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モバイル技術基礎 第3章の要点|通信・通話の仕組み

モバイル基礎テキスト第9版の第3章(セルラー方式・ハンドオーバ・位置登録、電波の性質、FDMA/TDMA/CDMA/OFDM、3G・4G、無線LAN、FTTH)の学習ガイド。スマホ実務検定で範囲外の3-2〜3-6を明示し、Wi-Fi 7の規格化など第9版の後の変化も確認。独自の確認問題3問つき。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • 第3章は、携帯電話と無線LANがどうやって多くの人を同時につなぐかを扱う、テキストの中で最も技術寄りの章です。モバイル技術基礎検定の「通信・通話の仕組み」に当たります。
  • 核になる対比は、ハンドオーバ(通話中にセルを切り替える)と位置登録(待受け中に居場所を知らせる)、周波数が低い電波(回り込みやすい)と高い電波(広い帯域を取りやすい)、FDMA・TDMA・CDMA・OFDMA(何で利用者を分けるか)の3組です。
  • スマートフォン・モバイル実務検定では3-2〜3-6(電波の性質、FDMA/TDMA、CDMA/OFDM、3G、4G)が出題範囲外です(テキストの出題範囲一覧)。3-1と3-7〜3-9は両検定の範囲です。
  • テキスト(2024年6月末時点の情報)の後、Wi-Fi 7の元になるIEEE 802.11be-2024が2025年7月22日に発行され、NTTドコモのFOMA終了(2026年3月31日)で国内の大手3社の3Gがすべて終わりました(2026年9月27日確認)。

この章で押さえることは?「つなぎ続ける仕組み」と「分け合う仕組み」

第3章の見出しは「モバイル通信・通話の仕組み」です。9つの節は、大きく2つの問いに答えています。1つは、移動する端末をどうやってつなぎ続けるか(セルラー方式、ハンドオーバ、位置登録)。もう1つは、限られた電波を大勢でどう分け合うか(多元接続の方式と、3G・4Gの技術)です。後半では無線LAN、データ通信の増加、光回線(FTTH)を扱います。

対応テキストは『モバイル基礎テキスト 第9版』(リックテレコム、2024年9月、224頁、2,420円、ISBN 978-4-86594-417-4)で、両検定に共通です(2026年9月27日確認)。この記事は節の見出しだけを参照し、説明は当サイトが一次資料をもとに独自に書いています。

節ごとの要点は?9つの節とスマホ実務の範囲

第3章の節と学習の要点(節の見出しはテキストの目次、要点と範囲の表示は当サイトの整理)
節要点(当サイトの整理)スマホ実務
3-1 セルラー方式とハンドオーバ/位置登録小さなセルを敷き詰め、離れたセルで同じ周波数を使い回す。通話中のセル切替えがハンドオーバ、待受け中の居場所の通知が位置登録範囲
3-2 電波の性質とその利用周波数が低いほど回り込みやすく遠くへ届く。高いほど直進性が強いが広い帯域を取りやすい範囲外
3-3 FDMA方式とTDMA方式周波数で分ける(FDMA)、時間で分ける(TDMA)範囲外
3-4 CDMA方式とOFDM方式符号で分ける(CDMA)。多数のサブキャリアに分けて並べて送る(OFDM)範囲外
3-5 第3世代携帯電話の特徴W-CDMAとCDMA2000。国内の大手3社の3Gは2026年3月までにすべて終了範囲外
3-6 第4世代移動通信システムLTE・LTE-Advanced。下りはOFDMA。キャリアアグリゲーションやMIMOで高速化範囲外
3-7 無線LANによる通信IEEE 802.11の規格と、Wi-Fi 4・5・6・7の世代名。暗号化はWPA3など範囲
3-8 スマートフォンで急増するデータ通信動画などでデータ量が増え、周波数の追加、小さなセル、Wi-Fiへの逃がし(オフロード)で支える範囲
3-9 光回線サービス(FTTH)光ファイバを家庭まで引き込む固定の高速回線。基地局の裏側の回線としても重要範囲

