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モバイルシステム技術検定1級の計算対策|dB・伝送速度・稼働率

モバイルシステム技術検定1級に計算問題が出るかは公表されていません。そのうえで、エキスパート編の範囲で数字を扱うdB・dBm、伝送速度とデータ量、周波数と波長、稼働率・MTBF・MTTRを当サイトが例題つきで整理。オリジナルの練習問題3問も解説します。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • この記事は当サイトの整理です。1級で計算問題が出るかどうか、何問出るかは公表されていません。公式ページに書かれている形式は、1科目43問・60分の4者択一(CBT)だけです(2026年9月27日確認)。
  • それでも、無線の電力(dB・dBm)、伝送速度、周波数と波長、システムの稼働率は、ネットワーク科目・モバイルシステム科目の用語を理解するときに数字で考える場面が多いテーマです。
  • 覚える式は少数です:10log10(電力比)、ビット=バイト×8、波長=光速÷周波数、稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)。
  • 例題の数字はすべて当サイトが作り、2026年9月27日に計算し直して確かめています。

1級に計算問題は出る?(分かっていること)

MCPC の1級のページに示されている形式は、1科目43問(4者択一)・60分・CBT方式です。科目の範囲は、ネットワーク(無線アクセスネットワーク技術・コアネットワーク技術など)、端末・アプリケーション、モバイルシステム(要件定義・開発・運用・法制度)と説明されています(2026年9月27日確認)。計算問題の有無や数は書かれていません。

公開されている1級のサンプル問題(2022年5月26日版)を当サイトが2026年9月27日に確認したところ、数値を計算して答えさせる問題は見当たりませんでした。ただしサンプルは数問だけで、本番の傾向を示すものではありません。

そのため当サイトは「計算問題が出る」とは言いません。この記事は、用語の説明に数字が出てきたときに意味を取り違えないための整理として使ってください。テキストの章との対応は、ネットワーク=第2〜4章、端末・アプリケーション=第5〜8章、モバイルシステム=第9〜12章と当サイトは推定しています(第1章は出題範囲外と当サイトは判断。公式の対応表はありません)。

数字を扱うテーマと、関係しそうな章(当サイトの整理)
テーマ覚える式関係しそうな章
dB・dBm10log10(P1/P2)、0dBm=1mW第2章 伝送方式・電波伝搬特性
伝送速度とデータ量時間=データ量(ビット)÷速度第2章 伝送方式、第7章 接続技術
周波数と波長λ=c÷f第2章 周波数帯域・電波伝搬、第5章 アンテナを含む端末
稼働率・MTBF・MTTRA=MTBF÷(MTBF+MTTR)第9章 非機能要件、第11章 システム運用

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dBの計算は、何を覚えればいい?

ITU-R の勧告 V.574 は、2つの電力 P1・P2 の比をデシベルで表すと 10 lg(P1/P2)(lg は常用対数)になると定めています。電圧や電界強度のような量の比では、電力が2乗に比例するので 20log10 になります。基準を 1mW にした電力の絶対値が dBm です(同勧告では dB(mW) の簡略表記として dBm が示されています、2026年9月27日確認)。

よく使う dB の値(当サイトの計算)
電力の比dBdBm にすると
2倍約+3dB(10log10 2=3.01)1mW の2倍=2mW → 約3dBm
10倍+10dB10mW → 10dBm
100倍+20dB100mW → 20dBm
1,000倍+30dB1W → 30dBm
2分の1約−3dB0.5mW → 約−3dBm
1,000分の1−30dB1µW → −30dBm

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dB の良いところは、掛け算が足し算になることです。回線の設計(リンクバジェット)では、送信電力に利得を足し、損失を引くだけで受信電力が出ます。

例題:送信電力 20dBm、送信アンテナ利得 5dBi、受信アンテナ利得 2dBi、伝搬損失 110dB、ケーブル損失 2dB のとき、受信電力は 20+5+2−110−2=−85dBm です。同じ場所の雑音電力が −100dBm なら、信号対雑音比(SNR)は −85−(−100)=15dB で、比に直すと 10^1.5≒31.6倍です。

自由空間の伝搬損失は 20log10(4πd/λ)で表され、距離が2倍になると約6dB(20log10 2=6.02)増えます。同じ距離なら周波数が2倍(波長が半分)でも約6dB増えます。高い周波数ほど届きにくいと言われる理由の一つです。周波数帯ごとの性質はプラチナバンドとはも参考になります。

伝送速度とデータ量は、どう換算する?

