この記事の要点
- フィルタリングは、青少年が有害な情報に触れないよう、Webサイトやアプリの利用を制限する仕組みです。
- 根拠は青少年インターネット環境整備法(平成20年法律第79号)です。「青少年」は18歳に満たない者と定義されています(第2条第1項、2026年9月27日にe-Govで確認)。
- 携帯電話会社と代理店には、契約時の青少年確認(第13条)、フィルタリングの説明(第14条)、フィルタリングサービスの提供(第15条、義務は携帯電話会社)、販売する端末の有効化措置(第16条)が義務付けられています。
- 確認・説明・有効化措置の義務は、2018年(平成30年)2月1日施行の改正で加わりました(総務省、2026年9月27日確認)。
- 例外は保護者の申出です。保護者がフィルタリングを利用しない旨、または有効化措置を希望しない旨を申し出た場合は、提供・有効化の義務がかかりません。
フィルタリングとは?
フィルタリングとは、インターネット上の情報を一定の基準で選別し、青少年が有害な情報を見られないように制限する仕組みです。総務省は、青少年を違法・有害情報との接触から守り、安心して安全にインターネットを利用する手助けをするサービスだと説明しています(2026年9月27日確認)。
法律では、青少年の健全な成長を著しく阻害する情報を「青少年有害情報」と呼び、例として、犯罪や自殺を直接的・明示的に誘う情報、わいせつな情報、著しく残虐な内容の情報を挙げています(第2条第3項・第4項)。
制限の方式には、大きく2つあります。総務省の説明をもとに整理します。
| 方式 | しくみ | 向いている場面(当サイトの目安) |
|---|---|---|
| ホワイトリスト方式 | 安全で有益と思われる、一定の基準を満たしたサイトだけに接続でき、それ以外を制限する | 低い年齢の子ども |
| ブラックリスト方式 | 原則すべてに接続できるが、出会い系やギャンブルなど有害と思われる特定のサイトを制限する | ある程度の年齢の子ども |
| カスタマイズ | 保護者が見せてよいサイトやアプリを個別に設定する | 成長や家庭の方針に合わせる |
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総務省は、スマートフォンでは携帯電話会社の回線だけでなく、公衆無線LAN(Wi-Fi)やアプリを通じた通信もあるため、ネットワーク側のフィルタリングに加えて、フィルタリング機能を持つアプリや、端末のペアレンタルコントロールの設定も必要だと説明しています。
法律で決まっている事業者の義務は?
青少年インターネット環境整備法は、携帯電話のインターネット接続サービスを提供する事業者(携帯電話インターネット接続役務提供事業者)と、その契約の媒介・取次ぎ・代理をする者(代理店)をまとめて「携帯電話インターネット接続役務提供事業者等」と呼び、次の義務を課しています(2026年9月27日にe-Govで確認)。
| 条 | 義務 | だれの義務か | 内容 |
|---|---|---|---|
| 第13条 | 青少年確認義務 | 携帯電話会社と代理店 | 契約の相手が青少年かを確認する。青少年でないときは、端末の使用者が青少年かを確認する |
| 第14条 | 説明義務 | 携帯電話会社と代理店 | 青少年有害情報を閲覧する可能性があること、フィルタリングサービスと有効化措置の必要性・内容を説明する |
| 第15条 | フィルタリングサービスの提供義務 | 携帯電話会社 | 契約者または使用者が青少年なら、フィルタリングサービスの利用を条件にインターネット接続サービスを提供する |
| 第16条 | 有効化措置の実施義務 | 携帯電話会社と代理店 | 契約者または使用者が青少年の場合、販売する端末でフィルタリングを有効にする措置を講じる |
| 第17条 | インターネット接続事業者の義務 | インターネット接続サービスの提供事業者 | 求められたら、フィルタリングソフトやサービスを提供する |
