この記事の要点
- 第9章は 携帯電話の契約と販売のルール を扱う章で、スマホ実務検定の目的そのものに当たる最重要章です。節は通信業界の法知識、消費者保護、関連法規、セキュリティ関連法制度、安全な利用、MNP、SIM ロックの7つです。
- 柱は電気通信事業法の 説明(第26条)→書面(第26条の2)→初期契約解除(第26条の3、8日) の流れと、第27条の3の 端末割引の上限(原則4万円) です。
- MNP は Web なら手数料無料、2023年5月24日からワンストップ方式、SIM ロックは 2021年10月以降に発売の端末で原則禁止 です。
- テキストは2024年6月末時点の情報です。その後の省令改正や本人確認の厳格化は、この記事で一次資料から補います。当サイトは MCPC とは関係のない非公式の個人運営教材で、合格は保証しません。
この章で押さえること:契約の流れに沿って法律を並べる
対応テキストは『モバイル基礎テキスト 第9版』(リックテレコム、2024年9月上旬刊行、224頁、定価2,420円(税込)、ISBN 978-4-86594-417-4)で、モバイル技術基礎検定とスマートフォン・モバイル実務検定の両方に対応しています(出版社の書誌ページ、2026年9月27日確認)。本文は2024年6月末時点の情報で書かれています(当サイトがテキスト実物の記載で確認)。
第9章「モバイルに関する基本的な法制度・関連知識」は 9-1〜9-7 の7節です。当サイトは章と節の 見出しだけ を手がかりにしており、テキストの本文・図表・巻末のサンプル問題は使っていません。法律は改正で条番号や数値が動くため、以下は e-Gov 法令検索の2026年9月時点の条文で確かめています。
| 契約の段階 | ルール | 根拠 |
|---|---|---|
| 契約の前 | 料金その他の提供条件の概要を説明する | 電気通信事業法 第26条 |
| 契約の成立後 | 遅滞なく書面を作成して交付する(利用者の承諾があれば電子交付も可) | 同法 第26条の2 |
| 書面を受け取った後 | 受領日(移動通信で提供開始が遅ければ開始日)から起算して8日を経過するまで、書面で解除できる | 同法 第26条の3 |
| 勧誘の場面 | 重要な事項を故意に告げない・うそを告げる行為などを禁止 | 同法 第27条の2 |
| 端末の販売 | 通信の継続利用などを条件とする端末の割引は原則4万円まで。期間拘束は2年以内 | 同法 第27条の3と施行規則 |
| 販売代理店 | 契約の媒介等の業務は総務大臣へ届出。説明義務や禁止行為が準用される | 同法 第73条の2・第73条の3 |
← 表は横にスクロールできます →
節ごとの要点:9-1〜9-7 で何を覚えるか
9-1 通信業界の法知識:携帯電話の事業は電気通信事業法と電波法の二本立てで規律されます。電波を使う無線局の免許や技術基準適合(技適)は電波法、契約や料金、利用者保護は電気通信事業法、と役割で分けます。技適の話は 電波法と技適マーク で扱っています。
9-2 消費者保護の重要性 と 9-3 消費者保護関連の法規:通信サービスは仕組みが複雑で、利用者と事業者の情報量に差があります。そのため電気通信事業法に、説明義務、書面交付、初期契約解除、不実告知の禁止などが置かれています。初期契約解除は書面で行い、解除の書面を 発した時 に効力が生じます(第26条の3第2項)。景品表示法や特定商取引法との関係は 電気通信事業法と消費者保護 で整理しています。
9-4 セキュリティ関連法制度:不正アクセス禁止法、特定電子メール法、個人情報保護法、携帯電話不正利用防止法(契約時の本人確認)などが並びます。第8章のセキュリティと合わせて読むと効率的です。
9-5 スマートフォンの安全な利用:青少年インターネット環境整備法により、18歳未満の利用者には、販売時の確認・説明・フィルタリングの有効化が求められます。
9-6 MNP:電話番号を変えずに事業者を乗り換える制度です。総務省の携帯電話ポータルサイトは、2023年5月24日から乗り換え先に申し込むだけで手続きできる MNP ワンストップ が使えるようになったこと、MNP 転出手数料は Web では無料(電話や店舗での申込みは1,100円以下の手数料がかかる場合がある)であることを案内しています(2026年9月27日確認)。詳しくは MNPワンストップとは を参照してください。
9-7 SIM ロックと SIM ロック解除:総務省は、2021年10月以降に「発売」されたスマートフォンには原則として SIM ロックが禁止になったと案内しています(携帯電話ポータルサイト、2026年9月27日確認)。解除の手続きの流れは SIMロック解除 で解説しています。
端末割引と期間拘束の数字はどう覚える?
