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LoRaWANとは|仕組みとIoT中級で問われる点

LoRaWANとは何かを、LoRa(変調方式)との違い、Class A・B・Cの受信の仕方、ゲートウェイとネットワークサーバの役割に分けて整理。IoT中級で取り違えやすい点の表と、全選択肢を解説した独自の確認問題3問で理解を確かめられます。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • LoRaWANは、電池で動く機器を広い範囲でインターネットにつなぐためのLPWAのネットワーク仕様。LoRa Allianceが管理し、日本では免許不要の920MHz帯で使われる。
  • LoRaは電波の変調方式(物理層)、LoRaWANはその上で動くプロトコル(MAC層以上)。名前が似ているが層が違う。
  • 端末はClass A・B・Cの3種類。全端末が必須のClass Aが最も省電力で、Class Cは受信を開き続けるため電力を多く使う。
  • 構成は「端末→ゲートウェイ→ネットワークサーバ→アプリケーションサーバ」のスター・オブ・スターズ。端末は特定のゲートウェイに属さない。

LoRaWANとは?一言でいうと?

LoRaWANは、電池で動く「モノ」を、無線で広い範囲からインターネットにつなぐためのLPWAのネットワーク仕様です。LoRa Allianceは、LoRaWANを電池駆動の機器をインターネットにつなぐLPWAのネットワーク仕様と説明し、郊外で最大15km程度の通信、10年以上の電池寿命、免許不要のISMバンドの利用を特徴に挙げています(2026年9月27日確認)。

日本では、LoRaWANは免許不要の920MHz帯を使うLPWAの1つです。KCCSの整理(2020年5月時点)では、ユーザーがゲートウェイ(親機)を置けば半径数kmの子機と自営の無線ネットワークを作れる方式とされ、ソラコムやセンスウェイなどがサービスを提供しています。

仕様はLoRa Allianceが公開しており、2026年9月時点の基本仕様はTS001-1.0.4「LoRaWAN L2 1.0.4」です。LoRa Allianceは、LoRaWANがITUに承認された国際標準であるとも説明しています。

LPWAのほかの方式(Sigfox・NB-IoT・LTE-M)との比較は LPWAの比較 にまとめています。この記事はLoRaWANの内部の仕組みに絞ります。

LoRaとLoRaWANは何が違う?

もっとも混同しやすいのがこの2語です。Semtechは、LoRaをチャープ拡散(CSS)から派生したスペクトラム拡散の変調技術と説明し、「LoRaはSemtechが開発したシリコン(半導体)で、LoRaWANはLoRa Allianceが管理する相互接続のための標準」と区別しています。

LoRaとLoRaWANの違い(Semtech・LoRa Allianceの説明をもとに当サイトで整理)
項目LoRaLoRaWAN
何か無線の変調方式(電波にデータを載せる方法)ネットワークのプロトコル(通信の手順と構成の決まり)
層物理層MAC層以上(物理層にLoRaを使う)
決めている主体Semtech(技術・チップ)LoRa Alliance(仕様の管理)
決めていること長距離・低消費電力で届く電波の作り方端末のクラス、ゲートウェイとサーバの役割、参加(アクティベーション)、暗号化
覚え方電波の「話し方」ネットワークの「ルール」

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LoRaの変調だけを使い、LoRaWANを使わずに独自の通信手順で機器どうしを結ぶことも技術的には可能です。そのため、「LoRa=LoRaWAN」とする選択肢は誤りと判断できます。

Class A・B・Cは何が違う?

LoRaWANの端末は、下り(サーバから端末へ)のデータをいつ受け取れるかで3つのクラスに分かれます。The Things Network(LoRaWANネットワークを運営するThe Things Industriesの技術資料)では、次のように説明されています。

LoRaWANの端末クラス(The Things Network の説明をもとに整理)
クラス下りを受け取れるタイミング消費電力向く用途の例
Class A上り送信の直後に開く2回の短い受信窓だけ最も少ない電池で動くセンサ(定期送信)
Class BClass Aに加え、ゲートウェイが定期的に送るビーコンで時刻をそろえ、決まった時刻に受信窓(ピングスロット)を開く中間ある程度の遅れで下りの指示を受けたい機器
Class CClass Aに加え、上り送信中以外は受信窓を開き続ける最も多い(電源につなぐことが多い)すぐに遠隔操作したい機器

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ポイントは、すべての端末がClass Aに対応しなければならないことです。Class BとCは、Class Aの動きに受信の機会を足した拡張です。「Class Cは電池で10年動かす用途に向く」のような選択肢は、受信を開き続けるという性質と矛盾します。

ゲートウェイとネットワークサーバは何をする?

