この記事の要点
- プラチナバンドは、携帯電話で使う周波数のうち700MHz〜900MHz帯あたりを指す通称です。法令上の正式な用語ではありませんが、電波の性質が使いやすいことからこう呼ばれます。
- 低い周波数ほど、障害物の裏へ回り込みやすく、遠くまで届きやすい一方、使える帯域幅が狭く、大容量には向きにくい性質があります。高い周波数はその逆です。
- 5Gでは、6GHz未満の Sub6(サブ6) と、28GHz帯などの ミリ波 も使われます。総務省の電波利用ポータルでは、700MHz帯の開設計画や5Gの各帯域の情報が公開されています(2026年9月27日確認)。
- モバイル2級の出題カテゴリ「ワイヤレス通信の原理とネットワーク技術」(公式の比率は15%)に当たる範囲です。
プラチナバンド(周波数帯)とは、何のことか?
一言でいうと、プラチナバンドは「つながりやすさの点で価値が高い、1GHz未満の低い周波数帯」を指す通称です。携帯電話では主に700MHz帯・800MHz帯・900MHz帯がこう呼ばれます。
低い周波数の電波は、建物の陰に回り込みやすく、壁を通り抜けたあとも弱まりにくいため、屋内や郊外でもつながりやすくなります。1つの基地局で広い範囲を覆いやすいことも、事業者にとっての価値です。
総務省の電波利用ポータルの4Gのページには、「700MHz帯における移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」の欄があり、楽天モバイルの開設計画の四半期報告が掲載されています(2026年9月27日確認)。また、700MHz帯・900MHz帯の周波数再編についての案内も置かれています。
低い周波数と高い周波数では、性質がどう違うのか?
電波の性質は、周波数(1秒間に振動する回数)と、その裏返しである波長で説明できます。波長は「光の速さ÷周波数」で求められます。光の速さを秒速30万km(3×10⁸m/s)とすると、次のようになります。
| 周波数 | 波長(約) | 呼ばれ方の例 |
|---|---|---|
| 700MHz | 43cm | プラチナバンド |
| 900MHz | 33cm | プラチナバンド |
| 3.5GHz | 8.6cm | 4G・5Gで使う中くらいの帯域(Sub6に含まれる) |
| 28GHz | 1.1cm | 5Gのミリ波(28GHz帯) |
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波長が長い電波ほど、障害物の縁で回り込む回折が起きやすく、陰になった場所にも届きやすくなります。逆に、波長の短い電波は光に近い性質を持ち、まっすぐ進みやすく、障害物に遮られやすくなります。
低い周波数と高い周波数の長所・短所を、表で比べるとどうなるか?
試験では「どちらが良いか」ではなく、「何に向いているか」で問われると考えて整理します。
| 観点 | 低い周波数(プラチナバンドなど) | 高い周波数(ミリ波など) |
|---|---|---|
| 障害物の裏への回り込み | しやすい | しにくい(直進性が強い) |
| 距離による弱まり | 小さく、遠くまで届きやすい | 大きく、届く距離が短い |
| 1基地局で覆える範囲 | 広い | 狭い(多くの基地局が必要) |
| 確保しやすい帯域幅 | 狭い | 広い |
| 通信速度・容量 | 大容量には向きにくい | 高速・大容量に向く |
| アンテナの大きさ | 波長が長く、大きくなりやすい | 波長が短く、小さな素子を多数並べられる |
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最後の行は5Gの技術と関係します。波長が短いほどアンテナ素子を小さくでき、多数の素子を並べて電波を特定の方向に絞るビームフォーミングや、たくさんのアンテナを使うMassive MIMOに向きます。高い周波数の「届きにくさ」を、電波を絞って補う考え方です。詳しくはMIMOとビームフォーミングで扱います。
ミリ波・Sub6 とプラチナバンドは、どう違うのか?
5Gの周波数は、大きく Sub6(サブ6) と ミリ波 に分けて説明されます。Sub6 は6GHz未満の帯域、ミリ波は本来は波長が1〜10mm(30〜300GHz)の電波を指しますが、5Gの説明では28GHz帯もミリ波と呼ばれます。総務省も、ローカル5Gの周波数を「サブ6といわれる4.5GHz帯」と「ミリ波といわれる28GHz帯」と説明しています(2026年9月27日確認)。
プラチナバンドは Sub6 よりさらに低い1GHz未満の帯域なので、Sub6 の中の、特に低い部分と考えると位置関係がつかめます。
- プラチナバンド(1GHz未満):広く、屋内まで届ける役。容量は小さめ。
- Sub6 の中〜高い帯域(3〜5GHz台など):広さと容量のバランスをとる役。
- ミリ波(28GHz帯など):狭い範囲で大容量を出す役。人が集まる場所などで生きる。
総務省は3.5GHz帯(3,480〜3,600MHz)を第4世代移動通信システム用として、2014年12月22日に携帯電話事業者に割り当てました。5Gのページには、2.3GHz帯や4.9GHz帯の開設計画、26GHz帯の価額競争などの情報も掲載されています(いずれも2026年9月時点)。帯域の名前と年は、総務省の公表資料で確かめてから覚えてください。
5Gの無線方式の違いはLTEと5G NRの違い、周波数を割り当てられる事業者と借りる事業者の違いはMVNO・MNO・MVNEの違いで整理しています。
モバイル2級では、どの範囲で、どう問われそうか?
