この記事の要点
- 6Gは、5G(IMT-2020)の次の世代の移動通信で、ITU-R は IMT-2030 と呼んでいます。2026年9月時点では標準化の途中で、仕様は完成していません。
- ITU-R の勧告 M.2160(2023年11月)は、6Gの利用シナリオを 6つ(IC・HRLLC・MC・UC・AIAC・ISAC) と示しました。5Gの3つを発展させた3つに、新しい3つが加わった形です。
- 3GPP は Release 20 で6Gの検討(スタディ)、Release 21 で最初の6G仕様 を作る計画で、Release 21 の機能凍結(Stage 3)は2028年12月の予定です(2026年9月時点)。
- モバイル2級の公式テキスト第11版の改版の要点に「6Gのコンセプト」が含まれます。出題カテゴリ「モバイルシステム概要と移動体通信サービス」(公式の比率は13%)に当たる範囲です。
6Gとは、何を指す言葉なのか?
一言でいうと、6Gは「5Gの次に来る移動通信の世代」で、国際的な枠組みの名前は IMT-2030 です。ITU-R は IMT-2030 を「2030年とその先に向けた IMT」と位置づけ、IMT-2020(5G)を超える能力と、新しい能力を持つものとしています(2026年9月27日確認)。
ここで大事なのは、2026年9月時点で6Gは「仕様が完成した技術」ではなく「要求条件と仕様を作っている途中の世代」だという点です。「6Gの通信速度は○○」のように断定した記述を見たら、それが目標値なのか、研究の値なのか、何年時点の話なのかを確かめてください。
MCPC は、モバイルシステム技術テキスト第11版の改版の要点として「6Gのコンセプトについて解説を追加」と案内しています(2026年9月27日確認)。試験で押さえたいのも、細かな数値よりコンセプトと標準化の位置づけです。
5Gと6Gを比べると、目標と要素技術はどう違うのか?
ITU-R の勧告 M.2160 は、6Gの利用シナリオを6つ示しています。そのうち3つは5Gの3シナリオを発展させたもの、残りの3つが6Gで新しく加わったものです。
| 5G(IMT-2020) | 6G(IMT-2030) | 何が広がるか |
|---|---|---|
| eMBB(高速大容量) | IC(Immersive Communication) | 臨場感のある通信。XR など、より没入感の高い体験 |
| URLLC(高信頼・低遅延) | HRLLC(Hyper Reliable and Low Latency Communication) | 信頼性と低遅延をさらに高める |
| mMTC(多数同時接続) | MC(Massive Communication) | さらに多くの機器をつなぐ |
| (新規) | UC(Ubiquitous Connectivity) | つながりにくい地域も含め、どこでもつながる |
| (新規) | AIAC(Artificial Intelligence and Communication) | 通信と AI の融合。網の中で AI を動かし、AI の処理を支える |
| (新規) | ISAC(Integrated Sensing and Communication) | 通信の電波で周囲の物体や動きを感知する(センシング) |
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表の右2列で押さえたいのは、6Gの新しさが「もっと速い」だけではないことです。通信とAI、通信とセンシングを1つのシステムで扱う、という方向が加わっています。M.2160 は、こうした利用シナリオとあわせて、持続可能性などシステム全体にかかわる設計の考え方も示しています。
どこでもつながる(UC)という方向は、衛星や高高度の飛行体を使う NTN とも関係が深い分野です。NTN についてはNTN(非地上系ネットワーク)とはで整理しています。5Gの3シナリオの区別はLTEと5G NRの違いで確認できます。
6Gの標準化は、どの順番で進んでいるのか?
6Gの標準化は、ITU-R が枠組みと要求条件を決め、3GPP などが具体的な仕様を作って提案する、という流れで進みます。2026年9月27日に確認できた予定を、順に並べます。予定は変わることがあるため、年は「2026年9月時点」の情報として読んでください。
- 2023年11月:ITU-R が IMT-2030 の枠組みを示す勧告 M.2160 を承認(6つの利用シナリオ)。
- 2024年:3GPP の Release 18 以降が「5G-Advanced」となり、AI・機械学習の活用などが新しい検討項目に入る(5Gの発展段階)。
- 2026年:ITU-R の作業部会(WP 5D)が、IMT-2030 の技術性能要件(2月)と、候補技術の評価ガイドライン(6月)の作成を完了。
- Release 20:3GPP が6Gの検討(スタディ)を行うリリース。6Gの利用例とサービス要件をまとめた報告が承認されている。
- 2027年2月〜2029年2月:ITU-R が IMT-2030 の無線インタフェースの候補技術の提案を受け付ける期間。
- Release 21:3GPP が最初の6G仕様(規範となる仕様)を作るリリース。Stage 2 の凍結が2028年6月、Stage 3 の凍結が2028年12月、ASN.1 の凍結が2029年3月の予定。
3GPP は Release 21 について、最初の規範的な6Gリリースであると同時に、5G-Advanced の仕様作業も多く含むと説明しています。つまり、6Gの仕様作りが始まっても、5Gの改良は並行して続くということです。世代の流れ全体は移動体通信の世代(1G〜6G)とはで整理しています。
モバイル2級では、どの範囲で、どう問われそうか?
