この記事の要点
- MNP(Mobile Number Portability)は、携帯電話・PHSの利用者が携帯会社を変えても、電話番号はそのままで新しい会社のサービスを使える仕組みです。携帯電話のMNPは2006年(平成18年)10月24日に始まりました(総務省、2026年9月27日確認)。
- 2023年(令和5年)5月24日から、従来のツーストップ方式に加えてワンストップ方式が始まりました。乗り換え先(移転先)のWebサイトで申し込めば、移転元でMNP予約番号を取る手順を省けます。
- ワンストップでは、移転元のWebサイトに自動で移ってログインし、解約に関する重要事項の説明を受けたあと、移転先で契約を進めます。回線が切り替わると移転元の契約は自動で解約されます。
- 総務省のQ&Aでは、MNPで利用者が負担する料金は無料です。ただし、対面や電話でMNP予約番号を発行する場合は、千円以下の額に消費税額を加えた額になります。
MNPとは?
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)とは、携帯電話・PHSの利用者が携帯会社を変更した場合に、電話番号はそのままで変更後の携帯会社のサービスを利用できる仕組みです(総務省の説明、2026年9月27日確認)。電話番号を知り合いに知らせ直す必要がないので、乗り換えの手間が減り、携帯会社どうしの競争も進むと期待されています。
総務省のQ&Aによると、携帯電話のMNPは平成18年(2006年)10月24日(火)から始まりました。導入の経緯のページには、2004年の研究会報告やガイドラインを経て、電気通信番号規則の改正などが行われた流れが載っています。
MNPを使うと、移転元(今の携帯会社)との契約は解約になり、移転先(新しい携帯会社)と新規に契約します。総務省は、次の点に注意するよう案内しています。
- 今の携帯会社の料金プランや割引サービスは、解約とともに終わる
- コンテンツプロバイダーのコンテンツや電子マネーなどは引き継げない場合がある
- 年間契約などの割引を契約していると、解約に伴って別途費用がかかる場合がある
- 今の端末を使い続けるには、端末が移転先の周波数に対応している必要がある
070・080・090の番号でも、衛星船舶電話・衛星携帯電話サービスや、データ通信専用サービスなどではMNPを使えない場合があります(総務省Q&A)。
ツーストップ方式とワンストップ方式の違いは?
MNPの手続きには、ツーストップ方式とワンストップ方式があります。違いは、利用者が移転元で「MNP予約番号」を取りに行く必要があるかどうかです。
| 比べる点 | ツーストップ方式 | ワンストップ方式 |
|---|---|---|
| 開始 | MNPの開始時(2006年10月24日)から | 2023年(令和5年)5月24日から |
| 利用者が手続きする場所 | 移転元と移転先の2か所 | 移転先のWebサイトが起点(移転元のサイトへは自動で移る) |
| MNP予約番号 | 利用者が移転元で発行を受け、移転先に伝える | 移転元から移転先へシステムで送られるので、利用者が取得する必要はない |
| 解約の説明 | 予約番号を受け取るときに移転元から受ける | 移転元のWebサイトでログインした後に受ける |
| 移転元との契約 | 移転先の契約処理が終わると完了 | 回線が切り替わると自動で解約 |
| 使える場面 | どの事業者の組合せでも使える | 両方の事業者がワンストップに対応している場合(主にオンラインの手続き) |
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総務省のQ&Aは、ワンストップ方式を「移転先事業者が利用者の申込みを受け、移転元事業者と連携して、移転元がインターネット等で解約に係る重要事項説明を行ったうえで、予約番号を移転元から移転先に送信する方式」と説明しています。予約番号そのものがなくなったわけではなく、利用者が取りに行かなくてよくなった、と理解するのが正確です。
ワンストップの手順は?
総務省のMNPのページに示された流れを、手順として並べます(2026年9月27日確認)。
- 移転先(新しく契約する携帯会社)のWebサイトで、MNPワンストップでの契約を申し込む。
- 移転元(今契約している携帯会社)のWebサイトに自動で移り、マイページなどにログインする。
- 移転元のWebサイトで、解約に関する重要事項の説明を受け、解約を確認する。
- 再び移転先のWebサイトに戻り、契約を進める。
- 契約が完了して回線が切り替わると、移転元との契約は自動で解約される。
ツーストップ方式では、移転元でMNP予約番号の発行を申し込み、解約についての説明を受けて予約番号を受け取ってから、移転先に予約番号を持って新規契約を申し込みます。総務省の携帯電話ポータルサイトは、MNP予約番号の有効期限内に移転先の契約が完了しなかった場合、移転元の契約は継続されると注意しています。
KDDIは、ワンストップの開始(2023年5月24日午前8時30分)を知らせたニュースリリースで、MNPワンストップはオンラインでの手続きで、auショップなどの店舗では引き続きMNP予約番号の取得による手続きになると案内していました。
対応事業者と注意点は?