| 第18条 | 機器メーカーの義務 | インターネット接続機器の製造事業者 | フィルタリングを利用しやすくする措置を講じたうえで販売する |
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総務省のフィルタリングのページは、平成29年法律第75号による改正(2018年2月1日施行)で、携帯電話事業者に契約締結時の青少年確認義務や説明義務、フィルタリングの設定やインストールを行う有効化措置義務が新たに課されたと説明しています。NTTドコモも、2018年2月から店頭でのフィルタリングの設定が法律で義務化されたと案内しています。
第13条第3項は、保護者の側にも義務を定めています。端末を青少年に使わせるために契約する人は、そのことを事業者に申し出なければなりません。親名義で契約して子どもに持たせる場合がこれに当たります。
販売時の手順は?(年齢確認・説明・有効化)
法律の条文の順番は、そのまま店頭での手順になっています。当サイトの整理で、販売の場面の順に並べます(実際の手順は各社のマニュアルに従ってください)。
- 契約者が青少年か確認する(第13条第1項):契約の相手方が18歳未満かどうかを確認する。
- 使用者が青少年か確認する(第13条第2項):契約者が18歳以上なら、実際に端末を使う人が18歳未満かを確認する。保護者はその旨を申し出る義務がある(同条第3項)。
- フィルタリングを説明する(第14条):青少年本人、または保護者に対して、有害情報を見るおそれがあること、フィルタリングサービスと有効化措置の必要性・内容を説明する。
- フィルタリングサービスを付けて契約する(第15条):携帯電話会社は、フィルタリングサービスの利用を条件にサービスを提供する。
- 端末でフィルタリングを有効にする(第16条):販売する端末に、フィルタリングアプリのインストールや設定などの有効化措置を講じる。
NTTドコモは、法令等により18歳未満の青少年が利用する場合は原則フィルタリングサービスに加入し、機種販売時に設定を行うことが義務付けられているとし、同社では対象を「契約者もしくは利用者が18歳未満」としていると案内しています(2026年9月27日確認)。
スマートフォンの場合、有効化措置では、フィルタリングアプリの初期設定や、OSのペアレンタルコントロール(スクリーンタイム、ファミリーリンクなど)の設定が関わります。NTTドコモは、これらは初期設定が必要だと案内しています。
保護者の申出による解除は?
第15条と第16条には、どちらもただし書があります。第15条は、青少年の保護者がフィルタリングサービスを利用しない旨の申出をした場合、第16条は、保護者が有効化措置を講ずることを希望しない旨の申出をした場合に、それぞれの義務がかからないと定めています。申出ができるのは保護者で、青少年本人の希望だけでは外せません。
法律は「保護者」を、親権を行う者、後見人、またはこれらに準ずる者と定義しています(第2条第2項)。
申出の方法は事業者が定めています。NTTドコモの例では、フィルタリングサービスに加入しない場合は「フィルタリングサービス不要申出書」の提出が必要と案内しています(自治体の条例で別の手続きが定められている場合もあるので、地域の案内も確認してください)。フィルタリングには加入するが店頭での初期設定を希望しない場合は、保護者から同意書などで申し出て、初期設定は保護者の責任で家庭で行う、としています(2026年9月27日確認)。
フィルタリングは「付けるか外すか」だけでなく、カスタマイズで必要なアプリやサイトだけを使えるようにする方法もあります。総務省の2021年の調査報告書(2021年4月20日掲載)は、フィルタリングの利用率が低く継続的な利用を促す取組が必要なことや、カスタマイズ設定の周知などを課題に挙げています。店頭では、外す前にカスタマイズを案内するのが望ましい対応です。
検定で問われやすい点は?
