この記事の要点
- ローカル5Gは、企業や自治体などが自らの建物内や敷地内に、自分で免許を受けて構築する5Gシステムです。携帯電話事業者が全国で提供する5Gとは別の制度です(総務省、2026年9月27日確認)。
- 周波数は サブ6の4.5GHz帯(4.6〜4.9GHz)とミリ波の28GHz帯 の2つです。利用には必ず無線局の免許が必要で、免許不要の Wi-Fi とはここが違います。
- 利用場所ごとに 自己土地利用・他者土地利用、2023年8月の制度改正で加わった 共同利用 という形態があります。
- モバイル2級の出題カテゴリ「モバイルシステム概要と移動体通信サービス」(公式の比率は13%)に当たる範囲です。
ローカル5Gとは、どんな仕組みなのか?
一言でいうと、ローカル5Gは「5Gの電波を、使う場所の持ち主などが自分の免許で使う」制度です。総務省は、地域や産業の個別のニーズに応じて、地域の企業や自治体などが自らの建物内や敷地内でスポット的に柔軟に構築できる5Gシステムと説明しています(2026年9月27日確認)。
携帯電話事業者の5Gは、事業者が全国に基地局を置き、契約した利用者に通信サービスとして提供します。ローカル5Gでは、基地局を置く主体と使う主体が同じ(または、その依頼を受けて構築する者)である点が大きく違います。自分の課題に合わせて、エリアや通信の設定を決められるのが利点です。
総務省の同じページによると、ローカル5Gの免許人は2026年6月末時点で134者、基地局はサブ6とミリ波を合わせて約1,710局です(2026年9月時点で公表されている値)。
携帯事業者の5Gや Wi-Fi とは、何が違うのか?
違いは「免許」「使う人」「エリア」「周波数」の4つで整理できます。
| 観点 | 携帯事業者の5G | ローカル5G | Wi-Fi(無線LAN) |
|---|---|---|---|
| 免許 | 携帯電話事業者が受ける | 構築・運用する主体が無線局の免許を受ける(必須) | 個別の免許は不要 |
| 使う人 | 事業者と契約した不特定多数の利用者 | 免許人の建物・敷地の中の利用者や機器 | 設置した人が認めた利用者 |
| エリア | 全国 | 建物内・敷地内などの限られた範囲 | アクセスポイントの周辺 |
| 周波数 | 事業者に割り当てられた帯域 | 4.6〜4.9GHz(サブ6)と28GHz帯(ミリ波) | 免許不要で使える帯域 |
| 他の無線との関係 | 事業者の計画で管理 | 全国5Gや他のローカル5Gとの干渉調整が必要な場合がある | 同じ帯域の機器どうしで混み合うことがある |
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周波数は全国5Gと隣り合っています。総務省は、サブ6では4.5〜4.6GHzと4.9〜5.0GHz、ミリ波では27〜28.2GHzと29.1〜29.5GHzを使う全国5Gの事業者との干渉調整が必要になると説明しています(2026年9月27日確認)。
また、ローカル5Gは複数の免許人が同じ周波数を場所で棲み分けて使う制度です。時間の割り当て方(TDD のタイムスロット)には、全国5Gと同じにする同期運用と、それ以外の非同期運用があります。上りのスロットを増やせる非同期運用には、同期運用の無線局に有害な混信を与えないことが条件として付き、原則として事前の干渉調整が必要です。
5Gの電波の性質(サブ6とミリ波の違い)はプラチナバンドとはで、無線方式そのものはLTEと5G NRの違いで整理しています。
自己土地利用・他者土地利用・共同利用は、どう違うのか?
