この記事の要点
- 第5章はテキストで最もページ数が多い章で、有線・無線LAN、Bluetooth Low Energy、セルラー網、LPWA、電波の特性、IoTプロトコルまでを扱う。
- 通信方式は「距離」「速度」「消費電力」「免許の有無」の4軸で表にすると混同しにくい。
- MQTTとHTTP、NB-IoTとLTE-M、周波数と到達距離の関係などが、取り違えやすい代表的なポイント。
第5章の全体像:どの節で何を学ぶ?
第5章「IoTにおける通信方式を知る」は9つの節とコラムで構成されます。表の学習ポイントは当サイトの独自の整理で、テキスト本文の要約ではありません。
| 節 | 学習ポイント(当サイトの整理) |
|---|---|
| 5-1 通信方式の概要 | 距離の広さ(PAN・LAN・WAN)で通信方式を分類する |
| 5-2 エリアネットワーク(有線) | Ethernetや産業用の有線ネットワーク |
| 5-3 エリアネットワーク(無線) | Zigbee・Wi-SUNなど近距離〜中距離の無線 |
| 5-4 無線LAN | IEEE 802.11の規格とWi-Fi 6/7の呼び方 |
| 5-5 省エネ通信方式 | Bluetooth Low Energyなど電池で長く動く近距離通信 |
| 5-6 セルラー網の仕組み | 基地局・コアネットワーク・ハンドオーバーの基本 |
| 5-7 省エネ広域通信方式 | LPWA(LoRaWAN・Sigfox・NB-IoT・LTE-M) |
| 5-8 電波の特性 | 周波数と到達距離・回り込み・通信速度の関係 |
| 5-9 IoTプロトコル | MQTT・CoAP・HTTPの使い分け |
| コラム:ローカル5G | 企業や自治体が自分の敷地で使う5G |
← 表は横にスクロールできます →
押さえる用語と対比:似た言葉をどう区別する?
| 用語A | 用語B | 見分け方 |
|---|---|---|
| Bluetooth Classic | Bluetooth Low Energy | 音声などの連続通信向けか、少量データを省電力で送る向けか |
| NB-IoT | LTE-M | どちらも3GPPの免許帯LPWA。移動中のハンドオーバーや音声に向くのはLTE-M |
| LoRaWAN | Sigfox | LoRaWANは自営網も作れる。Sigfoxは事業者の網を使う |
| MQTT | HTTP | MQTTはブローカーを介した出版・購読型で軽量。HTTPは要求・応答型 |
| MQTT | CoAP | MQTTは主にTCP上、CoAPはUDP上で動くREST型のプロトコル |
| 低い周波数 | 高い周波数 | 低いほど遠くへ届き回り込みやすい。高いほど広い帯域で高速だが届きにくい |
| TCP | UDP | 確認と再送で確実に届けるか、手順を省いて軽く速く送るか |
← 表は横にスクロールできます →
LPWAの詳しい比較はLPWAの比較、BLEはBluetoothとBLE、MQTTはMQTTとはで扱っています。
間違えやすい点:どこで点を落としやすい?
| 誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| LPWAは1つの規格の名前 | 低消費電力・広域の通信方式の総称で、複数の規格を含む |
| NB-IoTは移動中の通信に強い | 移動中の接続維持(ハンドオーバー)に向くのはLTE-M |
| MQTTでは端末同士が直接通信する | 送信側と受信側の間にブローカーが入り、トピックで配信する |
| 周波数が高いほど遠くへ届く | 一般に周波数が高いほど減衰が大きく、障害物の影響も受けやすい |
| ローカル5Gは携帯電話会社だけが使う | 企業や自治体などが免許を受けて自営で構築できる |
← 表は横にスクロールできます →
通信方式を選ぶときの判断の軸は?
第5章の方式は数が多いので、用途から方式を選ぶ手順を身につけると、個々の規格名を覚えやすくなります。当サイトでは次の順に考えることをすすめます。まず「どのくらいの距離か」でPAN(数m)・LAN(建物内)・WAN(広域)に分けます。次に「電池で動かすか」で省電力の方式に絞ります。最後に「移動するか」「どれだけのデータ量か」で候補を1つにします。
たとえば、部屋の温度を数分おきにスマートフォンへ送るならBLE、工場内の多数のセンサを中継し合ってつなぐならZigbeeなどのメッシュ型、屋外に点在する水位計から1日数回データを送るならLPWA、監視カメラの映像を送るなら無線LANや5G、という具合です。距離・電力・移動・データ量の4つを問題文から読み取る練習をすると、選択肢を速く絞れます。
LPWAは免許の有無で2つに分かれます。LoRaWANやSigfoxは日本では免許不要の920MHz帯を使い、NB-IoTとLTE-Mは3GPPがRelease 13で規定した、携帯電話事業者の周波数を使う方式です。この分け方を押さえると、「自営網を作れるか」「移動に向くか」といった問いにも対応しやすくなります。
IoTプロトコルは、MQTTが「ブローカーを介した出版・購読型」、CoAPが「UDP上で動くREST型」、HTTPが「Webで使う要求・応答型」と、一言で言えるようにしておきましょう。MQTTはOASISの標準で、トピックという宛先の名前でメッセージを配ります。
学習の順番と時間の目安は?