ワンストップ方式は、移転元と移転先の両方が対応している場合に使えます。総務省は、2023年5月24日にMNPのガイドライン(携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン)を改正・施行し、次の点を改正点に挙げています(2026年9月27日確認)。
- MNPワンストップ方式の原則導入
- MNPワンストップ利用者に対する引き止め行為の禁止
- 移転元事業者に対応が移る際の対応の早期化
その前の改正(2021年4月1日)では、MNP手数料の原則無料化、Web手続きの改善、過度な引き止め行為の禁止が行われました。「無料化=2021年4月」「ワンストップ=2023年5月」と、日付を分けて覚えてください。
NTTドコモが公開している「MNPワンストップ対応事業者一覧」(2026年3月17日時点)には、NTTドコモ、au・UQ mobile・povo、ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMO、楽天モバイルのほか、日本通信、mineo、IIJmio、NUROモバイル、イオンモバイル、BIGLOBEモバイルなど多くのMVNOのサービスが載っています。対応状況は変わるので、手続きの前に移転先・移転元の案内を確認します。
店頭での注意(当サイトの整理):ワンストップでも、移転元の割引やポイント、キャリアメール、コンテンツ、端末の分割払いの残りなどの扱いは移転元の条件で決まります。移転元のWebサイトで表示される解約の重要事項を、利用者が読んでから進めるよう案内しましょう。端末をそのまま使う場合は、SIMロックと周波数の対応も確認します。
検定で問われやすい点は?
MNPは、公式テキスト『モバイル基礎テキスト 第9版』第9章の節の1つです(使っているのは目次の見出しだけです)。テキストは2024年6月末時点の情報なので、2023年5月のワンストップ方式が本文でどう扱われているかにかかわらず、制度の日付は総務省の資料で確認しておくのが安全です。スマートフォン・モバイル実務検定には「時事問題(公式テキスト非掲載)」のカテゴリもあります。
当サイトの作問の観点では、次の点が選択肢になりやすいと考えています(出題の傾向や頻度を示すものではありません)。
- MNPの開始(2006年10月24日)とワンストップの開始(2023年5月24日)を取り違えない
- ワンストップでは、利用者がMNP予約番号を取得する必要がない
- MNPで持ち運べるのは電話番号で、料金プランや割引は引き継がれない
- 手数料はWebでは無料(対面・電話での予約番号の発行は千円以下+消費税)
- SIMロック解除(端末)とMNP(番号)の区別
SIMロックはSIMロック解除とは、事業者の種類はMVNO・MNO・MVNEの違い、制度の時事は時事問題対策へ。第9章全体はモバイル技術基礎 第9章の要点で扱っています。
当サイト(ICT模試)は MCPC とは関係のない非公式の個人運営教材で、合格を保証するものではありません。公式テキストの本文・図表・巻末のサンプル問題は使わず、確認問題はすべて独自に作っています。
確認問題1:ワンストップ方式が始まった日は?
MNPのワンストップ方式が始まった日として、最も適切なものはどれか。
- 2006年10月24日
- 2021年4月1日
- 2021年10月1日
- 2023年5月24日
正解:4。総務省のQ&Aによると、令和5年(2023年)5月24日から、ツーストップ方式に加えてワンストップ方式によるMNPが始まりました。
1 の2006年10月24日は、携帯電話のMNPそのものが始まった日です。2 の2021年4月1日は、MNP手数料の原則無料化などを含むガイドライン改正の日です。3 の2021年10月1日は、新たに発売される端末のSIMロックが原則禁止になった日です。
確認問題2:ワンストップ方式の説明はどれ?
MNPのワンストップ方式の説明として、最も適切なものはどれか。
- 利用者が移転元の店舗でMNP予約番号の発行を受け、その番号を移転先に伝えて契約する
- 利用者が移転先のWebサイトで申し込み、移転元のWebサイトで解約に関する重要事項の説明を受けたうえで、移転先で契約を進める
- 利用者が移転元・移転先の両方の店舗に出向き、それぞれで書面に署名して手続きする
- 電話番号を変えて新しい番号で契約し、古い番号への着信を新しい番号に転送する
正解:2。ワンストップ方式では、移転先のWebサイトから移転元のWebサイトに自動で移り、ログインして解約に関する重要事項の説明を受けてから、移転先で契約を進めます。予約番号は事業者間で送られます。
1 はツーストップ方式の説明です。3 のように両方の店舗に出向く方式ではありません。4 は電話番号を変える乗り換えで、MNPではありません。
確認問題3:MNPの説明で誤りはどれ?
MNPの説明として、適切でないものはどれか(2026年9月時点の総務省の案内による)。
- MNPを利用すると、移転元の携帯会社との契約は解約となる
- MNPで利用者が負担する料金は原則として無料である
- MNPを利用すると、移転元の料金プランや割引サービスも移転先にそのまま引き継がれる
- ワンストップ方式では、回線が切り替わると移転元との契約が自動で解約される
正解:3。持ち運べるのは電話番号で、移転元の料金プランや割引サービスは解約とともに終了します。移転先とは新たに契約します。
1 と 4 は総務省のMNPのページの説明どおりです。2 は総務省のQ&Aのとおりで、ただし対面や電話でMNP予約番号を発行する場合は、千円以下の額に消費税額を加えた額がかかることがあります。
よくある質問
ワンストップ方式は店舗でも使えますか?
総務省の説明するワンストップ方式は、移転先のWebサイトから申し込む流れです。KDDIは開始時のニュースリリースで、auショップなどの店舗では引き続きMNP予約番号の取得による手続きになると案内していました(2023年5月19日公表)。店舗での扱いは事業者ごとに確認してください。
MNP予約番号には有効期限がありますか?
あります。総務省の携帯電話ポータルサイトは、予約番号の有効期限内に移転先の契約が完了しなかった場合、移転元の契約は継続されると注意しています。有効期限の日数は、発行する事業者の案内で確認してください。
メールアドレスも持ち運べますか?
MNPは電話番号の制度です。総務省の携帯電話ポータルサイトは、大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)のキャリアメールアドレスの持ち運びについて、乗換え元への申込み方法を確認するよう案内しています(2021年12月に持ち運びが可能になった旨のお知らせあり)。
出典・参考
本番と同じペースで腕試し
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