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モバイル1級 第3章 コアネットワーク技術の要点

モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版 第3章「コアネットワーク技術」の学習ガイド。信号方式の世代交代、EPC・IMS・5GCの構成、SUPI/SUCIなどの識別子、VoLTE・SMS・緊急情報配信、NFV/SDNを2級との差で整理し、独自の確認問題3問で対策します。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • 第3章は1級ネットワーク科目の コア側 で、節はコアネットワークの概要、信号方式、コアネットワークの構成、移動体通信網の番号と識別子、コアネットワークサービス、NFV/SDN の概要、コアネットワーク構築・運用技術の7つです。
  • 2級との違いは 機能(NF)どうしのつながりと手順 まで問われることです。AMF・SMF・UPF の役割分担、N4(SMF–UPF)、SUPI を隠す SUCI、VNF のライフサイクルを管理する VNFM などが定番です。
  • テキストは2023年4月末時点の情報です。その後、国内大手の3G がすべて終了し(2026年3月31日)、音声は VoLTE・VoNR が前提になりました。
  • この記事は章見出しだけを手がかりに当サイトが書いた独自の解説です。当サイトは MCPC とは関係のない非公式の個人運営教材で、合格は保証しません。

この章の位置づけ(科目・範囲):ネットワーク科目のコア側

対応テキストは『モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版』(リックテレコム、2023年7月中旬刊行、定価5,060円(税込)、ISBN 978-4-86594-367-2)です(出版社の書誌ページ、2026年9月27日確認)。本文は2023年4月末時点の情報で書かれています(当サイトがテキスト実物で確認)。出版社のページに第10版の告知は見当たりませんでした(2026年9月27日確認)。改版の予定は公式発表を確認してください。

テキストの目次で確認した科目と章の対応は、ネットワーク=第2〜4章、端末・アプリケーション=第5〜8章、モバイルシステム=第9〜12章 です。第1章「はじめに」は出題範囲外と当サイトは判断しています(推定)。MCPC の1級ページは、ネットワーク科目の範囲に「コアネットワーク技術」「移動体通信サービス」を挙げています。1級は1科目43問・60分の4者択一(CBT)で、受検資格は2級合格者です(2026年9月27日確認)。

当サイトは章と節の 見出しだけ を手がかりにしており、テキストの本文・図表・巻末のサンプル問題は使っていません。科目全体の進め方は モバイル1級 ネットワーク科目の対策 を参照してください。

2級から深くなる所:箱の名前から、箱どうしの会話へ

2級テキスト第11版の第4章(コアネットワーク技術)では、EPC の MME・S-GW・P-GW や 5GC の AMF・SMF・UPF の 役割 を答えられれば十分でした。1級の第3章では、それらが どのインタフェースで、どんなプロトコルで、どの順番でやり取りするか まで問われると考えておくのが安全です(当サイトの判断)。2級の復習は モバイル2級 第4章の要点 を参照してください。

当サイトの整理。テキストの記述ではありません
テーマ2級で押さえる程度1級で深くなる所(当サイトの見立て)
5GC の構成AMF・SMF・UPF の役割NRF によるサービス登録と発見、SBI(HTTP/2)、N4 の制御
識別子電話番号と加入者の識別番号SUPI・SUCI・5G-GUTI・PEI の使い分け、スライスの S-NSSAI
音声VoLTE は IMS を使うSIP の手順、P/I/S-CSCF の役割、VoNR、緊急通報
仮想化NFV と SDN の意味NFV の MANO(NFVO・VNFM・VIM)、クラウドネイティブ
4G との連携NSA と SA の違いEPC と 5GC の連携(N26 インタフェースなど)

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節ごとの要点:3-1〜3-7 で何を覚えるか

3-1 コアネットワークの概要:コアネットワークは、端末の移動管理、通信経路(セッション)の管理、加入者の認証、課金、他の網との相互接続を受け持ちます。無線側(第2章)が「電波で運ぶ」部分なら、コアは「誰を、どこへ、どの品質でつなぐか」を決める部分です。

3-2 信号方式:制御信号の方式は世代とともに変わってきました。4G の EPC では、MME と HSS の間(S6a)で加入者情報をやり取りするのに Diameter が使われ(TS 29.272)、5GC ではサービスベースインタフェース(SBI)で HTTP/2 が使われます(TS 29.500)。ユーザデータのトンネルには GTP-U、SMF が UPF を制御する N4 には PFCP(TS 29.244)が使われます。

3-3 コアネットワークの構成:3G・4G・IMS・5GC の構成を比べて押さえます(この括りは当サイトの整理です)。3GPP の 5G System Overview は、AMF がアクセスと移動の管理、SMF がセッションの管理と UPF の制御、UPF がユーザデータの処理、UDM が3G・4G の HSS に相当する加入者データの管理、NRF が NF の登録と発見を担うと説明しています(2026年9月27日確認)。構成の全体像は 5GCとは、4G のコアは EPCとは で解説しています。

