モバイル2級の用語モバイル2級

VoLTEとIMSとは|モバイル2級で問われる点

VoLTEとIMSを、回線交換の音声との比較表と呼の流れで整理。SIPとCSCFの役割、3G終了で何が変わったか、VoNRとの関係、モバイル2級で取り違えやすい点と独自の確認問題3問で、音声の仕組みの問題に備えます。

最終更新
公開
読了目安
約10分
執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • VoLTE(Voice over LTE)は、LTE の上で音声をIPパケットとして運ぶ通話の方式です。IMS(IP Multimedia Subsystem)は、その通話の呼び出し・接続・切断を制御するコアネットワーク側の仕組みです。
  • IMS の骨格を定めた3GPP の仕様 TS 23.228 の最初のリリースは Release 5、呼の制御に使う SIP は IETF の RFC 3261(2002年6月)で定められています(2026年9月27日確認)。
  • 3Gの音声は回線交換でした。ドコモの FOMA(3G)と iモードの終了日は 2026年3月31日で(ドコモ報道発表)、VoLTE に対応しない端末では通話できなくなる影響がありました。
  • モバイル2級の出題カテゴリ「ワイヤレス通信の原理とネットワーク技術」(公式の比率は15%)に当たる範囲です。

VoLTE と IMS は、それぞれ何を指すのか?

一言でいうと、VoLTE は「LTE で音声をIPとして運ぶ通話の方式」、IMS は「IPの通話やメッセージを制御するための共通の土台」です。VoLTE は IMS を使って実現される、という関係です。

LTE は、データ通信をIPで運ぶことを前提に作られた方式で、3Gまでのような音声専用の回線交換の仕組みを持ちません。そのため、LTE の上で電話をするには、音声をIPパケットにし、呼び出しや接続の制御を別の仕組みで行う必要があります。この制御を担うのが IMS です。

3GPP の仕様ページでは、IMS の全体構成を定めた TS 23.228 の名称は「IP Multimedia Subsystem (IMS); Stage 2」で、最初に計画されたリリースは Release 5 と示されています(2026年9月27日確認)。IMS 自体は LTE より前から仕様化されており、音声以外のマルチメディアのサービスも想定した土台だという点を押さえてください。

回線交換の音声と、IPの音声(VoLTE)は何が違うのか?

違いは「通話中に回線を占有するか」「制御を何で行うか」の2点に集約できます。

回線交換の音声と VoLTE の比較(当サイトの整理)
観点回線交換の音声(3Gまで)VoLTE(4G)
音声の運び方通話の間、専用の回線(通り道)を確保し続ける音声を小さなIPパケットに分けて運ぶ
呼の制御回線交換のための制御の仕組みIMS が SIP を使って制御する
使う無線3G(W-CDMA など)LTE
品質の確保専用の回線を占有して確保音声のパケットを優先して扱う仕組みで確保
ほかのサービスとの関係音声とデータが別の仕組み音声もデータと同じIPの上で扱える

← 表は横にスクロールできます →

VoLTE では、音声のパケットが遅れたり途切れたりしないよう、LTE の中で音声用に優先度の高い通り道(ベアラ)を用意します。IPで運ぶからといって、インターネットの一般的な通話アプリと同じ扱いではない点が、試験で問われやすい区別になります。

LTE のコアネットワーク(EPC)の構成はEPCとはで扱います。

IMS は、通話の呼をどう制御しているのか?

IMS では、呼の制御に SIP(Session Initiation Protocol) を使います。IETF の RFC 3261 は SIP を、1人以上の参加者とのセッションを作成・変更・終了するためのアプリケーション層の制御(シグナリング)プロトコルと説明しています(2026年9月27日確認)。

IMS の中で SIP を扱う中心の機能が CSCF(Call Session Control Function) です。役割の違う3つを区別します。

IMS の主な機能(当サイトの整理)
機能役割覚え方
P-CSCF(Proxy)端末から見た IMS の最初の窓口。SIP のメッセージを受け渡す入口の受付
I-CSCF(Interrogating)他の網からの呼を受け、担当の S-CSCF を探して振り分ける問い合わせ係
S-CSCF(Serving)利用者の登録を扱い、呼の制御の中心になる担当の世話役
HSS加入者の情報や認証に使う情報を持つ加入者の台帳

← 表は横にスクロールできます →

発信の流れを単純化すると、次のようになります。

①端末が IMS に登録する(SIP の登録)→ ②発信側が SIP で相手を呼び出す → ③IMS が相手を探して呼び出しを届ける → ④相手が応答すると、音声のパケットの通り道が確立する → ⑤通話が終わると、SIP で切断する。制御(SIP)と音声のパケットは別の流れで運ばれる、という点が要点です。

3G の終了と5G では、音声の仕組みはどう変わるのか?