以下は当サイトの目安で、公式の推奨ではありません。
- 5-1と5-8で分類の軸と電波の性質を先に押さえる(約1時間)
- 5-2〜5-5で近距離の方式を表にまとめる(約2時間)
- 5-6と5-7でセルラーとLPWAを比較する(約1.5時間)
- 5-9でMQTT・CoAP・HTTPの違いを整理する(約1時間)
- 問題演習で数値と組合せを確認する(約1.5時間)
合計で約7時間が目安です。範囲が広い章なので、2〜3日に分けると負担が減ります。問題形式で確かめたい方はIoT基礎の無料お試しも使えます。
具体例で確かめる:要件から通信方式を選ぶと?
よくあるミスは、「LPWAは省電力で遠くまで届くから何にでも使える」と考えることです。LPWAは通信速度が低いため、映像のような大きなデータには向きません。要件を距離・データ量・移動の有無で分けると選びやすくなります(当サイトの整理)。
| 要件の例 | 向く方式 | 理由 |
|---|---|---|
| スマートフォンと体温計をつなぐ | BLE | 近距離・低消費電力でスマートフォンが標準対応 |
| 山間の水位計が1日数回値を送る | LoRaWANなどのLPWA | 長距離・省電力で少量のデータに向く |
| 配送車の位置を送り続ける | LTE-M | 移動中の基地局の切り替えに対応 |
| 店内の防犯カメラ映像を送る | 無線LAN | 近距離で大容量の伝送に向く |
← 表は横にスクロールできます →
確認問題1:MQTTの特徴は?
MQTTの説明として、最も適切なものはどれか。
- 端末の位置を衛星の電波から求めるための方式
- ブラウザがWebページを取得する要求応答の方式
- ブローカーを介した出版・購読型の軽量な方式
- 無線LANの暗号化と認証を行うための方式
正解:3。MQTTはOASISで標準化された出版・購読型のプロトコルで、ヘッダが小さく端末の負担が軽いのが特徴です。
2はHTTPの説明です。1はGNSSの説明です。4はWPA3などの無線LANセキュリティの説明です。
確認問題2:移動体に向くLPWAは?
走行中のトラックから位置情報を送る用途に、最も向くLPWAはどれか。
- LTE-M
- NB-IoT
- Sigfox
- Zigbee
正解:1。LTE-Mはハンドオーバーに対応し、移動しながらの通信に向きます。
2のNB-IoTは固定設置の用途が中心です。3のSigfoxは送れるデータ量が小さく、移動中の接続維持を想定した方式ではありません。4のZigbeeは近距離の無線で、LPWAではありません。
確認問題3:周波数と電波の性質は?
一般的な電波の性質として、最も適切なものはどれか。
- 周波数が高いほど障害物を回り込みやすい
- 周波数が低いほど遠くまで届きやすい
- 周波数が低いほど大量のデータを送りやすい
- 周波数は到達距離にまったく影響しない
正解:2。低い周波数は減衰が小さく、建物の陰にも回り込みやすい性質があります。
1は逆で、高い周波数ほど直進性が強く回り込みにくくなります。3も逆で、高い周波数帯ほど広い帯域を確保しやすく高速化に向きます。4は、周波数が距離に影響するため誤りです。
よくある質問
無線LANの規格名(802.11ax など)は覚えるべきですか?
Wi-Fi 6がIEEE 802.11ax、Wi-Fi 7がIEEE 802.11beというように、世代の呼び名と規格名の対応は押さえておくと安心です。IEEEの規格ページでは802.11axが2021年、802.11beが2024年に承認されています。当サイトでは、細かい最大速度よりも、新しい世代ほど多数の端末の同時接続や効率の改善が進んでいる、という大きな流れを優先して覚えることをすすめています。
規格の数値(速度など)は覚える必要がありますか?
当サイトでは、細かい最大値より「どちらが速いか・遠いか」の大小関係を優先して覚えることをすすめています。数値は規格のバージョンで変わるため、テキストの表記に合わせてください。
第5章は中級でも出ますか?
通信方式は中級でも扱う分野です。中級の範囲はIoT検定 基礎と中級の違いで比べています。
TCPとUDPの違いはどこで学べますか?
TCPとUDPの違いで、IoTプロトコルとの関係を含めて整理しています。
出典・参考
- [1]MCPC IoTシステム技術検定[基礎](確認 2026-09-27)
- [2]インプレス『IoT技術テキスト 基礎編 改訂4版』書誌ページ(確認 2026-09-27)
- [3]OASIS MQTT Version 5.0(2019年3月、2026年9月27日確認)
- [4]RFC 7252 The Constrained Application Protocol (CoAP)(2014年6月、2026年9月27日確認)
- [5]3GPP Release 13(確認 2026-09-27)
- [6]IEEE 802.11ax-2021(2021年2月9日承認)
- [7]IEEE 802.11be-2024(2024年9月26日承認)
- [8]Bluetooth SIG: Bluetooth Technology Overview(2026年9月27日確認)
本番と同じペースで腕試し
記事の次は、本番形式の問題で。
公式の出題カテゴリの比率どおりに組んだ無料お試しを、登録不要・カード不要で解けます。続きの模試と章別ドリルは買い切りで、月額はかかりません。
あわせて読みたい
当サイトは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)とは関係のない個人が運営する非公式の学習教材です。掲載している問題はすべて当サイトのオリジナルで、実際の試験問題・過去問題・再現問題ではありません。試験の日程・受検料・出題範囲は公式サイト(https://www.mcpc-jp.org/license/ )で必ず確認してください。合格を保証するものではありません。合格の目安は当サイトの推定です。技術・制度の記述は「最終確認日」時点のものです。