事設計認証第38条の24登録証明機関工事設計が技術基準に適合し、その設計どおりに製造されることを確保できると認めて認証する(量産品向け)
技術基準適合自己確認第38条の33製造業者または輸入業者が自ら混信などを与えるおそれが少ない「特別特定無線設備」に限り、自ら検証して確認し、総務大臣に届け出ることができる

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表示についても条文があります。第38条の7は、登録証明機関が証明をしたときは表示を付けなければならないと定め、同条第3項で、正規の場合を除き、誰も国内で無線設備やそれを組み込んだ製品にこの表示や紛らわしい表示を付けてはならないとしています。さらに第4項では、表示の付いた設備に変更の工事(改造)をした者は、その表示を除去しなければならないと定めています。

表示の方法は、本体に付けるだけではありません。「特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則」は、表示を機器に電磁的に記録し、特定の操作で画面に明瞭に表示できるようにする方法も認めています。スマホの設定画面で技適の表示を確認できるのはこのためです。

電話の端末の「認定」とはどう違う?

スマホには、電波法の技適とは別に、電気通信事業法に基づく表示が並んでいることがあります。事業法第53条の「端末機器技術基準適合認定」は、電話網などの電気通信回線につなぐ端末機器が、事業法の技術基準に適合していることを登録認定機関が認定する制度で、認定したときは表示を付けることになっています。

e-Gov 法令検索の電波法・電気通信事業法(2026年9月時点)を当サイトが要約
観点電波法の技適(技術基準適合証明など)電気通信事業法の技術基準適合認定
目的電波の混信などを防ぎ、電波を適正に使う電気通信回線につないだ機器がネットワークに害を与えないようにする
対象電波を出す無線設備(特定無線設備)電気通信回線に接続する端末機器
確かめる機関登録証明機関(製造業者等の自己確認もある)登録認定機関(製造業者等の自己確認の制度もある)
根拠となる条文の例電波法 第38条の6・第38条の24・第38条の33電気通信事業法 第53条

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「電波」の法律と「通信事業・回線」の法律で、守りたいものが違う、と整理すると混同しにくくなります。電気通信事業法の利用者保護のルールは電気通信事業法の消費者保護ルールで扱っています。

海外で買ったスマホやWi-Fi機器は使える?(特例制度)

技適マークのない無線機器を国内で使うと、免許のない無線局を開設したことになりうるため、原則として使えません。電波法第110条は、免許や登録がないのに無線局を開設した者などを、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処すると定めています(2026年9月時点の条文)。

ただし第4条の2に、次の2つの特例があります。どちらも、日本の技術基準に相当する基準として総務大臣が指定した基準に適合していることなど、条件付きです。

  1. 入国者が持ち込む機器の特例(第4条の2第1項):日本に入国する人が自ら持ち込む一定の無線設備は、入国の日から90日を超えない範囲で総務省令が定める期間に限り、適合表示無線設備とみなされる
  2. 実験等の特例(第4条の2第2項・第3項):実験・試験・調査のための無線局について必要事項を届け出ると、届出の日から180日を超えない範囲で総務省令が定める期間、または廃止した日のいずれか早い日まで、適合表示無線設備とみなされる。廃止したときは遅滞なく届け出る

実験等の特例の届出は、総務省の「電波利用電子申請」で行えます(2025年1月にシステムがリニューアルされています)。届出をすれば何でも使えるわけではなく、届出者自身の責任で、機器や運用の条件が特例の要件を満たすよう管理する必要があります。

日本に住んでいる人が海外で買ったスマホを日常的に使う、という使い方は、これらの特例の趣旨とは異なります。個別の機器が対象になるかは、総務省の案内と条文で確認してください。

この節の内容は法令の概要の説明で、個別の機器の使用可否を判断するものではありません。条文は改正されることがあるため、最新の e-Gov 法令検索と総務省の案内を確認してください。

モバイル2級ではどう問われる?

電波法と技適は、モバイル2級の出題カテゴリ「モバイルシステム概要と移動体通信サービス」(公式ページの図で13%、2026年9月27日確認)に当たるテーマです。公式テキストのどの章に当たるかは当サイトでは確認できていないため、章番号は示しません。

4択の形式に当てはめると、次のような観点で知識を確かめられる可能性があります。当サイトの整理であり、出題頻度を示すものではありません(出題頻度は公表されていません)。

  • 技術基準適合証明・工事設計認証・技術基準適合自己確認の区別(誰が、何を確かめるか)
  • 免許が不要な無線局の条件と、技適マークの関係
  • 電波法の技適と、電気通信事業法の端末機器の認定の違い
  • 技適のない機器を扱う特例(入国者の90日、実験等の180日)
  • 改造したときの表示の扱い、画面での電子的な表示

Wi-Fi の規格そのもの(Wi-Fi 6・6E・7)はWi-Fi 6・6E・7の違い、無線に関わる国家資格との違いは工事担任者・無線技術士とモバイル2級の違いで扱っています。2級全体の形式はモバイルシステム技術検定2級とはをご覧ください。

どこで間違えやすい?つまずき別の見直し表

当サイトの独自整理
つまずき正しい理解見直しのコツ
技適と工事設計認証は別物だと思う工事設計認証も技適マークの根拠になる手続の一つ技適=3つの手続の総称的な呼び方
メーカーならどの機器でも自己確認できると思う自己確認は「特別特定無線設備」に限られ、届出の制度がある「混信のおそれが少ない一部の機器だけ」
改造しても技適はそのまま有効だと思う変更の工事をした者は表示を除去しなければならない改造=表示を外す義務
技適マークは本体への刻印が必須だと思う画面に電子的に表示する方法も規則で認められている設定画面の表示も正規の方法
海外の機器も届出なしで180日使えると思う180日は届出をした実験等の特例。入国者の持込みは90日以内の範囲90日=入国者、180日=実験等の届出
電波法の技適と事業法の認定は同じ制度だと思う電波法は無線設備、事業法は回線につなぐ端末機器の制度「電波」と「回線」で分ける

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確認問題1:設計と製造の確保を認める認証は?