LTE の端末でも、VoLTE を使わない場合は、通話のときだけ3Gの回線交換に切り替えて通話する方法(CSFB:Circuit Switched Fallback)がありました。しかし、3Gが終了すると、この切り替え先がなくなります。

ドコモは2019年10月の報道発表で、FOMA(3G)と iモードを2026年3月31日に終了すると公表しており、2026年9月時点ではその終了日を過ぎています(2026年9月27日確認)。3Gの終了後は、携帯電話の通話は VoLTE などIPの音声が前提になります。世代ごとの変化は移動体通信の世代(1G〜6G)とはで整理しています。

5Gでも、音声の制御に IMS を使う考え方は続きます。5G SA で NR の上で直接音声を運ぶ方式は VoNR(Voice over NR) と呼ばれます。VoNR を使わない5G SA の構成では、通話のときに LTE に切り替えて VoLTE で通話する方法(EPS fallback)もあります。5Gのコアとの関係は5GCとはで扱います。

モバイル2級では、どの範囲で、どう問われそうか?

MCPC の公式ページの図では、モバイルシステム技術検定 2級(100問・100分・4者択一)の出題カテゴリ「ワイヤレス通信の原理とネットワーク技術」の比率が15%と示されています(2026年9月27日確認)。どの用語が何問出るかは公表されていません。

当サイトでは、公式テキスト『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の第4章「コアネットワーク技術」がこの範囲に当たると推定しています(章名から当サイトが判断したもので、公式の対応表ではありません)。

4択での問われ方は、次のような型が考えられます。出題頻度の公式データはないため、型の整理として読んでください。

  • 定義:VoLTE・IMS・SIP の説明を入れ替えた選択肢から、正しいものを選ばせる。
  • 方式の比較:回線交換とIPの音声の違いとして適切な記述を選ばせる。
  • 機能の対応:P-CSCF・I-CSCF・S-CSCF と役割の組合せ。
  • 移行の影響:3G終了と CSFB・VoLTE の関係を問う。

試験全体の形式はモバイルシステム技術検定2級とはにまとめています。

どこで取り違えやすいのか?

VoLTE の問題は、「方式」「制御の土台」「プロトコル」の層を混ぜた選択肢で迷いやすくなります。

つまずき別の見直し表
取り違え正しい考え方確認する問い
VoLTE は回線交換の音声VoLTE は音声をIPパケットとして運ぶ回線を占有するか、パケットで運ぶか
IMS は LTE の無線方式の名前IMS はコア側で呼を制御する仕組み無線の話か、コアの話か
SIP は音声そのものを運ぶSIP は呼の開始・変更・終了の制御。音声は別の流れ制御か、中身か
IMS は LTE と同時に初めて作られたIMS の仕様(TS 23.228)の最初のリリースは Release 5IMS と LTE の順番
3G終了後も CSFB で通話できるCSFB は3Gの回線交換に切り替える方式。3Gがなければ使えない切り替え先の網は残っているか

← 表は横にスクロールできます →

確認問題1:VoLTE の説明を選べるか?

VoLTE の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 通話の間は専用の回線を確保し続け、3Gの網で音声を運ぶ通話の方式
  2. LTE の上で音声をIPパケットとして運び、IMS で呼を制御する通話の方式
  3. 音声の通話を行わず、LTE でデータ通信だけを行うための契約の方式
  4. スマートフォンのアプリが、インターネット経由で無料通話を行う方式

正解:2。VoLTE は LTE の上で音声をIPパケットとして運び、呼の制御は IMS が SIP を使って行います。

1は3Gまでの回線交換の音声の説明です。3は通話を行わないとしている点が VoLTE の定義と逆です。4は一般的なインターネットの通話アプリの説明で、事業者のネットワークが音声用の通り道を優先して扱う VoLTE とは仕組みが違います。

確認問題2:IMS の機能の役割を対応できるか?