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ハンドオーバと位置登録はどう違う?「通話中」か「待受け中」か

セルラー方式は、基地局1つがカバーする範囲(セル)を小さくして敷き詰め、離れたセルでは同じ周波数を使い回す方式です。セルを小さくするほど、同じ周波数でより多くの人を収容できます。

端末が移動すると、つながる基地局を替える必要があります。通話やデータ通信の最中に、途切れないように隣のセルの基地局へ切り替えるのがハンドオーバです。一方、待受け中の端末が、自分がどの地域(複数のセルをまとめた単位)にいるかを網に知らせるのが位置登録です。位置登録があるから、着信のときに網は端末のいる地域だけを呼び出せます。詳しくはハンドオーバとセルへ。

多元接続とは?FDMA・TDMA・CDMA・OFDMAを1枚の表で

1つの基地局は、同時に大勢の端末と通信します。そのための「分け方」が多元接続です。3-3と3-4はスマホ実務検定では範囲外ですが、モバイル技術基礎検定では定番の比較問題になります。

多元接続の方式の比較(当サイトの整理)
方式何で分けるか主に使われた世代ひとことで
FDMA周波数1G(アナログ)利用者ごとに別の周波数を割り当てる
TDMA時間2G同じ周波数を短い時間に区切って順番に使う
CDMA符号(拡散符号)3G同じ周波数・同じ時間を、利用者ごとに違う符号で区別する
OFDMAサブキャリア(周波数)と時間の組合せ4G(下り)、5G多数の細いサブキャリアを利用者ごとに割り当てる

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LTE(4G)の物理層は3GPPの TS 36.211 で規定されており、下り回線でOFDMAが使われています(2026年9月27日確認)。OFDMAは電波の反射による遅れ(マルチパス)に強く、帯域を柔軟に割り当てられるのが利点です。詳しくはOFDMAとはで扱っています。

電波の性質(3-2)では、周波数が低い電波ほど建物の陰や屋内に回り込みやすく、遠くまで届きやすいことを押さえます。700MHz〜900MHz帯が「つながりやすい」と言われる理由はプラチナバンドで確認できます。逆に周波数が高い電波は直進性が強く届く範囲が狭い一方、広い帯域幅を確保しやすく、高速化に向きます。

無線LANの世代は?Wi-Fi 4から7まで

無線LANの規格はIEEEの802.11として決められ、Wi-Fi Alliance が相互接続の認証を行います。Wi-Fi Alliance は2018年10月3日に世代名を導入し、802.11n を Wi-Fi 4、802.11ac を Wi-Fi 5、802.11ax を Wi-Fi 6 と呼ぶことにしました(2026年9月27日確認)。

Wi-Fiの世代と規格(2026年9月27日確認)
世代名規格主な周波数帯ポイント
Wi-Fi 4IEEE 802.11n2.4GHz・5GHzMIMOで高速化
Wi-Fi 5IEEE 802.11ac5GHz5GHz帯で高速化
Wi-Fi 6/6EIEEE 802.11ax2.4GHz・5GHz(6Eは6GHzも)OFDMAで混雑に強い。国内では2022年に6GHz帯が使えるよう制度整備
Wi-Fi 7IEEE 802.11be2.4GHz・5GHz・6GHz6GHz帯の320MHz幅、複数の帯域を同時に使うMLO。認証は2024年に開始

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総務省の令和6年版情報通信白書は、2022年に6GHz帯を無線LANに使えるよう制度を整え、2023年12月にIEEE 802.11beを国内で使うための規則改正を行ったと説明しています(2026年9月27日確認)。Wi-Fiの世代の詳細はWi-Fi 6とWi-Fi 7へ。

3-8の「データ通信の急増」では、増え続けるデータ量を、新しい周波数の追加、小さなセルの増設、Wi-Fiへの逃がし(オフロード)などで支えている、という流れを押さえてください。3-9のFTTHは光ファイバを家庭まで引き込む回線で、家庭のWi-Fiの先にある固定回線であり、基地局をコアネットワークにつなぐ回線としても使われます。

