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モバイル1級 第2章 無線アクセスネットワーク技術の要点

モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版 第2章「無線アクセスネットワーク技術」の学習ガイド。NRのニューメロロジー、伝搬とdB計算、マルチアンテナ、無線アクセス制御、CU/DU分割を2級との差で整理し、2023年以後の変化と独自の確認問題3問で対策します。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • 第2章は1級 ネットワーク科目の柱 で、無線区間(端末と基地局の間)と基地局まわりの構成を扱います。節は 2-1 無線アクセス・インタフェースから 2-8 無線通信方式までの8つです。
  • 2級との違いは 仕様の数字で答えさせること です。サブキャリア間隔 15kHz×2^μ、1スロット14シンボル(ノーマル CP)、RB は12サブキャリア、gNB-CU と gNB-DU の間は F1 など、3GPP の仕様に書かれた値が問われます。
  • テキストは2023年4月末時点の情報です。その後、3GPP は 5G-Advanced の Release 18(2024年)と Release 19(2025年末)を完成させ、日本では衛星とスマホの直接通信も始まりました。
  • この記事は章見出しだけを手がかりに当サイトが書いた独自の解説です。当サイトは MCPC とは関係のない非公式の個人運営教材で、合格は保証しません。

この章の位置づけ(科目・範囲):ネットワーク科目の無線側

対応テキストは『モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版』(リックテレコム、2023年7月中旬刊行、定価5,060円(税込)、ISBN 978-4-86594-367-2)です(出版社の書誌ページ、2026年9月27日確認)。本文は2023年4月末時点の情報で書かれています(当サイトがテキスト実物で確認)。出版社のページに第10版の告知は見当たりませんでした(2026年9月27日確認)。改版の予定は公式発表を確認してください。

テキストの目次で確認した科目と章の対応は、ネットワーク=第2〜4章、端末・アプリケーション=第5〜8章、モバイルシステム=第9〜12章 です。第1章「はじめに」は出題範囲外と当サイトは判断しています(推定)。MCPC の1級ページは、ネットワーク科目の範囲を「無線アクセスネットワーク技術、コアネットワーク技術、IPネットワーク応用技術、移動体通信サービスなど」としています。1級は1科目43問・60分の4者択一(CBT)で、3科目すべてに合格すると1級に認定されます(2026年9月27日確認)。

当サイトは章と節の 見出しだけ を手がかりにしており、テキストの本文・図表・巻末のサンプル問題は使っていません。科目全体の進め方は モバイル1級 ネットワーク科目の対策 にまとめています。

2級から深くなる所:用語を知っているかから、仕様の値と手順へ

2級テキスト第11版の第3章(無線アクセスネットワーク技術)では、OFDMA や MIMO、キャリアアグリゲーションが「何のための技術か」を押さえれば得点できました。1級の第2章では、同じ技術を 仕様の値・手順・構成 で問われると考えておくのが安全です(当サイトの判断)。2級の内容の復習は モバイル2級 第3章の要点 を参照してください。

当サイトの整理。テキストの記述ではありません
テーマ2級で押さえる程度1級で深くなる所(当サイトの見立て)
OFDM多数のサブキャリアで並列に送る方式ニューメロロジー μ、スロット数、RB の大きさ、CP の種類
MIMO複数アンテナで速度や品質を上げるSU/MU-MIMO、レイヤ数、ビームの管理と回復
無線の制御ハンドオーバで基地局を切り替えるランダムアクセスの手順、RRC の状態、DRX、送信電力制御
基地局の構成基地局とコアをつなぐgNB-CU/DU の分割と F1・E1・Xn・NG の各インタフェース
電波の伝わり方周波数が高いほど届きにくい自由空間伝搬損失と dB・dBm による回線計算

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節ごとの要点:2-1〜2-8 で何を覚えるか

2-1 無線アクセス・インタフェース:端末と基地局の間のプロトコルは、下から PHY・MAC・RLC・PDCP、ユーザデータ側に SDAP、制御側に RRC が乗る構成です。RRC には IDLE・INACTIVE・CONNECTED の3つの状態があり、INACTIVE は基地局側に端末の情報を残したまま省電力で待ち受ける状態として出題されやすい所です。

2-2 伝送方式:3GPP TS 38.211 は、サブキャリア間隔を 15×2^μ kHz(μ=0〜6、15kHz〜960kHz)とし、拡張 CP が使えるのは μ=2(60kHz)だけと定めています。ノーマル CP では1スロット14シンボルで、1ms のサブフレームに入るスロット数は 2^μ です(Release 17 版で確認)。周波数方向の1リソースブロック(RB)は連続する12サブキャリアです。誤り訂正は、データに LDPC 符号、制御情報に Polar 符号が使われます(TS 38.212)。