ローカル5Gには、ほかの一般的な無線システムと違い、利用場所に応じた形態が制度上決められています。総務省の説明を、当サイトの言葉で整理します。
| 形態 | 内容 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 自己土地利用 | 自分が所有する土地・建物の中で使う形態 | 他のローカル5Gからの混信に対して保護を求められる。申請時に登記事項証明などで確認される |
| 他者土地利用 | 自己土地利用以外の形態(自分の土地でない場所で使う) | その場所で自己土地利用をする者の運用が優先される |
| 共同利用 | 1つの基地局を複数の利用者が共同で使う場合など | 2023年8月の制度改正で追加。一定の条件で、定めた区域内の他者土地を自己土地に相当するものとして扱える |
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他者土地利用で免許を受けた後に、同じ場所で自己土地利用の申請があった場合は、まず当事者どうしで干渉調整を行い、合意できなければ他者土地利用の側がアンテナの位置や向きを調整する必要があります。
工場や自治体では、どんな使い方が考えられるのか?
ローカル5Gは、「その場所の中で、決まった機器や人が、安定して使える5G」を作れるのが強みです。次は当サイトが考えた使い方の例で、特定の導入事例の紹介ではありません。
- 工場:搬送ロボットや高精細カメラを無線でつなぎ、配線を減らしてレイアウトを変えやすくする。
- 大学・研究施設:敷地内に実験用の5G網を作り、機器の検証に使う。
- 自治体・公共施設:施設内のカメラ映像を集めて、見回りの負担を減らす。
- 港湾・建設現場など:広い屋外の敷地で、重機や監視カメラを無線でつなぐ。
導入のときに確認したいのが機材の構成です。総務省は、5Gの機器には制御の信号のために4Gの基地局とコアネットワークを使う NSA 構成と、5Gだけで動く SA 構成があり、NSA の機材を使うなら4Gのネットワークを用意する必要があると注意しています。詳しくは5G SAとNSAの違いで整理しています。
そのほか、総務省のページには、自営用の IMSI(「999002」から始まる15桁)の申請、2024年9月30日の制度改正による中継局と高出力端末の利用、2025年2月28日の制度改正による海上プラットフォームへの基地局設置(4.8〜4.9GHz)なども掲載されています(2026年9月27日確認)。用途ごとに網を分ける考え方はネットワークスライシングとは、処理を利用者の近くに置く考え方はMECとはで扱います。
モバイル2級では、どの範囲で、どう問われそうか?
MCPC の公式ページの図では、モバイルシステム技術検定 2級(100問・100分・4者択一)の出題カテゴリ「モバイルシステム概要と移動体通信サービス」の比率が13%と示されています(2026年9月27日確認)。どの用語が何問出るかは公表されていません。
当サイトでは、公式テキスト『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の第2章「移動体通信サービス」がこの範囲に当たると推定しています(章名から当サイトが判断したもので、公式の対応表ではありません)。
4択での問われ方は、次のような型が考えられます。出題頻度の公式データはないため、型の整理として読んでください。
- 定義:ローカル5Gの説明として適切なものを、携帯事業者の5Gや Wi-Fi の説明と並べて選ばせる。
- 免許:免許が必要かどうか、誰が免許を受けるかを問う。
- 周波数:サブ6とミリ波の帯域の組合せを問う(数値は年とともに確認する)。
- 利用形態:自己土地利用と他者土地利用のどちらが優先されるか。
試験全体の形式はモバイルシステム技術検定2級とはにまとめています。
どこで取り違えやすいのか?
「ローカル」という語の印象から、免許や周波数の扱いを Wi-Fi と同じように考えると外しやすくなります。
| 取り違え | 正しい考え方 | 確認する問い |
|---|---|---|
| ローカル5Gは免許なしで使える | 無線局の免許が必ず必要 | 免許不要の Wi-Fi と混ぜていないか |
| ローカル5Gは携帯事業者が提供するサービス | 企業・自治体などが自ら構築する(構築の依頼も可) | 基地局を置くのは誰か |
| 他者土地利用が自己土地利用より優先 | その場所の自己土地利用が優先される | 土地の持ち主は誰か |
| ローカル5Gは SA 構成しか使えない | NSA 構成の機材もあり、その場合は4Gの網が必要 | 制御の信号をどこでやり取りするか |
| ローカル5Gは全国どこでも同じ条件 | 帯域ごと・地域ごとに使用条件がある | 使う帯域と場所に条件はないか |
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確認問題1:ローカル5Gの説明を選べるか?