通信速度は bps(ビット毎秒)、ファイルの大きさはバイト(B)で表すことが多く、1バイト=8ビットです。ここを取り違えると答えが8倍ずれます。以下の例では、1MB=10^6 バイトとして計算します。

  1. データ量をビットに直す:100MB × 8 = 800Mbit
  2. 速度で割る:800Mbit ÷ 50Mbps = 16秒
  3. 条件を確かめる:実際はヘッダや再送があるので、実効速度が表示の最大速度より低いことを前提にする

無線区間の速度は、1秒に送るシンボルの数、1シンボルが運ぶビット数、誤り訂正の符号化率、MIMO のレイヤ数の掛け算で考えられます。1シンボルが運ぶビット数は、変調の点の数 M に対して log2 M です(QPSK=2、16QAM=4、64QAM=6、256QAM=8)。

例題:1秒に100万シンボル、64QAM(6ビット)、符号化率3/4、2レイヤの MIMO なら、100万×6×0.75×2=900万bps(9Mbps)です。変調を256QAM(8ビット)に上げると、ほかが同じなら 8÷6 で約1.33倍になります。

理論上の上限の目安にはシャノンの式 C=B log2(1+S/N)があります。帯域幅 20MHz、S/N が31倍(約14.9dB)なら、20MHz × log2 32 = 20MHz × 5 = 100Mbps です。帯域を2倍にすると上限も2倍になりますが、S/N を2倍にしても log の中が増えるだけなので2倍にはなりません。多重化の仕組みはOFDMAとは、アンテナの本数と速度の関係はMIMOとビームフォーミングにまとめています。

周波数と波長は、どう結び付く?

電波の波長 λ は、光速 c を周波数 f で割った値です。c は SI の定義定数で、正確に 299,792,458m/s です(BIPM、2026年9月27日確認)。試験勉強では約3×10^8 m/s で十分です。

周波数と波長の目安(c=3×10^8 m/s として当サイトが計算)
周波数波長4分の1波長
700MHz約43cm約11cm
2.4GHz12.5cm約3.1cm
3.5GHz約8.6cm約2.1cm
28GHz約1.07cm約2.7mm

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アンテナの長さは波長に比例して短くできるため、高い周波数ほど小さなアンテナ素子をたくさん並べやすくなります。これが、ミリ波で多数のアンテナを使うビームフォーミングが実用になりやすい理由の一つです。

例題(ドップラーシフト):時速100km(約27.8m/s)で基地局へまっすぐ向かう端末が 3.5GHz を受けると、周波数のずれは v÷λ=27.8÷0.0857≒約324Hz です。速さが同じなら、周波数が高いほどずれは大きくなります。

稼働率・MTBF・MTTRはどう計算する?

MTBF(平均故障間隔)は故障から次の故障までの平均の稼働時間、MTTR(平均修復時間)は故障してから直るまでの平均時間です。稼働率 A は MTBF÷(MTBF+MTTR)です。MTBF が990時間、MTTR が10時間なら、990÷1,000=0.99 です。

組合せの稼働率(当サイトの例題。2026年9月27日に再計算)
つなぎ方式例(A=0.99 の装置など)
直列(どれか1つ止まると全体が止まる)A1 × A20.99 × 0.98 = 0.9702
並列(全部止まらない限り動く)1 −(1−A1)×(1−A2)1 − 0.01 × 0.01 = 0.9999
並列の2台と、別の装置を直列並列を先に計算してから掛ける0.9999 × 0.999 = 0.9989001(約0.9989)

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稼働率を年間の停止時間に直すと、要件定義で数字の重さが実感できます。1年=8,760時間とすると、99.9%なら 0.1%×8,760=8.76時間、99.99%なら 0.01%×8,760=0.876時間=約53分です。

SLA(サービスレベル合意)で稼働率を決めるときは、計画停止を含めるか、どこからどこまでを測るかも一緒に決めます。数字だけでなく「何を測った数字か」を確かめる癖をつけてください。同じ型の計算はIoT中級の計算問題の解き方でも練習できます。

練習問題(当サイトのオリジナル)

次の3問はすべて当サイトが作った問題で、公式のサンプル問題や本番の問題ではありません。紙に途中式を書いてから選択肢を見てください。

確認問題1:受信電力は何dBm?

送信電力 20dBm、送信アンテナ利得 3dBi、受信アンテナ利得 0dBi、伝搬損失 100dB、受信側のケーブル損失 1dB のとき、受信電力として最も適切なものはどれか。

  1. −84dBm
  2. −80dBm
  3. −76dBm
  4. −78dBm

正解:4。利得は足し、損失は引くので、20+3+0−100−1=−78dBm です。

1 の −84dBm は、アンテナ利得3dBを損失のように引いた値(20−3−100−1)です。2 の −80dBm は、利得とケーブル損失を無視して伝搬損失だけを引いた値です。3 の −76dBm は、ケーブル損失1dBを足してしまった値(20+3−100+1)です。

確認問題2:200MBを送るのに何秒かかる?

