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NB-IoTとLTE-Mの違い|IoT中級で問われる点

NB-IoTとLTE-Mの違いを、帯域・速度・移動・音声の比較表と、電池を長持ちさせるPSM・eDRXの仕組みで整理。衛星経由のNTN対応やIoT中級で取り違えやすい点の表、全選択肢を解説した独自の確認問題3問も載せています。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • NB-IoTとLTE-Mは、どちらも3GPPがRelease 13で規定したIoT向けの携帯電話方式。携帯事業者の免許帯で提供されるLPWA。
  • 違いは「帯域と速度」と「移動・音声」。LTE-Mは1.4MHz幅で最大1Mbps(Release 13)、ハンドオーバーとVoLTEに対応。NB-IoTは約200kHz幅で下り最大26kbps(同)と、さらに低速・狭帯域。
  • 電池を長持ちさせる機能がPSM(網に登録したまま深く休む)とeDRX(呼び出しを確認する間隔を延ばす)。両方とも「着信にすぐ応えない時間」を作って電力を節約する。
  • 衛星などを使うNTNへの対応は、NB-IoT・eMTC(LTE-M)でRelease 17〜18に規定された。

NB-IoTとLTE-Mとは?一言でいうと?

NB-IoT(Narrowband IoT)とLTE-M(eMTC、LTE Cat-M1など)は、LTEの仕組みをIoT向けに細く・省電力にした携帯電話の方式です。3GPPは2016年6月、NB-IoTの標準化完了を発表し、Release 13(LTE-Advanced Pro)でIoT向けにNB-IoT・eMTC・EC-GSM-IoTの3つの技術をそろえたと説明しています(2026年9月27日確認)。

LoRaWANやSigfoxと違い、携帯電話事業者の免許帯で、事業者の基地局を使って通信します。自分でゲートウェイを置く必要はありませんが、使える場所は事業者の提供エリアに左右されます。

2つの違いを一言でいうと、LTE-Mは「動けて話せるIoT回線」、NB-IoTは「動かず少量だけ送るIoT回線」です。KCCSの整理(2020年5月時点)でも、LTE-Mはハンドオーバー機能を持ち移動体通信が可能、NB-IoTはLTE-Mよりさらに狭い周波数を使い、通信速度が遅く、ハンドオーバー機能がない、とされています。

帯域・速度・移動・音声はどう違う?比較表

数値は規格のRelease(版)で変わります。ここではRelease 13の値を中心に、後の版での拡張を併記します。

NB-IoTとLTE-Mの比較(3GPP・ローデ・シュワルツ・Telenor・KCCSの公開資料より。2026年9月時点)
比較軸NB-IoTLTE-M
規定された版Release 13(2016年6月に標準化完了)Release 13(帯域を絞った低複雑度端末として規定)
使う帯域幅約200kHzの狭い帯域1.4MHz(Cat-M1)。Release 14のCat-M2は5MHzも使える
速度の目安下り最大26kbps(Release 13)、127kbps(Release 14)最大1Mbps(Release 13)、4Mbps(Release 14)
移動(ハンドオーバー)なし(移動しながらの通信は不得意)あり(移動中もデータ通信を続けられる)
音声音声通話は想定しないVoLTEに対応できる
向く用途の例水道・ガスのメーター、据え置きのセンサ車両や荷物の追跡、ウェアラブル、見守り端末

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どちらも、電波を何度も繰り返して送るなどの工夫でカバレッジ(届く範囲)を広げ、LTEより屋内の奥まで届くように作られています。ローデ・シュワルツは、LTE-Mの周波数ホッピングやサブフレームの繰り返し(CEモードA/B)をその例に挙げています。

速度はピーク値で、実際の値は事業者の提供条件や電波環境で変わります。検定の学習では、数値の暗記より「LTE-Mのほうが帯域が広く速い」「NB-IoTはさらに狭帯域・低速」という大小関係を優先してください。

電池はなぜ長持ちする?PSMとeDRXの仕組み

携帯電話の端末は、着信(呼び出し=ページング)に備えて定期的に受信を確認しています。IoTの機器にとって、この「待ち受け」の電力が電池寿命を縮める大きな原因です。NB-IoTとLTE-Mでは、待ち受けを減らす2つの機能が使われます。ローデ・シュワルツは、PSM、eDRX、RAIといった省電力機能で10年を超える電池寿命を目指すと説明しています。