ローカル5Gの説明として、最も適切なものはどれか。
- 携帯電話事業者が、全国の契約者に向けて提供する5Gの料金プランの名称
- 企業や自治体などが、自らの建物内や敷地内で免許を受けて構築する5Gシステム
- 免許を受けずに誰でも使える周波数帯で、家庭の中に構築する5Gシステム
- 衛星を使って、山間部や海上など地上の基地局がない場所へ届ける5Gシステム
正解:2。ローカル5Gは、地域の企業や自治体などが自らの建物内や敷地内で、無線局の免許を受けて構築する5Gシステムです。
1は携帯電話事業者の5Gサービスの説明で、ローカル5Gとは提供の主体が違います。3は、ローカル5Gには免許が必要な点を取り違えています。4は衛星などを使う NTN(非地上系ネットワーク)の説明に近く、ローカル5Gの定義ではありません。
確認問題2:利用形態の優先関係を答えられるか?
ローカル5Gの利用形態に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 他者土地利用の免許を先に受けていれば、後から申請された自己土地利用より常に優先される
- 自己土地利用と他者土地利用は、免許を受けた順番だけで優先関係が決まる
- 他者土地利用の無線局は、その場所で自己土地利用を行う者の運用が優先される
- 自己土地利用の無線局は、他のローカル5Gからの混信に対して保護を求められない
正解:3。他者土地利用は自分の土地でない場所でも使える形態ですが、その場所で自己土地利用を行う者の運用が優先されます。
1と2は、免許の先後で優先が決まるとしている点が誤りです。後から自己土地利用の申請があった場合、干渉調整で合意できなければ他者土地利用の側が調整します。4は逆で、自己土地利用は自己土地の中で他のローカル5Gからの混信に対して保護を求められる形態です。
確認問題3:NSA 構成で必要になるものを選べるか?
ローカル5Gで NSA(Non-Standalone)構成の機材を使う場合に、あわせて用意する必要があるものとして、最も適切なものはどれか。
- 制御の信号をやり取りするための4Gの基地局とコアネットワーク
- 5Gの電波を中継するための静止軌道の通信衛星と地上局の設備
- 免許不要の周波数帯を使う無線LANのアクセスポイントと認証装置
- 全国の携帯電話事業者と結ぶ番号ポータビリティのための設備
正解:1。NSA 構成では、制御のための信号を4Gの基地局とコアネットワークでやり取りします。総務省は、全国の事業者や地域 BWA 事業者の4G網を借りるか、自ら基地局を整備するなどして4Gの網を用意する必要があると説明しています。
2は衛星通信の設備で、NSA の要件ではありません。3の無線LANは5Gとは別の無線方式です。4の番号ポータビリティは契約者が事業者を替える際の制度で、ローカル5Gの機材構成とは関係がありません。
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よくある質問
ローカル5Gの免許は、申請からどのくらいで受けられますか?
総務省のページでは、免許申請後の標準的な処理期間を約1か月半としています(2026年9月27日確認)。近くに他の免許人がいる場合は、申請の前に干渉調整が必要になることがあります。
ローカル5Gを試しに使ってみる方法はありますか?
総務省は、電波伝搬の試験などに使えるよう、2週間程度で開設できる特定実験試験局の周波数として28GHz帯を選んでいます。使える地域や条件は総務省の告示で確認してください。
制度が始まった年は覚える必要がありますか?
年を問われる可能性はありますが、当サイトでは総務省のウェブページで確認できた改正(2023年8月の共同利用、2024年9月の中継局・高出力端末、2025年2月の海上利用)だけを書いています。開始時期を覚える場合は、総務省のガイドラインで確認してください。
出典・参考
本番と同じペースで腕試し
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