間違えやすい所は?対になる用語の取り違え

第3章で取り違えやすい点(当サイトの整理)
誤解正しい整理
待受け中にセルを切り替えるのがハンドオーバハンドオーバは通話・通信中の切替え。待受け中の居場所の通知は位置登録
周波数が高いほど障害物を回り込みやすい回り込みやすいのは周波数が低い電波。高い電波は直進性が強い
CDMAは利用者ごとに周波数を分ける周波数で分けるのはFDMA。CDMAは符号で分ける
LTEは下りも上りもOFDMALTEの下りはOFDMA。上りは別の方式(SC-FDMA)を使う
Wi-Fi 6Eは新しい規格の名前Wi-Fi 6Eは802.11axを6GHz帯でも使えるもの
セルを大きくするほど多くの人を収容できるセルを小さくして周波数を使い回すほど収容できる人数が増える

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スマホ実務検定での扱いは?3-2〜3-6は範囲外(重みは非公表)

テキストの「出題範囲一覧」の表によると、モバイル技術基礎検定はテキストの全章全節が範囲です。スマートフォン・モバイル実務検定は、この第3章の3-2〜3-6(電波の性質、FDMA/TDMA、CDMA/OFDM、3G、4G)が範囲外で、ほかの節は範囲に入ります。加えて、テキスト外の時事問題が全体の1割前後出ます(当サイトがテキスト実物で確認)。MCPCの公式ページにも、スマホ実務検定の出題範囲として「通信・通話の仕組み」と「時事問題(公式テキスト非掲載)」が並んでいます(2026年9月27日確認)。

つまり、スマホ実務検定を受ける方は、第3章では3-1(セルラー・ハンドオーバ・位置登録)と3-7〜3-9(無線LAN、データ通信の増加、FTTH)を中心に学べば足ります。モバイル技術基礎検定を受ける方は、多元接続と3G・4Gまで含めて全節が必要です。章ごとの出題数は、どちらの検定も公式に公表されていません。当サイトは、第3章を技術基礎検定の得点の柱の1つと考えています(当サイトの推定)。

テキストの後に変わった点は?(一次資料で確認)

テキストは2024年6月末時点の情報で書かれています。第3章に関わる動きで、その後に一次資料で確認できたものを並べます(2026年9月27日確認)。

  • IEEE 802.11be-2024の発行:Wi-Fi 7の元になる規格は、2024年9月26日にIEEEの標準化委員会で承認され、2025年7月22日に発行されました。少なくとも1つの動作モードで最大30Gbit/s以上の通信を目標とする規格です。
  • 国内の大手3社の3Gがすべて終了:NTTドコモの「FOMA」が2026年3月31日に終了し、KDDI(2022年3月31日)、ソフトバンク(2024年4月15日、石川県は2024年7月31日)と合わせて、3-5で学ぶ3Gは国内の大手3社ではすべて終わりました。3Gは「歴史と技術の比較」として学ぶ内容になっています。

3Gの終了の経緯は3G停波、通信の仕組みの全体は通信の仕組みのまとめでも扱います。

確認問題1:待受け中に居場所を知らせる仕組みは?

待受け中の携帯電話が、自分がどの地域にいるかを網に知らせ、着信のときに呼び出せるようにする仕組みはどれか。

  1. ハンドオーバ
  2. ローミング
  3. 位置登録
  4. テザリング

正解:3。位置登録は、待受け中の端末が自分のいる地域を網に知らせる仕組みです。網はその地域だけを呼び出して着信を届けます。

1 のハンドオーバは、通話や通信の最中に隣のセルへ切り替える仕組みです。2 のローミングは、契約先以外の事業者の網を使うことです。4 のテザリングは、スマートフォンの回線をほかの機器と共有する機能です。

確認問題2:周波数が低い電波の性質は?