MCPC の公式ページの図では、モバイルシステム技術検定 2級(100問・100分・4者択一)の出題カテゴリ「モバイルシステム概要と移動体通信サービス」の比率が13%と示されています(2026年9月27日確認)。どの用語が何問出るかは公表されていません。
当サイトでは、公式テキスト『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の第1章「モバイルシステムの概要」がこの範囲に当たると推定しています(章名から当サイトが判断したもので、公式の対応表ではありません)。第11版で加わった内容はモバイルシステム技術テキスト第11版の変更点にまとめています。
4択での問われ方は、次のような型が考えられます。出題頻度の公式データはないため、型の整理として読んでください。
- 名称:6Gに当たる ITU-R の枠組み(IMT-2030)を、IMT-2020 などと並べて選ばせる。
- 利用シナリオ:5Gから発展したシナリオと、6Gで新しく加わったシナリオの区別。
- 要素技術:通信とセンシングの融合、AI との融合の説明として適切なものを選ばせる。
- 時期の位置づけ:「すでに仕様が完成している」など、標準化の段階を取り違えた記述を見抜く。
試験全体の形式はモバイルシステム技術検定2級とはにまとめています。
どこで取り違えやすいのか?
6Gは報道や解説記事で数値が独り歩きしやすい分野です。枠組み・段階・シナリオのどれを問われているかを先に決めてください。
| 取り違え | 正しい考え方 | 確認する問い |
|---|---|---|
| 6Gの ITU-R での名前は IMT-2020 | IMT-2020 は5G。6Gは IMT-2030 | 数字は何年を見据えた枠組みか |
| 6Gの仕様は Release 20 で完成 | Release 20 は検討(スタディ)。最初の6G仕様は Release 21 | 検討か、規範となる仕様か |
| 6Gは5Gの3シナリオを置き換えて全く別物になる | 3つは5Gを発展させたもの、3つは新しく加わったもの | 発展か、新規か |
| ISAC は AI と通信の融合 | ISAC は通信とセンシングの融合。AI との融合は AIAC | Sensing か、AI か |
| 5G-Advanced は6Gの別名 | 5G-Advanced は Release 18 以降の5Gの発展段階 | 5Gの改良か、次の世代か |
| 6Gの通信速度は仕様で決まっている | 2026年9月時点では要件と仕様を作っている途中 | 何年時点の、何の値か |
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確認問題1:6Gの国際的な枠組みの名前を選べるか?
ITU-R が定めた、第6世代移動通信(6G)に当たる国際的な枠組みの名称として、最も適切なものはどれか。
- IMT-2000
- IMT-Advanced
- IMT-2020
- IMT-2030
正解:4。ITU-R は6Gに当たる枠組みを IMT-2030 と呼び、2023年11月に枠組みの勧告 M.2160 を承認しています。
1の IMT-2000 は3G、2の IMT-Advanced は4G、3の IMT-2020 は5Gに当たる枠組みです。数字を「規格が完成した年」と読むのではなく、見据えた時期の名前として覚えてください。
確認問題2:6Gで新しく加わった利用シナリオを選べるか?
ITU-R の IMT-2030 の利用シナリオのうち、5Gの利用シナリオを発展させたものではなく、6Gで新しく加わったものの組合せとして、最も適切なものはどれか。
- IC・HRLLC・MC
- UC・AIAC・ISAC
- IC・AIAC・MC
- HRLLC・UC・ISAC
正解:2。UC(どこでもつながる接続)、AIAC(AI と通信)、ISAC(センシングと通信)が、6Gで新しく加わった3つのシナリオです。
1の IC・HRLLC・MC は、それぞれ5Gの eMBB・URLLC・mMTC を発展させたシナリオです。3は IC と MC、4は HRLLC が、発展させた側のシナリオを含んでいます。
確認問題3:6Gの標準化の段階を説明できるか?
2026年9月時点の6Gの標準化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 3GPP の Release 15 で、6Gの無線方式の最初の完全な仕様群がまとめられた
- ITU-R は6Gの枠組みを定めず、3GPP が単独で6Gの要件と名称を決めている
- 3GPP は Release 20 で6Gを検討し、Release 21 で最初の6G仕様を作る計画である
- 6Gの仕様作りが始まったため、3GPP は5Gの改良を行う作業をすべて終えた
正解:3。3GPP は Release 20 を6Gの検討のためのリリース、Release 21 を最初の規範的な6Gリリースと位置づけています(2026年9月時点)。
1の Release 15 は5Gの最初の完全な仕様群です。2は誤りで、ITU-R が IMT-2030 の枠組みと要求条件を定めています。4も誤りで、3GPP は Release 21 にも5G-Advanced の作業が多く含まれると説明しています。
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よくある質問
6Gはいつから使えるようになりますか?
2026年9月時点で確認できるのは標準化の予定までです。3GPP の Release 21 の Stage 3 の凍結が2028年12月、ASN.1 の凍結が2029年3月の予定とされています。商用サービスの開始年は各事業者の計画によるため、当サイトでは断定していません。
6Gではテラヘルツ波を使うと聞きました。試験で覚えるべきですか?
使う周波数帯は、2026年9月時点では研究・検討の段階の話題です。当サイトでは一次資料で確定を確かめられた内容だけを書いています。周波数を問われた場合は、選択肢が「検討されている」のか「決まっている」のかという言い回しに注意してください。
出典・参考
本番と同じペースで腕試し
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