第27条の3は、指定された携帯電話事業者に、通信料金と端末代金の分離と、行き過ぎた囲い込みの禁止を求める条文です。具体的な数字は総務省令(施行規則)で決まっています。
| 項目 | 2026年9月時点のルール | 覚え方 |
|---|---|---|
| 端末の購入等を条件とする割引の上限 | 原則4万円。対照価格が2万円超8万円以下なら「対照価格の5割」か「2万円」の高い方、2万円以下なら対照価格まで | 上限額は4万円、区分の境目が8万円 |
| ミリ波対応端末の特例 | 当分の間、4万円を5.5万円に、8万円を11万円に読み替える(割引上限を最大1.5万円引き上げ。対照価格の5割を超えない範囲) | 2024年12月26日施行の省令改正で附則に追加 |
| 期間拘束(違約金等の定めがある契約) | 期間が2年を超えるものは禁止 | 最長2年 |
| 違約金等 | 違約金等と一定の経済的利益の合計が千円を超えるものは禁止 | 千円(条文の額) |
| 縛りなしプランとの料金差 | 違約金等の定めがない契約の月額が、定めがある契約の月額に170円を加えた額を超えるものは禁止 | 差は月170円まで |
← 表は横にスクロールできます →
数字の問題では、上限額(4万円)と区分の境目(8万円) の取り違えが典型的なひっかけです。施行規則は2026年に入ってからも何度も改正されているため、細かい条件は e-Gov の最新版で確かめる習慣をつけてください。
間違えやすい所:日付と「何が対象か」
| 誤解しやすい言い方 | 正しい整理 |
|---|---|
| 初期契約解除は契約日から8日 | 書面の受領日(移動通信で提供開始が遅ければ開始日)から起算して8日 |
| 初期契約解除で、一緒に買った端末も当然に返品できる | 初期契約解除の対象は通信サービスの契約。端末の売買契約は別 |
| 説明は契約書を渡した後で足りる | 説明(第26条)は契約の前。書面(第26条の2)は契約の後 |
| MNP の手数料はどの方法でも無料 | Web は無料。対面や電話で予約番号を発行する場合は千円以下(税別)の手数料がありうる |
| 2015年から SIM ロックは禁止 | 2015年は解除の義務化。ロックの原則禁止は2021年10月以降に発売の端末 |
| 販売代理店は電気通信事業者ではないので説明義務はない | 届出をした代理店にも第26条・第27条の2が準用される(第73条の3) |
← 表は横にスクロールできます →
MNP のガイドラインは、ワンストップ方式の手続きで移転元の事業者が 一切の引き止め行為をしないこと も定めています。販売の現場を想定した問題で問われやすい点です。
スマホ実務検定での扱い(範囲・重み):スマホ実務の最重要章
テキストの「出題範囲一覧」表では、モバイル技術基礎検定は全章全節が対象で、スマートフォン・モバイル実務検定は 3-2〜3-6(電波の性質、FDMA/TDMA、CDMA/OFDM、3G、4G)だけが対象外です(当サイトがテキスト実物で確認)。第9章は両検定とも全節が範囲 です。
スマホ実務検定は総務省後援で、MCPC は目的を「携帯電話サービス等の販売に消費者(ユーザー)保護の観点から通信にかかわる基礎知識・法知識を習得」と説明しています(2026年9月27日確認)。出題カテゴリにも「消費者保護に関する知識」があります。章ごとの比率は 公式には非公表 ですが、当サイトは検定の目的から、スマホ実務では第9章を最も厚く準備すべきだと判断しています(当サイトの判断)。さらに、テキスト外の 時事問題が全体の1割前後 あり、法改正はその中心になりやすいと考えています。
消費者保護の論点をまとめて確かめるなら スマホ実務検定の消費者保護 も参考にしてください。
テキストの後に変わった点(一次資料で確認)
