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IoT中級の計算問題の解き方|データ量から稼働率まで

IoTシステム技術検定 中級に向けて、データ量・通信時間・電池寿命・稼働率・A/D分解能・標本化の計算を当サイトのオリジナル例題で解説。公式の一覧表、単位のつまずき表、確認問題3問つき。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • IoTの計算は、データ量・通信時間・電池寿命・稼働率・A/D分解能・標本化 の6つの型で大半を整理できます(当サイトの整理)。
  • つまずきの多くは計算そのものより 単位の変換(ビットとバイト、kとKi、mAとµA)です。
  • 例題はすべて当サイトのオリジナルで、数値は Python で検算しています。

計算問題の6つの型

公式の出題範囲に計算の型が列挙されているわけではありません。以下は、各章の見出しから当サイトが練習すべきと考えた型の一覧です。

型基本の式関係する章
データ量1件のサイズ × 台数 × 1日の送信回数第4章 通信方式
通信時間データ量(ビット)÷ 伝送速度(bps)第4章 通信方式
電池寿命電池容量(mAh)÷ 平均消費電流(mA)第5章 デバイス
稼働率MTBF ÷(MTBF + MTTR)、直列は積、並列は 1 −(停止率の積)第2章・第8章
A/D分解能基準電圧 ÷ 2のビット数乗第5章 デバイス
標本化最高周波数の2倍より高いサンプリング周波数第5章 デバイス

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例題1:データ量と通信時間

例題 100台のセンサが、20バイトのデータを10秒ごとに送る。1日のデータ量は?

1日は86,400秒なので、1台あたりの送信回数は86,400 ÷ 10 = 8,640回。100 × 20 × 8,640 = 17,280,000バイト(約17.3MB) です。

例題 2MB(2,000,000バイト)のファイルを250kbpsで送ると何秒かかる?

バイトをビットに直して 2,000,000 × 8 = 16,000,000ビット。16,000,000 ÷ 250,000 = 64秒 です。8倍を忘れると8秒と答えてしまいます。通信方式ごとの速度の違いは LPWAの比較 を参照してください。

例題2:電池寿命

例題 2,400mAhの電池で、1分ごとに1秒だけ20mAで送信し、残りの59秒は10µAで待機する。電池は何日もつか(自己放電などは考えない)。

平均電流は 20 × 1/60 + 0.01 × 59/60 ≒ 0.3333 + 0.0098 = 約0.343mA。2,400 ÷ 0.343 ≒ 6,994時間、24で割って 約291日 です。

送信時の電流が平均の大半を占めることが分かります。送信回数を減らすことが最も効く省電力策です。関連は リチウム電池 と エナジーハーベスティング で扱っています。

例題3:稼働率

例題 MTBFが990時間、MTTRが10時間の装置の稼働率は? → 990 ÷ (990 + 10) = 0.99。

例題 稼働率0.99のゲートウェイと0.98の回線を直列につなぐと? → 0.99 × 0.98 = 0.9702。直列はどちらか一方が止まれば全体が止まるので、稼働率は下がります。

例題 稼働率0.9の装置を2台並列にすると? → 1 − (1 − 0.9) × (1 − 0.9) = 1 − 0.01 = 0.99。並列は両方が止まったときだけ全体が止まります。

例題4:A/D分解能と標本化

例題 基準電圧3.3V、12ビットのA/D変換器の1段階あたりの電圧は? → 2の12乗は4,096なので、3.3 ÷ 4,096 ≒ 0.81mV。

10ビット・5Vなら 5 ÷ 1,024 ≒ 4.88mV です。ビット数が2増えると段階数は4倍になります。詳しくは A/D変換。

例題 最高1kHzの成分を含む信号は、何Hzより高い周波数で標本化すべきか? → 2倍の 2kHzより高い周波数 です。

例題5:型を組み合わせる問題

例題 稼働率0.9のゲートウェイを2台並列にし、その先に稼働率0.98の回線を直列につないだ。全体の稼働率は? → まず並列部分を1つにまとめて 1 − 0.1 × 0.1 = 0.99。次に回線と直列なので 0.99 × 0.98 = 0.9702 です。並列部分を先にまとめ、最後に直列で掛けるのが手順です。

例題 稼働率0.99のシステムは、1年(8,760時間)でどれくらい止まる見込みか? → 停止率は0.01なので 8,760 × 0.01 = 87.6時間。稼働率を0.999に上げると8.76時間になります。「9が1つ増えると停止時間は10分の1」と覚えると、選択肢の桁を素早く確かめられます。

例題 例題2の機器で送信間隔を1分から5分に延ばすと? → 平均電流は 20 × 1/300 + 0.01 × 299/300 ≒ 0.0667 + 0.0100 = 約0.077mA。2,400 ÷ 0.077 ≒ 31,300時間で 約1,300日(約3.6年) となり、約4.5倍に延びます。待機電流の影響が相対的に大きくなるため、ちょうど5倍にはなりません。