PSMとeDRXの違い(当サイトの整理)
項目PSM(Power Saving Mode)eDRX(extended Discontinuous Reception)
何をするか網に登録したまま、電源を切ったのに近い深い休止に入る呼び出しを確認する間隔(受信の間隔)を長く延ばす
休止中の着信受けられない。端末が次に自分から通信するまで待つ次の確認のタイミングまで遅れるが、受けられる
起きるきっかけ端末からのデータ送信や、定期的な位置登録設定した間隔ごとの受信確認
向く用途1日に数回だけ上りを送るメーターやセンサ多少遅れてもよいので下りの指示を受けたい機器
共通点網との再接続の手続きを省き、待ち受けの電力を減らす同左

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ポイントは、PSMは「着信を捨てる代わりに最も眠る」、eDRXは「着信を遅らせて眠る時間を増やす」という違いです。どちらも、サーバから端末へすぐに指示を届けたい用途とは相性がよくありません。どの程度眠るかは、端末と網の間で決めた設定値で変わります。

衛星経由のNTNにも対応している?

3GPPのNTN(非地上系ネットワーク)の解説によると、NTNの規定が初めて入ったのはRelease 17です。NB-IoTとeMTC(LTE-M)をNTN経由で使う作業もRelease 17で規定され、無線の性能要件はRelease 18で補われました(2026年9月27日確認)。3GPPはRelease 19で、衛星の通過時にデータを預かって後で届けるStore & Forwardの作業も進めています。

衛星が常に真上にいない構成では、端末が決まった時間・場所でしか網につながらないことがあります。3GPPは、こうした途切れがちなカバレッジでの省電力や、つながらない期間の扱いも規定の対象にしています。山間部や海上のセンサを携帯方式でつなぐ手段として、今後の出題の背景知識になりえます。

IoT中級ではどこで、どう問われる?

NB-IoTとLTE-Mは、IoTシステム技術検定 中級の出題カテゴリ「センサ/アクチュエータ技術と通信方式(デバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル)」に入ります。公式ページの図では比率が25〜30%です(MCPC公式ページ、2026年9月27日確認)。公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』では第4章「IoT通信方式」に当たる範囲です(章とカテゴリの対応は当サイトの推定)。

個別の方式の出題数は公表されていません。4択の問われ方としては、次の観点が考えられます(当サイトの予想で、出題の再現ではありません)。

  • 移動・音声・速度の条件に合うのはどちらかを選ぶ
  • PSMとeDRXの説明を入れ替えた選択肢を見抜く
  • 3GPPで標準化された免許帯の方式か、免許不要の方式かを区別する
  • 衛星経由の接続(NTN)を規定した3GPPの版を問う

IoTの通信は「小さく・多く・上り中心」という性質があり、それがNB-IoTやLTE-Mの設計の理由になっています。その背景は IoTの通信トラフィックの特性 で扱います。

どこで取り違えやすい?つまずき別の見直し表

取り違え正しい整理見直す手がかり
NB-IoTのほうが速いと思う帯域が広く速いのはLTE-M。NB-IoTは約200kHzでさらに低速NB=Narrowband(狭帯域)
NB-IoTも移動中に使えると思うハンドオーバーがあるのはLTE-M「車両」「追跡」「移動」ならLTE-M
PSM中も着信を受けられると思うPSMの休止中は着信に応えない。受けるのは次に起きたとき着信を遅らせるのはeDRX、応えないのはPSM
NB-IoTを免許不要のLPWAに分類するNB-IoTとLTE-Mは携帯事業者の免許帯3GPPの規格なら免許帯
NTNは5G(NR)だけの話だと思うNB-IoT・eMTCのNTNもRelease 17〜18で規定IoT NTNという言葉ごと覚える

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免許不要の方式も含めた4方式の比較は LPWAの比較、自営網を作れるLoRaWANは LoRaWANとは で確認してください。

確認問題1:移動する見守り端末に合うのは?