テキストは2024年6月末時点の情報です。第9章に関わる、その後の主な変化を一次資料で確かめました。
| 時期 | 変化 | 出典 |
|---|---|---|
| 2024年10月(省令改正案の公表) | ミリ波対応端末の割引上限を最大1.5万円緩和(原則5.5万円)。不良在庫端末の特例を「最終調達日から12か月で半額、24か月で8割、36か月以上で定価まで」に見直し | 総務省資料(2024年10月2日) |
| 2025年12月18日 | スマホソフトウェア競争促進法が全面施行 | 公正取引委員会 |
| 2026年1月26日 | 番号ポータビリティのガイドラインが最終改正(Web は無料、引き止め行為の禁止などを規定) | 総務省ガイドライン |
| 2026年4月1日 | 携帯電話不正利用防止法の施行規則改正が施行。非対面の本人確認方法を見直し(一部は2026年9月30日まで経過措置) | 総務省(意見募集の結果) |
| 2026年5月27日 | 令和7年法律第46号による改正電気通信事業法が施行。第26条・第26条の2・第26条の3・第27条の3 などの条番号は、この版でも変わっていない | e-Gov 法令検索 |
← 表は横にスクロールできます →
対面の契約で本人確認書類の IC チップを読み取る方法を原則とする省令案は、総務省が2026年3月13日に意見募集を公表しています。施行の時期は公式発表を確認してください。
確認問題1:初期契約解除の期限
(当サイトのオリジナル問題)4月1日に店頭で携帯電話サービスの契約書面を受け取り、同じ日にサービスの提供も始まった。電気通信事業法の初期契約解除を書面で行える期限として、最も適切なものはどれか(2026年9月時点)。
- 4月3日
- 4月15日
- 4月30日
- 4月8日
正解:4。第26条の3は、書面の受領日から「起算して八日を経過するまで」と定めています。4月1日を1日目として数えるので、4月8日までです。
1:3日という期間は定められていません。2:15日目に当たり、期限を過ぎています。3:30日という期間は定められていません。
確認問題2:MNP の手数料
(当サイトのオリジナル問題)総務省の番号ポータビリティのガイドライン(2026年1月26日最終改正)で、利用者が Web で MNP の手続きをする場合の利用者負担として、最も適切なものはどれか。
- 3,000円
- 無料
- 必ず千円に消費税を加えた額
- 残っている契約期間に応じた額
正解:2。ガイドラインは、利用者が負担する番号ポータビリティの料金を無料とし、対面や電話で予約番号を発行する場合に限り千円以下(税別)としています。
1:かつての水準の額で、現在のルールではありません。3:千円以下の額がありうるのは対面や電話の場合で、Web は無料です。4:契約期間に応じて決まる料金ではありません。
確認問題3:SIM ロック
(当サイトのオリジナル問題)2021年10月以降に新たに発売されたスマートフォンの SIM ロックについて、最も適切なものはどれか(2026年9月時点)。
- すべての端末に SIM ロックをかけて販売し、100日後に解除できる
- どのような理由があっても、SIM ロックは一切設定できない
- 原則として SIM ロックを設定してはならない
- SIM ロックの有無は、販売する店舗ごとに自由に決めてよい
正解:3。総務省は、2021年10月以降に発売されたスマートフォンには原則として SIM ロックが禁止になったと案内しています。
1:ロックをかけて販売するのが原則ではありません。2:「原則」禁止で、割賦販売の不払いのおそれがある場合など例外があります。4:店舗ごとに自由に決められるものではありません。
確認問題のあとは何をすればいい?