計算問題に強くなる解き方の手順

計算問題は、式を覚えるより手順を決めておくことで安定して解けるようになります。当サイトでは次の手順をすすめています。まず問題文から数値と単位をすべて書き出し、次に求めるものの単位を確認し、単位をそろえてから式に当てはめ、最後に答えの桁が常識的かを確かめます。

特に最後の「桁の確認」が有効です。例えば電池寿命の計算で数十年という答えが出たら、待機電流の単位(µAとmA)を取り違えていないかを疑います。通信時間の計算で答えが極端に短ければ、バイトからビットへの変換を忘れていないかを見直します。

選択肢のある問題では、誤りの選択肢が「よくある計算ミスの結果」として作られていることが多いと当サイトは考えています。自分の答えが選択肢にあっても、別の選択肢が8倍や1,000倍の関係になっていないかを確かめると、ミスに気づけます。

計算に慣れてきたら、条件を一つ変えたときに答えがどう変わるかを考える練習も有効です。送信間隔を2倍にすると平均電流はほぼ半分になる、というような関係が分かると、設計の問題にも応用できます。

間違えやすい点

つまずき対策
バイトとビットの取り違え速度はbps(ビット)、容量はB(バイト)。8倍を式に書き込む
kとKiの混同通信速度のkは1,000。問題文にKiBなどの指定があるときだけ1,024を使う
mAとµAの桁10µA = 0.01mA。単位をそろえてから足す
直列と並列の式の逆転直列は稼働率の積、並列は停止率の積を1から引く
2のn乗の段階数8ビット256、10ビット1,024、12ビット4,096、16ビット65,536を覚える

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学習の順番と時間の目安

以下は 当サイトの目安 です。電卓の持ち込み可否などの受検条件は、必ず公式の案内で確認してください。

  1. 単位の変換表を自分で作る(30分)
  2. 6つの型の例題を1問ずつ解く(1時間)
  3. 数値を変えて同じ型を繰り返す(1時間)
  4. 章の問題の中で計算問題に出会ったら型を当てはめる(随時)

本番形式の問題は IoT中級の無料お試し で試せます。通信の章の整理は 第4章の学習ガイド、デバイスは 第5章の学習ガイド を参照してください。

確認問題(オリジナル)

問1 50台のセンサが40バイトを1分ごとに送る。1日のデータ量として最も近いものはどれか。

ア:約0.36MB/イ:約2.9MB/ウ:約23MB/エ:約48KB

正解:イ。50 × 40 × 1,440 = 2,880,000バイト。アは8で割ってしまった値、ウは8を掛けてビットにした値、エは1分ごとを1時間ごとと取り違えた値(50 × 40 × 24)です。

問2 稼働率0.95の装置を2台直列につないだときの全体の稼働率はどれか。

ア:0.9025/イ:0.9975/ウ:0.9500/エ:0.9000

正解:ア。0.95 × 0.95 = 0.9025。イは並列の値、ウは1台分のまま、エは停止率を単純に足した値です。

問3 基準電圧5V、8ビットのA/D変換器の1段階あたりの電圧として最も近いものはどれか。

ア:約0.63V/イ:約4.9mV/ウ:約19.5mV/エ:約1.2mV

正解:ウ。5 ÷ 256 ≒ 0.0195V。イは10ビット、エは12ビットに近い値、アは8で割った値です。

よくある質問

計算問題は必ず出ますか?

出題の内訳は公表されていません。当サイトでは、各章の内容から計算で確かめる力も備えておくと安心と考えています。

1MBは1,000,000バイトと1,048,576バイトのどちらですか?

SI接頭語のMは10の6乗です。1,048,576バイトはMiB(メビバイト)で、問題文の指定に従ってください。

電池寿命の計算で自己放電は考えますか?

問題文に指定がなければ考えないのが一般的です。実際の設計では自己放電や温度の影響も見込みます。

稼働率の計算で3台以上の並列はどう考えますか?

全台が同時に止まる確率を1から引きます。稼働率0.9の装置3台なら 1 − 0.1 × 0.1 × 0.1 = 0.999 です。

dB(デシベル)の計算も練習すべきですか?

電波の強さや損失の表し方として基本的な換算(3dBで約2倍、10dBで10倍)は押さえておくと安心です。

出典・参考

  1. [1]BIPM SI Brochure(SI接頭語、2026年9月27日確認)
  2. [2]Arduino Documentation analogRead()(分解能の説明、2026年9月27日確認)
  3. [3]MCPC IoTシステム技術検定 中級(2026年9月27日確認)

本番と同じペースで腕試し

記事の次は、本番形式の問題で。

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当サイトは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)とは関係のない個人が運営する非公式の学習教材です。掲載している問題はすべて当サイトのオリジナルで、実際の試験問題・過去問題・再現問題ではありません。試験の日程・受検料・出題範囲は公式サイト(https://www.mcpc-jp.org/license/ )で必ず確認してください。合格を保証するものではありません。合格の目安は当サイトの推定です。技術・制度の記述は「最終確認日」時点のものです。

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