子どもが持ち歩く見守り端末に、位置の送信と保護者との音声通話の機能を持たせたい。携帯事業者のIoT向け回線から選ぶ場合、最も適切なものはどれか。

  1. 約200kHz幅で動くNB-IoT
  2. 1.4MHz幅で動くLTE-M
  3. 920MHz帯で動くSigfox
  4. 920MHz帯で動くLoRaWAN

正解:2。LTE-Mはハンドオーバーに対応して移動中も通信を続けられ、VoLTEによる音声にも対応できます。

1のNB-IoTはハンドオーバー機能がなく、音声にも対応しないため条件に合いません。3と4は免許不要帯のLPWAで、そもそも「携帯事業者のIoT向け回線」という条件から外れます。加えて、どちらも音声通話を想定した方式ではありません。

確認問題2:PSMの説明として正しいのは?

NB-IoTやLTE-Mで使われるPSM(Power Saving Mode)の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 呼び出しを確認する間隔を延ばし、着信を少し遅れて受ける
  2. 網に登録したまま深く休止し、その間は着信に応えない
  3. 基地局をまたいでも通信を切らさずに引き継ぐ
  4. 同じデータを何度も繰り返し送り、届く範囲を広げる

正解:2。PSMは、網への登録を保ったまま電源を切ったのに近い状態で休み、端末が次に自分から通信するまで着信に応えません。再接続の手続きを省けるのも特徴です。

1は呼び出しの確認間隔を延ばすeDRXの説明です。3は移動中の通信を支えるハンドオーバーの説明で、省電力の機能ではありません。4はカバレッジを広げる工夫(繰り返し送信)の説明で、PSMとは目的が違います。

確認問題3:NTNを初めて規定した3GPPの版は?

3GPPで、衛星などを使うNTN(非地上系ネットワーク)の規定が初めて盛り込まれたリリースとして、最も適切なものはどれか。

  1. Release 13
  2. Release 15
  3. Release 17
  4. Release 19

正解:3。3GPPは、Release 17をNTNの規定を初めて含むリリースとしています。NB-IoT・eMTCのNTN対応もRelease 17で規定され、Release 18で性能要件が補われました。

1のRelease 13はNB-IoTとeMTCが規定された版で、NTNではありません。2のRelease 15は、3GPPが「最初の完全な5G標準」と位置づける版ですが、NTNの規定は入っていません。4のRelease 19は、IoT NTNの第3段階としてStore & Forwardなどの拡張を扱う版で、最初の規定ではありません。

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よくある質問

LTE-MとLTE Cat-M1は同じものですか?

LTE-Mは3GPPのeMTCを指す呼び方で、Release 13で規定された端末カテゴリがCat-M1です。Release 14では帯域を5MHzまで使えるCat-M2が加わりました。検定の学習では「LTE-M=eMTC、最初のカテゴリがCat-M1」と対応づけておけば十分です。

NB-IoTとLTE-Mは5Gの時代にも使われますか?

3GPPはNB-IoTとeMTCを衛星経由でも使えるようにする作業をRelease 17以降で進めており、規格としての拡張は続いています。国内の各事業者の提供状況は変わりうるため、最新の提供エリアや新規受付の有無は各事業者の公式ページで確認してください。

PSMとeDRXは同時に使えますか?

どちらも端末と網の間で設定を決めて使う機能で、組み合わせて使う設計もあります。検定では、それぞれの動きの違い(応えない休止か、確認の間隔を延ばすか)を区別できることが先です。

出典・参考

  1. [1]MCPC IoTシステム技術検定 中級(出題カテゴリと比率。2026年9月27日確認)
  2. [2]3GPP: Standardization of NB-IOT completed(2016年6月。2026年9月27日確認)
  3. [3]3GPP: NTN overview(2026年9月27日確認)
  4. [4]3GPP: Release 15(2026年9月27日確認)
  5. [5]Rohde & Schwarz: LTE-M(2026年9月27日確認)
  6. [6]Telenor IoT: LTE-M vs NB-IoT(2026年9月27日確認)
  7. [7]KCCS「LPWAとは」(2026年9月27日確認)

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