3-4 移動体通信網の番号と識別子:5G では加入者の永続的な識別子を SUPI と呼び、無線区間でそのまま送らずに暗号化した SUCI を使います。TS 23.501 は SUCI を「隠された SUPI を含む、プライバシーを守る識別子」と定義しています。一時的な識別子の 5G-GUTI、端末の識別子 PEI、ネットワークスライスを表す S-NSSAI(スライスの種類 SST と、任意の SD)も押さえます。スライスは ネットワークスライシング で扱っています。

3-5 コアネットワークサービス:VoLTE は IMS の上で SIP を使って呼を制御する音声サービスで、5G SA では VoNR になります(VoLTEとIMS)。SMS、地震・津波などの緊急情報を多数の端末に一斉に届ける仕組み、位置情報(5GC では LMF が測位を担う)、同じデータを多数に配るブロードキャスト(Release 17 の 5G MBS)も範囲です。

3-6 NFV/SDN の概要:NFV は網の機能を専用装置からソフトウェア(VNF)に置き換える考え方です。ETSI の NFV-MAN 001 では、VNF の生成・拡張・更新などのライフサイクルを VNFM が、ネットワークサービス全体と資源の調整を NFVO が、計算・ストレージ・ネットワークの資源を VIM が管理します。SDN は、経路を決める制御の機能を転送装置から切り離して集中させる考え方です。

3-7 コアネットワーク構築・運用技術:輻輳のときに接続要求を絞る制御、装置や拠点の冗長化、監視と自動化、網のデータを集めて分析する NWDAF の活用などが論点です。

間違えやすい所:似た機能と似た名前

ETSI TS 123 501・129 500、3GPP 5G System Overview、ETSI GS NFV-MAN 001 をもとに当サイトが作成(2026年9月27日確認)
誤解しやすい言い方正しい整理(3GPP・ETSI の仕様による)
UPF がセッションを管理し、SMF がパケットを転送する逆。SMF がセッションを管理して UPF を制御し、UPF がユーザデータを処理する
SUCI は一時的に割り当てる識別子SUCI は SUPI を暗号化して隠したもの。一時識別子は 5G-GUTI
5GC の NF どうしは Diameter でやり取りする5GC の SBI は HTTP/2。Diameter は主に 4G の EPC
N4 では GTP-U で SMF が UPF を制御するN4 の制御は PFCP。GTP-U はユーザデータのトンネル
VNF のライフサイクル管理は VIM の役割VNF のライフサイクルは VNFM、資源(計算・ストレージ・ネットワーク)は VIM
UDM は 5G で新しく生まれた概念で、4G に相当するものはない3GPP は UDM を3G・4G の HSS に機能的に近いと説明している

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コアの問題は、「制御(C プレーン)か、データ(U プレーン)か」 を最初に判断すると整理しやすくなります。AMF・SMF・PFCP・Diameter・HTTP/2 は制御、UPF・GTP-U はデータの側です。

テキスト後に変わった点(2026年9月時点)

テキストは2023年4月末時点の情報です。第3章に関わる、その後の主な変化を一次資料で確かめました。

3GPP、ソフトバンク、KDDI、NTTドコモの公表資料をもとに当サイトが作成(2026年9月27日確認)
時期変化第3章との関係
2024年3月・6月3GPP が 5G-Advanced の最初のリリース Release 18 を完成(Stage 3・ASN.1 の凍結)3-3 コアネットワークの構成・3-7 構築・運用
2024年4月15日・7月31日ソフトバンクが3G を終了(石川県は7月31日)3-5 コアネットワークサービス(音声)
2025年4月10日衛星とスマホの直接通信「au Starlink Direct」が始まり、圏外でもメッセージや緊急地震速報を受けられるように3-5 コアネットワークサービス(SMS・緊急情報)
2025年12月3GPP Release 19(2つ目の 5G-Advanced)が完成3-3 コアネットワークの構成
2026年3月31日NTTドコモが FOMA を終了し、国内大手の3G がすべて終了。回線交換の音声網から IMS の音声(VoLTE・VoNR)への移行が完了3-2 信号方式・3-5 コアネットワークサービス

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3G の終了で、LTE から3G の回線交換へ音声を切り替える仕組み(CS フォールバックなど)は、国内では切り替え先の3G 網そのものがなくなりました。ただし試験は仕組みとして問う可能性があるため、「なぜ必要だったか」 とセットで覚えておくと安心です(当サイトの判断)。