200MB のファイルを、実効速度 40Mbps の回線で送る。オーバーヘッドは考えず、1MB=10^6 バイトとするとき、かかる時間として最も適切なものはどれか。

  1. 5秒
  2. 40秒
  3. 320秒
  4. 0.2秒

正解:2。200MB×8=1,600Mbit、1,600Mbit÷40Mbps=40秒です。

1 の5秒は、バイトをビットに直さずに 200÷40 とした値です。3 の320秒は、8を2回掛けてしまった値(200×8×8÷40)です。4 の0.2秒は、割り算の向きを逆にした値(40÷200)です。

確認問題3:システム全体の稼働率は?

稼働率0.9のサーバ2台を並列にし(どちらか1台が動けばよい)、その後ろに稼働率0.95のネットワーク機器を1台、直列につないだ。システム全体の稼働率として最も適切なものはどれか。

  1. 0.7695
  2. 0.855
  3. 0.9405
  4. 0.99

正解:3。並列部分は 1−(1−0.9)×(1−0.9)=1−0.01=0.99、これに直列の0.95を掛けて 0.99×0.95=0.9405 です。

1 の0.7695は、3台をすべて直列として 0.9×0.9×0.95 とした値です。2 の0.855は、並列を無視してサーバ1台と機器を掛けた値(0.9×0.95)です。4 の0.99は、並列部分だけを計算し、直列の機器を掛け忘れた値です。

計算で落とさないための手順は?

取り違えやすい点(当サイトの整理)
つまずき正しい整理確かめ方
dB と dBm を同じものと考えるdB は比、dBm は 1mW を基準にした絶対値単位に「m」が付くかを見る
電圧の比にも 10log10 を使う電圧・電界の比は 20log10電力か、電圧・電界かを問題文で確かめる
MB と Mbps をそのまま割るバイトは8倍してビットにそろえる答えが8倍・8分の1になっていないか見直す
稼働率の並列を足し算にする止まる確率どうしを掛けて1から引く並列の結果が各装置より高くなっているか
MTTR を短くしても稼働率は変わらないと思う修復が速いほど稼働率は上がる式の分母に MTTR が入っていることを思い出す

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1級の本番は1科目43問を60分で解くので、1問あたり約84秒です。計算が必要そうな問題に出会ったら、先に選択肢の桁を見比べると、途中式を最後まで書かずに絞り込めることがあります。ネットワーク科目の全体像は1級「ネットワーク」科目の範囲、第2章の読み方は第2章の学習ガイド、運用の指標は第11章の学習ガイドで扱います。

本番と同じ43問・60分の形で解く練習は、登録不要のネットワーク科目の無料お試しやモバイルシステム科目の無料お試しで試せます。

当サイトは MCPC とは関係のない個人運営の非公式教材で、合格を保証するものではありません。公式テキストの本文・図表・巻末のサンプル問題は使っていません。

よくある質問

1級では電卓を使えますか?

1級の公式ページには、電卓の持ち込みについての記載がありません(2026年9月27日確認)。持ち込めると考えず、筆算で解ける桁の練習をしておくのが安全です。当日の持ち物は本人確認書類が必要とされています。

log の計算に自信がありません。何を覚えればよいですか?

log10 2≒0.301、log10 3≒0.477 と、10倍=10dB の3つがあれば、2倍=3dB、4倍=6dB、8倍=9dB、100倍=20dB などをすぐに出せます。細かい桁より、比と dB を行き来できることを優先してください。

2級で学んだ計算と何が違いますか?

式そのものは同じものが多く、1級では回線設計やシステムの要件定義など、使う場面の中で数字の意味を問われる形になると当サイトは考えています。ただし1級の出題形式の詳細は公表されていません。

シャノンの式は覚える必要がありますか?

出題されるかは分かりません。「帯域幅に比例し、S/N には対数でしか効かない」という性質を言えるようにしておけば、速度を上げる方法(帯域を広げる、MIMO でレイヤを増やす)を比べる問題で役に立ちます。

出典・参考

  1. [1]MCPC モバイルシステム技術検定[1級](形式・科目別出題カテゴリ、2026年9月27日確認)
  2. [2]MCPC 検定試験サンプル問題(1級サンプル 2022年5月26日版の有無のみ確認、2026年9月27日確認)
  3. [3]ITU-R Recommendation V.574-5 Use of the decibel and the neper in telecommunications(2026年9月27日確認)
  4. [4]BIPM SI defining constants(光速 c、2026年9月27日確認)

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