次の文の空欄に入る語句として、最も適切なものはどれか。「特定無線設備の工事設計が技術基準に適合し、その設計に基づく設備がいずれも設計に合致するよう確保できると登録証明機関が認めて行う認証を( )という。」

  • 1. 技術基準適合証明
  • 2. 技術基準適合自己確認
  • 3. 工事設計認証
  • 4. 端末機器技術基準適合認定

正解は3。工事設計認証(電波法第38条の24)は、設計と、その設計どおりに製造されることの確保を審査する手続で、量産される機器に向いています。

1が誤りなのは、技術基準適合証明(第38条の6)は個々の設備を審査して証明する手続で、設計と製造の確保を認証するものではないからです。2が誤りなのは、技術基準適合自己確認(第38条の33)は、登録証明機関ではなく製造業者や輸入業者が自ら確認する手続だからです。4が誤りなのは、端末機器技術基準適合認定は電気通信事業法第53条の制度で、電波法の手続ではないからです。

確認問題2:技適のない機器の特例の組合せは?

電波法の特例に関する次の記述ア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものはどれか(2026年9月時点の条文による)。

ア:入国者が自ら持ち込む一定の無線設備は、入国の日から90日を超えない範囲で定められた期間、適合表示無線設備とみなされる。

イ:実験等の特例は、届出をすれば期間の制限なく使い続けることができる。

  • 1. ア:正 イ:正
  • 2. ア:正 イ:誤
  • 3. ア:誤 イ:正
  • 4. ア:誤 イ:誤

正解は2。アは正しい記述です。電波法第4条の2第1項は、条件を満たす入国者の持込み機器を、入国の日から90日を超えない範囲で総務省令が定める期間に限って、適合表示無線設備とみなしています。

イは誤りです。実験等の特例(同条第2項・第3項)で適合表示無線設備とみなされるのは、届出の日から180日を超えない範囲で定められた期間、または無線局を廃止した日のいずれか早い日までです。イを正とする1と3、アを誤とする3と4は誤りです。

確認問題3:技適の表示について不適切な記述は?

技術基準適合証明などの表示(技適マーク)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  • 1. 表示は、特定の操作で機器の画面に明瞭に表示する方法でも付けられる。
  • 2. 表示が付いた無線設備を改造した者は、その表示を除去する必要がある。
  • 3. 自己確認は、特別特定無線設備について製造業者などが自ら行える。
  • 4. 販売店は、証明を受けていない機器にも独自の判断で表示を付けてよい。

正解は4。電波法第38条の7第3項は、正規の手続による場合を除き、誰も国内で無線設備や製品にこの表示や紛らわしい表示を付けてはならないと定めています。販売店が独自に付けることはできません。

1は適切です。特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則は、電磁的に記録した表示を画面に表示する方法を認めています。2は適切です。同条第4項は、表示の付いた設備に変更の工事をした者に表示の除去を求めています。3は適切です。第38条の33は、特別特定無線設備に限って製造業者や輸入業者による自己確認を認めています。

3問の根拠を条文と結び付けて説明できたら、移動体通信サービスの他のテーマも含めて本番形式で確かめてみましょう。モバイル2級の無料お試し20問は登録不要で解けます。

よくある質問

技適マークは正式な名前ですか?

「技適マーク」は通称です。電波法では、技術基準適合証明などをした旨の「表示」と呼ばれ、この表示が付いた設備を「適合表示無線設備」と呼んでいます。試験では条文上の呼び方で書かれる可能性もあるため、両方の言い方を結び付けておくと安心です。

技適マークが付いていないと、どんな無線機器も使えないのですか?

発射する電波が著しく微弱な無線局のように、電波法第4条で免許が不要とされ、技適を前提としない区分もあります。また、免許を受けて開設する無線局は別の手続になります。技適マークが特に問題になるのは、Wi-Fi や Bluetooth のように利用者が免許なしで使う小電力の無線局です。

罰則の内容は変わることがありますか?

あります。たとえば第110条の刑罰は、2026年9月時点の条文では「拘禁刑」と表記されています。法令は改正されることがあるため、数値や表現を覚えるときは、確認した時点を添えて e-Gov 法令検索の最新の条文で確かめるようにしてください。

出典・参考

  1. [1]e-Gov 法令検索:電波法(昭和25年法律第131号、確認 2026-09-27)
  2. [2]e-Gov 法令検索:特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則(確認 2026-09-27)
  3. [3]e-Gov 法令検索:電気通信事業法(昭和59年法律第86号、確認 2026-09-27)
  4. [4]総務省 電波利用電子申請:技適未取得機器に関する届出の手続き(確認 2026-09-27)
  5. [5]MCPC モバイルシステム技術検定[2級](出題カテゴリ・確認 2026-09-27)

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