公式テキスト『モバイル基礎テキスト 第9版』では、第8章の「有害情報フィルタリング」の節と、第9章の法制度にかかわる内容です(使っているのは目次の見出しだけです)。スマートフォン・モバイル実務検定は、販売員向けに消費者保護を重視する検定で、出題カテゴリに「消費者保護に関する知識」があります(公式の出題比率は公表されていません)。
当サイトの作問の観点では、次の点が選択肢になりやすいと考えています(出題の傾向や頻度を示すものではありません)。
- 「青少年」は18歳未満(20歳未満と混同しない)
- 確認は「契約者」だけでなく「使用者」も対象
- 説明・有効化措置は代理店にも義務がある
- 例外は保護者の申出(青少年本人の希望ではない)
- ホワイトリスト方式とブラックリスト方式の違い
- 2018年2月1日施行の改正で加わった義務(確認・説明・有効化措置)
消費者保護の法令全体はスマホ実務検定の消費者保護まとめ、第8章のセキュリティはモバイル技術基礎 第8章の要点、フィッシングなどの脅威はマルウェアとフィッシングにまとめています。
当サイト(ICT模試)は MCPC とは関係のない非公式の個人運営教材で、合格を保証するものではありません。公式テキストの本文・図表・巻末のサンプル問題は使わず、確認問題はすべて独自に作っています。
確認問題1:法律上の「青少年」は何歳未満?
青少年インターネット環境整備法で「青少年」とされるのは、何歳に満たない者か。
- 15歳
- 16歳
- 18歳
- 20歳
正解:3。同法第2条第1項は、「青少年」を18歳に満たない者と定義しています。携帯電話の契約時に確認するのも、契約者や使用者が18歳未満かどうかです。
1 の15歳、2 の16歳は条文にない年齢です。4 の20歳は、かつての成年年齢と混同しやすい数字ですが、この法律の青少年は18歳未満です。
確認問題2:事業者の義務に含まれないものは?
青少年インターネット環境整備法が、携帯電話会社や代理店に課している義務として、含まれないものはどれか。
- 契約時に、契約者または端末の使用者が青少年かどうかを確認すること
- 青少年や保護者に、フィルタリングの必要性と内容を説明すること
- 青少年が使う端末を販売するとき、フィルタリングの有効化措置を講じること
- 青少年が見たWebサイトの履歴を、毎月保護者に報告すること
正解:4。閲覧の履歴を保護者に報告する義務は、同法にはありません。
1 は第13条の青少年確認義務、2 は第14条の説明義務、3 は第16条の有効化措置の実施義務で、いずれも法律で定められた義務です。
確認問題3:フィルタリングの例外はどれ?
携帯電話の契約で、使用者が青少年であるのにフィルタリングサービスを提供しなくてよい場合として、最も適切なものはどれか。
- 青少年の保護者が、フィルタリングサービスを利用しない旨を申し出た場合
- 青少年本人が、フィルタリングは必要ないと店頭で伝えた場合
- 端末をWi-Fiだけで使う予定だと、販売員が判断した場合
- 契約から1年が経過し、青少年が端末の使い方に慣れた場合
正解:1。第15条ただし書は、青少年の保護者がフィルタリングサービスを利用しない旨の申出をした場合を例外としています。
2 は、申出ができるのは保護者なので誤りです。3 のように販売員の判断で外せる規定はありません(総務省は、Wi-Fiやアプリ経由の通信もあるため、アプリや端末の設定も必要だと説明しています)。4 のように期間の経過で自動的に外れる規定もありません。
よくある質問
親の名義で契約して子どもに持たせる場合も、フィルタリングは必要ですか?
必要です。第13条第2項は、契約者が青少年でないときに、端末の使用者が青少年かを確認するよう定め、第15条・第16条は契約者または使用者が青少年である場合の義務を定めています。契約する保護者には、青少年に使わせる旨を申し出る義務があります(第13条第3項)。
フィルタリングを外すには、何が必要ですか?
法律上は、保護者がフィルタリングを利用しない旨(または有効化措置を希望しない旨)を申し出ることが必要です。具体的な手続きは事業者が定めており、NTTドコモでは「フィルタリングサービス不要申出書」の提出が必要と案内しています(2026年9月27日確認)。
この法律を担当しているのはどこですか?
総務省のフィルタリングのページは、改正法の詳細と関連法令について、こども家庭庁の「青少年インターネット環境整備法・関係法令」のページを案内しています(2026年9月27日確認)。携帯電話のフィルタリングの制度や普及啓発は、総務省のページでも説明されています。
出典・参考
本番と同じペースで腕試し
記事の次は、本番形式の問題で。
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