MCPC の公式ページの図では、モバイルシステム技術検定 2級(100問・100分・4者択一)の出題カテゴリ「ワイヤレス通信の原理とネットワーク技術」の比率が15%と示されています(2026年9月27日確認)。どの用語が何問出るかは公表されていません。
当サイトでは、公式テキスト『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の第3章「無線アクセスネットワーク技術」がこの範囲に当たると推定しています(章名から当サイトが判断したもので、公式の対応表ではありません)。
4択での問われ方は、次のような型が考えられます。出題頻度の公式データはないため、型の整理として読んでください。
- 性質の比較:周波数が低い電波と高い電波の性質を入れ替えた記述の正誤。
- 計算:周波数から波長を求める、または波長から周波数を求める。
- 用途との対応:広いエリア向き・大容量向きの帯域を選ばせる。
- 用語:Sub6・ミリ波・プラチナバンドの範囲の取り違えを見抜く。
試験全体の形式はモバイルシステム技術検定2級とはにまとめています。
どこで取り違えやすいのか?
電波の問題は、性質を1つだけ逆にした選択肢が作りやすい分野です。「低い周波数=長い波長=回り込みやすい=帯域幅は狭い」を1本の鎖として覚えます。
| 取り違え | 正しい考え方 | 確認する問い |
|---|---|---|
| 周波数が高いほど遠くまで届く | 高いほど減衰が大きく、届く距離は短くなりやすい | 回り込みと減衰はどちらに有利か |
| 周波数が高いほど波長も長い | 波長=光速÷周波数。周波数が高いほど波長は短い | 割り算の向きは合っているか |
| プラチナバンドは高速・大容量のための帯域 | 広いエリアと屋内への届きやすさが長所。帯域幅は狭い | エリアの話か、容量の話か |
| プラチナバンドは法令上の名称 | 通称。制度上は「700MHz帯」のように周波数で呼ぶ | 正式な名前か、通称か |
| 28GHz帯は厳密にもミリ波 | 厳密なミリ波は30GHz以上。5Gの説明では28GHz帯もミリ波と呼ぶ | 定義の話か、慣用の話か |
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確認問題1:低い周波数の性質を選べるか?
携帯電話で使われる周波数のうち、1GHz未満の低い周波数帯の電波の性質として、最も適切なものはどれか。
- 直進性が強く、建物の陰には届きにくいが、広い帯域幅を確保しやすい
- 障害物の裏へ回り込みやすく、1つの基地局で広い範囲を覆いやすい
- 距離による減衰が大きく、1つの基地局で覆える範囲が非常に狭くなる
- 波長が短く、小さなアンテナ素子を多数並べて電波を絞りやすい
正解:2。低い周波数の電波は波長が長く、回折によって障害物の裏へ回り込みやすいため、1つの基地局で広い範囲を覆いやすくなります。
1と3は高い周波数(ミリ波など)の性質です。4も高い周波数の性質で、波長が短いほどアンテナ素子を小さくできます。
確認問題2:波長を計算できるか?
光の速さを 3×10⁸ m/s とするとき、周波数 750MHz の電波の波長として、最も近いものはどれか。
- 0.4cm
- 4cm
- 40cm
- 4m
正解:3。波長=光の速さ÷周波数=(3×10⁸)÷(7.5×10⁸)=0.4m、つまり40cmです。
1の0.4cmと2の4cmは、それぞれ周波数が100倍(75GHz)と10倍(7.5GHz)の場合の値です。4の4mは周波数が10分の1(75MHz)の場合の値です。MHz を 10⁶ として桁を合わせることが要点です。
確認問題3:帯域と用途を対応できるか?
5Gで使われる周波数帯と用途の組合せとして、最も適切なものはどれか。
- ミリ波:狭い範囲で大容量の通信を提供する 低い周波数:広い範囲を覆う
- ミリ波:広い範囲を覆う 低い周波数:狭い範囲で大容量の通信を提供する
- ミリ波:屋内の奥まで届ける 低い周波数:狭い範囲で大容量の通信を提供する
- ミリ波:広い範囲を覆う 低い周波数:屋内には届かない
正解:1。ミリ波は広い帯域幅を使えるため大容量に向きますが、届く範囲は狭くなります。低い周波数は容量は小さめでも、広い範囲や屋内を覆う役に向きます。
2は2つの帯域の役割が逆です。3は、屋内の奥まで届きやすいのが低い周波数の側である点を取り違えています。4は、ミリ波で広い範囲を覆うとしている点と、低い周波数が屋内に届かないとしている点の両方が誤りです。
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よくある質問
プラチナバンドがあれば、通信速度も速くなりますか?
速度は主に使える帯域幅や混み具合で決まるため、プラチナバンドがあるだけで速くなるとは言えません。プラチナバンドの長所は、つながる範囲や屋内での届きやすさです。
どの事業者がどの帯域を持っているかも覚える必要がありますか?
割当ては再編や追加で変わるため、覚えるなら総務省の公表資料で年を確かめてください。当サイトでは、2026年9月時点で総務省のページで確認できた範囲(3.5GHz帯の2014年の割当て、700MHz帯の開設計画、5Gの各帯域の情報)だけを書いています。
出典・参考
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