IMS の機能と役割の組合せとして、最も適切なものはどれか。

  1. P-CSCF:端末から見た最初の窓口 S-CSCF:呼の制御の中心 HSS:加入者の情報を保持
  2. P-CSCF:加入者の情報を保持 S-CSCF:端末から見た最初の窓口 HSS:呼の制御の中心
  3. P-CSCF:呼の制御の中心 S-CSCF:加入者の情報を保持 HSS:端末から見た最初の窓口
  4. P-CSCF:端末から見た最初の窓口 S-CSCF:加入者の情報を保持 HSS:呼の制御の中心

正解:1。P(Proxy)-CSCF は端末から見た IMS の入口、S(Serving)-CSCF は利用者の登録と呼の制御の中心、HSS は加入者の情報を持つ台帳です。

2と3は、3つの役割をすべて入れ替えています。4は、P-CSCF は正しいものの、S-CSCF と HSS の役割が逆になっています。

確認問題3:3G終了の影響を説明できるか?

次の文の空欄 ア・イ に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

「VoLTE に対応しない LTE 端末は、通話のときに3Gの( ア )へ切り替える( イ )で通話していた。そのため、3Gが終了すると通話ができなくなるおそれがあった。」

  1. ア:回線交換 イ:VoNR
  2. ア:パケット交換 イ:CSFB
  3. ア:回線交換 イ:CSFB
  4. ア:パケット交換 イ:VoNR

正解:3。CSFB(Circuit Switched Fallback)は、通話のときだけ3Gの回線交換に切り替える方式です。切り替え先の3Gがなくなると、この方法は使えません。

1と4の VoNR は5Gの NR の上で音声を運ぶ方式で、3Gへ切り替える仕組みではありません。2と4のパケット交換は、3Gの音声を運んでいた回線交換とは別の方式です。

同じ「ワイヤレス通信の原理とネットワーク技術」の問題を本番と同じ4択で解くなら、登録不要のモバイル2級の無料お試し20問で解説まで確認できます。

よくある質問

VoLTE は、LINE などのアプリの通話と同じものですか?

どちらも音声をIPで運びますが、VoLTE は携帯電話事業者のネットワークが IMS で呼を制御し、音声用の優先度の高い通り道を用意して品質を確保します。電話番号で発着信する事業者の通話サービスである点も違います。

IMS は VoLTE のためだけの仕組みですか?

いいえ。IMS はIPの上で音声・映像・メッセージなどのマルチメディアのサービスを制御する土台として作られました。VoLTE はその代表的な使い方です。5Gの VoNR でも IMS が使われます。

出典・参考

  1. [1]MCPC モバイルシステム技術検定 2級(出題カテゴリの図)
  2. [2]3GPP TS 23.228 IP Multimedia Subsystem (IMS); Stage 2(仕様の詳細ページ)
  3. [3]IETF RFC 3261 SIP: Session Initiation Protocol
  4. [4]NTTドコモ 報道発表「FOMA」および「iモード」のサービス終了について(2019年10月29日)

本番と同じペースで腕試し

記事の次は、本番形式の問題で。

公式の出題カテゴリの比率どおりに組んだ無料お試しを、登録不要・カード不要で解けます。続きの模試と章別ドリルは買い切りで、月額はかかりません。

モバイルシステム技術検定 2級

100問・100分の模試と章別ドリル・¥4,980(税込・買い切り)

モバイル2級の無料お試し20問
料金と収録内容を見る →

当サイトは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)とは関係のない個人が運営する非公式の学習教材です。掲載している問題はすべて当サイトのオリジナルで、実際の試験問題・過去問題・再現問題ではありません。試験の日程・受検料・出題範囲は公式サイト(https://www.mcpc-jp.org/license/ )で必ず確認してください。合格を保証するものではありません。合格の目安は当サイトの推定です。技術・制度の記述は「最終確認日」時点のものです。

← 対策記事の一覧へ