2-3 移動体通信用周波数帯域:NR の周波数は FR1(いわゆる Sub6 を含む低い帯域)と FR2(ミリ波)に分かれます。日本の5G は、2019年4月10日に総務省が開設計画を認定した 3.7GHz 帯・4.5GHz 帯と 28GHz 帯から始まりました。一般に、周波数が高いほど広い帯域が取れる代わりに、届く範囲が狭く遮へいに弱くなります。

2-4 電波伝搬特性と伝送技術:自由空間伝搬損失は距離と周波数それぞれの2乗に比例し、dB で表すと距離が2倍で約6dB、周波数が2倍でも約6dB 増えます。送信電力(dBm)+アンテナ利得(dBi)−損失(dB)で受信電力を求める回線計算は、1級らしい計算問題の定番です。計算の練習は モバイル1級の計算問題 にまとめています。

2-5 マルチアンテナ技術:同じ周波数で複数の流れ(レイヤ)を送る MIMO と、電波を特定の方向に絞るビームフォーミングを区別します。ミリ波ではビームが細く、ビームの選択・追従・切れたときの回復が重要になります。基礎は MIMOとビームフォーミング で解説しています。

2-6 無線アクセス制御技術:ランダムアクセス(プリアンブル送信から始まる接続の手順)、上りの送信タイミングを合わせるタイミングアドバンス、待受中の電池を節約する DRX、送信電力制御、HARQ による再送、ハンドオーバの手順などです。

2-7 無線アクセスネットワークの構成:3GPP TS 38.401 では、gNB を RRC・SDAP・PDCP を持つ gNB-CU と、RLC・MAC・PHY を持つ gNB-DU に分けられ、両者の間が F1 インタフェースです。さらに CU を制御側の gNB-CU-CP とユーザ側の gNB-CU-UP に分けると、その間は E1 です。基地局どうしは Xn、コアとは NG でつながります。4G の基地局を主にして5G を足す EN-DC(NSA)の構成も押さえます。

2-8 無線通信方式:LTE と NR の比較、複数のキャリアを束ねる キャリアアグリゲーション、OFDMA の考え方、機能を絞った IoT 向け端末(RedCap)や衛星を使う NTN など、方式の広がりを整理します。3GPP は Release 17 で RedCap 端末と NR の NTN を仕様化しています。

間違えやすい所:似た名前のインタフェースと数値

ETSI TS 138 211・138 212・138 401(Release 17 版)をもとに当サイトが作成(2026年9月27日確認)
誤解しやすい言い方正しい整理(3GPP の仕様による)
gNB-CU と gNB-DU の間は XnCU と DU の間は F1。Xn は gNB どうし、NG は gNB とコアの間
PDCP は DU 側に置かれるPDCP・SDAP・RRC は CU 側、RLC・MAC・PHY は DU 側
拡張 CP はどのサブキャリア間隔でも使える拡張 CP が使えるのは μ=2(60kHz)だけ
サブキャリア間隔を2倍にするとスロットは長くなるスロットは短くなり、1ms に入るスロット数が2倍になる
距離を2倍にすると自由空間伝搬損失は2倍(3dB)損失は距離の2乗に比例するので約6dB 増える
データも制御情報も同じ誤り訂正符号データは LDPC、制御情報は Polar

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インタフェース名の問題は、「どことどこの間か」を図にして覚える と取り違えが減ります。gNB を CU と DU に割ったら F1、CU を CP と UP に割ったら E1、隣の gNB へは Xn、コアへは NG です。

テキスト後に変わった点(2026年9月時点)

テキストは2023年4月末時点の情報です。第2章に関わる、その後の主な変化を一次資料で確かめました。

当サイトが一次資料で確認(2026年9月27日)
時期変化出典
2024年3月・6月5G-Advanced の最初のリリース Release 18 の Stage 3 凍結(3月)と ASN.1 凍結(6月)3GPP
2024年9月26日Wi-Fi 7 の規格 IEEE 802.11be-2024 が承認IEEE
2024年12月13日総務省が 4.9GHz 帯(4,900MHz 超 5,000MHz 以下)の5G の開設計画を認定(ソフトバンク)総務省
2025年4月10日KDDI などが衛星とスマホの直接通信「au Starlink Direct」を開始KDDI
2025年12月2つ目の 5G-Advanced である Release 19 が完成3GPP
2025年〜2027年(予定)Release 20 は最後の 5G-Advanced 専用リリースで、6G の検討(スタディ)も含む。6G の規範的な仕様は Release 21 で作る計画3GPP
2026年3月31日NTTドコモが3G の FOMA を終了し、国内大手の3G がすべて終了NTTドコモ

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1級の出題がどの時点の仕様を基準にしているかは公表されていません。問題文に「Release 15 の仕様で」などの条件があれば、その条件で答えるのが基本です。6G と衛星通信の動きは 6Gとは、NTNとは で解説しています。