確認問題1:識別子

(当サイトのオリジナル問題)5G で、加入者の永続的な識別子 SUPI を無線区間でそのまま送らないよう、暗号化して隠した識別子として正しいものはどれか。

  1. 5G-GUTI
  2. SUCI
  3. PEI
  4. MSISDN

正解:2。TS 23.501 は、SUCI を隠された SUPI を含むプライバシー保護のための識別子と定義しています。

1:5G-GUTI は網が割り当てる一時的な識別子です。3:PEI は端末(機器)の識別子です。4:MSISDN は電話番号にあたる識別子で、暗号化した SUPI ではありません。

確認問題2:N4 インタフェース

(当サイトのオリジナル問題)5GC で、SMF が UPF にパケットの検出や転送の規則を設定する N4 インタフェースの制御プロトコルとして正しいものはどれか。

  1. PFCP
  2. GTP-U
  3. Diameter
  4. SIP

正解:1。TS 23.501 は、SMF と UPF の間(N4)の制御プロトコルを TS 29.244 で定めるとしており、これが PFCP です。

2:GTP-U はユーザデータを運ぶトンネルのプロトコルです。3:Diameter は主に4G の EPC で加入者情報のやり取りなどに使われます。4:SIP は IMS で音声などの呼を制御するプロトコルです。

確認問題3:NFV の管理

(当サイトのオリジナル問題)ETSI の NFV の管理とオーケストレーション(MANO)で、VNF の生成・拡張・更新などのライフサイクルの管理を担う機能ブロックとして、最も適切なものはどれか。

  1. VIM
  2. NRF
  3. NSSF
  4. VNFM

正解:4。VNF Manager(VNFM)が、VNF のインスタンス化・スケーリング・更新などのライフサイクルを管理します。

1:VIM は、計算・ストレージ・ネットワークの資源(NFVI)を管理します。2:NRF は 5GC で NF の登録と発見を担う機能で、MANO の構成要素ではありません。3:NSSF は 5GC でネットワークスライスの選択を担う機能です。

確認問題のあとは何をすればいい?

迷った問題は「制御かデータか」「4G の用語か 5G の用語か」「永続か一時か」の3点で見直してください。コアの機能は数が多いので、AMF・SMF・UPF を中心に、自分で線を引いた構成図を作ると覚えやすくなります。

本番と同じ4択で確かめるなら、モバイル1級 ネットワーク科目の無料お試し で全問の解説まで確認できます。1級の全体像は モバイル1級のページ、収録内容は 料金と収録内容 で確認できます。前後の章は 第2章 無線アクセスネットワーク技術 と 第4章 IoTシステム技術 です。

よくある質問

3G のコア(回線交換)の知識は、もう不要ですか?

国内の3G は2026年3月31日までにすべて終了しましたが、テキストは2023年4月末時点の情報で、3G/4G/IMS/5GC の構成を扱う節があります。当サイトでは、世代ごとの違いを比べる問題に備えて、主要な装置の役割は押さえておくことをおすすめしています。

TS 23.501 などの仕様書はどこで読めますか?

3GPP の仕様は ETSI の TS として無料で公開されています(例:TS 23.501 は ETSI TS 123 501)。全文を読む必要はなく、定義や表など数字が決まっている部分だけ確かめるのが効率的です。

第3章はネットワーク科目の中でどれくらい出ますか?

科目内の章ごとの出題数は公式には非公表です。当サイトの模試の配分は当サイトの判断で、公式の配分ではありません。

出典・参考

  1. [1]リックテレコム モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版(書誌・目次、2026年9月27日確認)
  2. [2]MCPC モバイルシステム技術検定[1級](科目・形式・範囲、2026年9月27日確認)
  3. [3]3GPP 5G System Overview(NF の役割、2026年9月27日確認)
  4. [4]ETSI TS 123 501 V17.9.0(3GPP TS 23.501 Release 17、SUCI・S-NSSAI・N4、2026年9月27日確認)
  5. [5]ETSI TS 129 500 V17.8.0(3GPP TS 29.500、SBI の HTTP/2、2026年9月27日確認)
  6. [6]ETSI TS 129 272(3GPP TS 29.272、S6a の Diameter、2026年9月27日確認)
  7. [7]ETSI GS NFV-MAN 001 V1.1.1(NFVO・VNFM・VIM、2026年9月27日確認)
  8. [8]3GPP Rel-18 Status and Rel-19 Progress in TSG RAN(2026年9月27日確認)
  9. [9]3GPP Release 19(2026年9月27日確認)
  10. [10]ソフトバンク 3Gサービスを4月15日に終了(2026年9月27日確認)
  11. [11]KDDI au Starlink Direct 提供開始(2026年9月27日確認)
  12. [12]NTTドコモ「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内(2026年9月27日確認)

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