迷った問題は「契約のどの段階の話か」「数字は上限か境目か」「その日付は何が始まった日か」の3点で見直してください。第9章は数字と日付が多いので、上の表を白紙に再現できるまで繰り返すのが近道です。
本番と同じ4択で確かめるなら、スマホ実務検定の無料お試し と モバイル技術基礎検定の無料お試し で全問の解説まで確認できます。収録内容は 料金と収録内容 で確認できます。
よくある質問
条文番号まで覚える必要がありますか?
当サイトでは、第26条(説明)→第26条の2(書面)→第26条の3(初期契約解除)の並びと、第27条の3(端末割引・期間拘束)を押さえることをおすすめしています。改正で番号が動くことがあるため、古い資料の番号をそのまま覚えないよう注意してください。
テキストと最新の制度が違う場合、どちらで答えればいいですか?
モバイル技術基礎検定はテキスト範囲外から出題されないとテキストの出題範囲一覧に書かれています。一方、スマホ実務検定には時事問題があります。問題文に「〇年時点」とあればその時点の制度で答えるのが基本です。出題の基準日は公式には示されていないため、公式発表を確認してください。
初期契約解除とクーリング・オフは同じものですか?
別の制度です。初期契約解除は電気通信事業法、クーリング・オフは特定商取引法などに基づきます。期間が同じ8日のものがあるので混同しやすい点に注意してください。
端末割引の上限は税込みですか?
施行規則の条文には「四万円」とあります。税込みか税抜きかの扱いは、総務省のガイドラインなど公式の資料で確認してください。当サイトでは試験対策として「原則4万円」「区分の境目8万円」を押さえることをおすすめしています。
出典・参考
- [1]リックテレコム モバイル基礎テキスト 第9版(書誌・目次、2026年9月27日確認)
- [2]MCPC スマートフォン・モバイル実務検定(目的・出題カテゴリ、2026年9月27日確認)
- [3]MCPC モバイル技術基礎検定(出題カテゴリ、2026年9月27日確認)
- [4]e-Gov法令検索 電気通信事業法(第26条〜第27条の3・第73条の2・第73条の3、2026年5月27日施行の版、2026年9月27日確認)
- [5]e-Gov法令検索 電気通信事業法施行規則(第22条の2の16・第22条の2の17、2026年8月10日施行の版、2026年9月27日確認)
- [6]総務省 電気通信事業法施行規則の一部改正(競争ルールの検証に関するWG、2024年10月2日、2026年9月27日確認)
- [7]総務省 携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン(2026年1月26日最終改正、2026年9月27日確認)
- [8]総務省 携帯電話ポータルサイト Q1.電話番号を変えずに乗り換えられるの?(2026年9月27日確認)
- [9]総務省 携帯電話ポータルサイト Q3.端末を変えずに乗り換えられるの?(SIMロック、2026年9月27日確認)
- [10]総務省 携帯電話不正利用防止法施行規則の改正案に対する意見募集の結果(2026年9月27日確認)
- [11]総務省 携帯電話不正利用防止法施行規則の改正案に対する意見募集(2026年3月13日、2026年9月27日確認)
- [12]公正取引委員会 スマホソフトウェア競争促進法(2026年9月27日確認)
本番と同じペースで腕試し
記事の次は、本番形式の問題で。
出題カテゴリの配分どおりに組んだ無料お試しを、登録不要・カード不要で解けます。続きの模試と章別ドリルは買い切りで、月額はかかりません。
あわせて読みたい
当サイトは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)とは関係のない個人が運営する非公式の学習教材です。掲載している問題はすべて当サイトのオリジナルで、実際の試験問題・過去問題・再現問題ではありません。試験の日程・受検料・出題範囲は公式サイト(https://www.mcpc-jp.org/license/ )で必ず確認してください。合格を保証するものではありません。合格の目安は当サイトの推定です。技術・制度の記述は「最終確認日」時点のものです。