確認問題1:ニューメロロジー

(当サイトのオリジナル問題)5G NR でサブキャリア間隔を 30kHz(μ=1)、ノーマル CP とした場合、1ms のサブフレームに含まれるスロット数として正しいものはどれか。

  1. 1
  2. 4
  3. 2
  4. 8

正解:3。1サブフレームあたりのスロット数は 2^μ で、μ=1 なら2スロットです(TS 38.211 の表 4.3.2-1)。

1:μ=0(15kHz)の場合です。2:μ=2(60kHz)の場合です。4:μ=3(120kHz)の場合です。

確認問題2:RAN のインタフェース

(当サイトのオリジナル問題)NG-RAN で、gNB を集約ユニット(gNB-CU)と分散ユニット(gNB-DU)に分けたとき、両者の間のインタフェースとして正しいものはどれか。

  1. Xn
  2. NG
  3. E1
  4. F1

正解:4。TS 38.401 では、gNB-CU と gNB-DU はそれぞれ F1 インタフェースを終端します。

1:Xn は gNB どうしの間です。2:NG は NG-RAN と 5GC の間です。3:E1 は gNB-CU-CP と gNB-CU-UP の間です。

確認問題3:自由空間伝搬損失

(当サイトのオリジナル問題)周波数を変えずに、送信点と受信点の距離を2倍にした。自由空間伝搬損失はおよそ何 dB 増えるか。

  1. 3dB
  2. 6dB
  3. 10dB
  4. 20dB

正解:2。自由空間伝搬損失は距離の2乗に比例するので、20log10(2)≒6dB 増えます。

1:3dB は電力が2倍(10log10(2))の場合の値です。3:10dB は電力が10倍の場合です。4:20dB は距離を10倍にした場合です。

確認問題のあとは何をすればいい?

迷った問題は「どことどこの間か」「μ が1つ増えると何が2倍になるか」「電力比か距離比か」の3点で見直してください。第2章は計算と構成の問題が多いので、図と式を自分で書けるようにするのが近道です。

本番と同じ4択で確かめるなら、モバイル1級 ネットワーク科目の無料お試し で全問の解説まで確認できます。1級の検定の全体像は モバイル1級のページ、収録内容は 料金と収録内容 で確認できます。続く 第3章 コアネットワーク技術 もあわせて進めてください。

よくある質問

第2章はネットワーク科目の中でどれくらい出ますか?

科目内の章ごとの出題数は公式には非公表です。当サイトの模試では無線アクセスを最も厚く配分していますが、これは当サイトの判断で、公式の配分ではありません。

3GPP の仕様書まで読む必要がありますか?

全文を読む必要はないと当サイトは考えています。ニューメロロジーの表(TS 38.211)や NG-RAN の構成(TS 38.401)など、数字と構成が決まっている部分だけを一次資料で確かめると効率的です。

テキストが第9版のままですが、最新の仕様との違いはどう扱えばいいですか?

テキストは2023年4月末時点の情報です。Release 18 以降の内容はテキストに載っていないため、問題文に仕様のリリースが書かれていればそれに従って答えてください。出題の基準日は公式には示されていないため、公式発表を確認してください。

出典・参考

  1. [1]リックテレコム モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版(書誌・目次、2026年9月27日確認)
  2. [2]MCPC モバイルシステム技術検定[1級](科目・形式・範囲、2026年9月27日確認)
  3. [3]ETSI TS 138 211 V17.5.0(3GPP TS 38.211 Release 17、ニューメロロジーとフレーム構成、2026年9月27日確認)
  4. [4]ETSI TS 138 212 V17.5.0(3GPP TS 38.212 Release 17、LDPC・Polar 符号、2026年9月27日確認)
  5. [5]ETSI TS 138 401 V17.5.0(3GPP TS 38.401 Release 17、gNB-CU/DU と F1・E1、2026年9月27日確認)
  6. [6]3GPP Release 17(RedCap・NTN、2026年9月27日確認)
  7. [7]3GPP Rel-18 Status and Rel-19 Progress in TSG RAN(2026年9月27日確認)
  8. [8]3GPP Release 19(2026年9月27日確認)
  9. [9]3GPP Release 20(2026年9月27日確認)
  10. [10]総務省 5G の導入のための特定基地局の開設計画の認定(概要、2019年4月、2026年9月27日確認)
  11. [11]総務省 4.9GHz帯における5Gの普及のための特定基地局の開設計画の認定(2024年12月13日、2026年9月27日確認)
  12. [12]IEEE 802.11be-2024(2024年9月26日承認、2026年9月27日確認)
  13. [13]KDDI au Starlink Direct 提供開始(2026年9月27日確認)
  14. [14]NTTドコモ「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内(2026年9月27日確認)

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