周波数が低い電波の一般的な性質として、最も適切なものはどれか。(この問題はテキスト3-2の範囲で、スマホ実務検定では範囲外です)

  1. 直進性が強く、建物の陰には届きにくい
  2. 雨や障害物で弱まりやすく、届く距離が短い
  3. 広い帯域幅を確保しやすく、高速化に向く
  4. 建物の陰や屋内にも回り込みやすく、遠くへ届く

正解:4。周波数が低い電波は回り込みやすく、遠くまで届きやすい性質があります。700MHz〜900MHz帯がつながりやすいと言われるのはこのためです。

1 と 2 は、周波数が高い電波の性質です。3 の広い帯域幅を確保しやすいのも、周波数が高い帯の特徴です。

確認問題3:LTEの下りで使われる多元接続は?

LTE(4G)の下り回線で使われ、多数のサブキャリアを利用者ごとに割り当てる多元接続の方式はどれか。(テキスト3-4・3-6の範囲で、スマホ実務検定では範囲外です)

  1. OFDMA
  2. FDMA
  3. TDMA
  4. CDMA

正解:1。OFDMAは、細かく分けた多数のサブキャリアを利用者ごとに割り当てる方式で、LTEの下り回線で使われています。

2 のFDMAは周波数で利用者を分ける方式で、アナログの1Gなどで使われました。3 のTDMAは時間で分ける方式で、2Gで使われました。4 のCDMAは符号で分ける方式で、3Gで使われました。

確認問題(当サイトのオリジナル)のあとは?共通ドリルで仕上げる

第3章は対になる用語が多い章です。迷った問題は「通話中か待受け中か」「周波数が低いか高いか」「何で利用者を分けるか」で見直してください。スマホ実務検定だけを受ける方は、3-2〜3-6の問題は飛ばしてかまいません。

本番と同じ形式で確かめたい方は、モバイル技術基礎検定の無料お試しまたはスマートフォン・モバイル実務検定の無料お試しを使ってください。次は第4章 インターネットの基礎と接続へ。

当サイトはMCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)とは関係のない、非公式の個人運営の教材です。合格を保証するものではありません。公式テキストの本文・図表・巻末サンプル問題は使っていません。

よくある質問

スマホ実務検定では第3章を勉強しなくてよいですか?

範囲外なのは3-2〜3-6だけです。3-1(セルラー方式・ハンドオーバ・位置登録)と3-7〜3-9(無線LAN、データ通信の増加、FTTH)は範囲に入るので、学習が必要です。

3Gはもう終わったのに、なぜ試験範囲にあるのですか?

テキストの第9版は2024年6月末時点の情報で書かれており、3Gの技術(CDMAなど)は4G・5Gとの比較で理解を助けるため、モバイル技術基礎検定の範囲に残っています。出題は技術の特徴や世代の比較が中心になると当サイトでは考えています。

Wi-Fi 7はテキストに載っていますか?

当サイトはテキストの見出しだけを参照しているため、本文にどこまで書かれているかはお答えできません。国内では2023年12月に802.11beを使うための規則改正があり、規格は2025年7月22日に発行されています(2026年9月27日確認)。

出典・参考

  1. [1]リックテレコム『モバイル基礎テキスト 第9版』(2026年9月27日確認)
  2. [2]MCPC モバイル技術基礎検定(2026年9月27日確認)
  3. [3]MCPC スマートフォン・モバイル実務検定(2026年9月27日確認)
  4. [4]3GPP TS 36.211 E-UTRA Physical channels and modulation(2026年9月27日確認)
  5. [5]Wi-Fi Alliance introduces Wi-Fi 6(2018年10月3日、2026年9月27日確認)
  6. [6]Wi-Fi Alliance Wi-Fi CERTIFIED 7(2026年9月27日確認)
  7. [7]IEEE 802.11be-2024(2026年9月27日確認)
  8. [8]総務省 令和6年版 情報通信白書 無線LANの高度化(2026年9月27日確認)
  9. [9]NTTドコモ「FOMA」および「iモード」サービス終了のご案内(2026年9月27日確認)
  10. [10]KDDI 3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」を22年3月31日に終了(2026年9月27日確認)
  11. [11]ソフトバンク 3Gサービスの提供終了(2026年9月27日確認)

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