ネットワークの構成は、LoRa Allianceがスター・オブ・スターズと呼ぶ形です。端末からアプリケーションまで、次の要素がデータを受け渡します。

  • 端末(エンドデバイス):センサなど。LoRaの電波で上りを送る
  • ゲートウェイ:受け取った電波をIPのパケットに変え、携帯回線・Wi-Fi・イーサネットなどのバックホールでネットワークサーバへ転送する
  • ネットワークサーバ:複数のゲートウェイが同じ電波を受けたときに重複を取り除き(重複排除)、網全体を管理する
  • ジョインサーバ:端末の参加(アクティベーション)を助け、鍵を管理する
  • アプリケーションサーバ:端末から届いたデータを用途ごとに処理する

セキュリティと参加の仕方は?

LoRaWANの端末はALOHA方式で送信するため、特定のゲートウェイと接続を結ばないのが特徴です。圏内のゲートウェイならどれが受けてもよく、同じ電波を複数のゲートウェイが受けた場合はネットワークサーバが1つにまとめます。携帯電話のような基地局ごとの接続切り替え(ハンドオーバー)を前提にしない設計、と理解しておくと他方式と比べやすくなります。

暗号にはAES-128を使い、網の側で使うネットワークセッション鍵(NwkSKey)と、データ本体を暗号化するアプリケーションセッション鍵(AppSKey)を分けています。データ本体は端末とアプリケーションサーバの間で暗号化されるため、途中のゲートウェイやネットワークサーバは中身を読めません(The Things Networkの説明)。

端末を網に参加させる方法は2つあります。OTAA(Over-The-Air Activation)は参加手続きのたびに新しいセッション鍵を作る方式、ABP(Activation By Personalization)はあらかじめ決めた鍵を書き込んでおく方式です。フレームカウンタで古い通信の再送(リプレイ攻撃)を見分けます。

IoT中級ではどこで、どう問われる?

LoRaWANは、IoTシステム技術検定 中級の出題カテゴリ「センサ/アクチュエータ技術と通信方式(デバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル)」に入ります。公式ページの図では比率が25〜30%です(MCPC公式ページ、2026年9月27日確認)。公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』では第4章「IoT通信方式」に当たる範囲です(章とカテゴリの対応は当サイトの推定)。

LoRaWANだけで何問出るかは公表されていません。4択では、次のような観点が考えられます(当サイトの予想で、実際の出題の再現ではありません)。

  • LoRaとLoRaWANの層の違い、LoRa Allianceとの対応
  • Class A・B・Cの受信の仕方と消費電力の大小
  • ゲートウェイ・ネットワークサーバ・アプリケーションサーバの役割の組合せ
  • 免許不要帯を使い、自営網を作れるというLPWAとしての位置づけ

電池で長く動かす設計は、環境の光や振動から電力を得る エナジーハーベスティング と組み合わせて問われることも考えられます。試験の形式は IoT中級の概要 で確認できます。

どこで取り違えやすい?つまずき別の見直し表

取り違え正しい整理見直す手がかり
LoRaとLoRaWANを同じ層と考えるLoRaは物理層の変調、LoRaWANはMAC層以上のプロトコル「変調」ならLoRa、「クラス・サーバ・鍵」ならLoRaWAN
Class Cが最も省電力だと思うClass Cは受信を開き続けるので最も電力を使う。最も省電力はClass A「受信窓をいつ開くか」で並べる
Class Bは任意の時刻に受信できると思うビーコンで時刻をそろえ、決まったピングスロットだけ受信するClass B=ビーコン+ピングスロット
端末は1つのゲートウェイに接続すると思う端末は特定のゲートウェイに属さず、重複はネットワークサーバが除く重複排除をするのはネットワークサーバ
LoRaWANは免許が必要だと思う日本では免許不要の920MHz帯を使う免許ありはNB-IoT・LTE-M(3GPP)

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携帯電話の網を使う方式との違いは NB-IoTとLTE-Mの違い で確認してください。

確認問題1:Class Aの端末はいつ下りを受け取る?

LoRaWANのClass Aの端末が、サーバからの下りデータを受け取れるタイミングとして、最も適切なものはどれか。

  1. ビーコンで同期した一定周期の受信枠
  2. 上り送信の直後に開く2回の受信窓
  3. 送信中を除いて常に開いている受信窓
  4. ゲートウェイが指定した任意の時刻

正解:2。Class Aの端末は、上りを送った直後に短い受信窓を2回開き、そのときだけ下りを受け取ります。受信の機会を最小限にすることで、最も省電力になります。

1はビーコンとピングスロットを使うClass Bの説明です。3は受信窓を開き続けるClass Cの説明です。4のように任意の時刻に受信できる仕組みはClass Aにはなく、下りは端末の送信をきっかけにしか届きません。

確認問題2:LoRaWANの構成要素の役割は?

LoRaWANのネットワークで、複数のゲートウェイが受信した同じメッセージの重複を取り除く役割を持つものはどれか。

  1. エンドデバイス
  2. ゲートウェイ
  3. ネットワークサーバ
  4. アプリケーションサーバ

正解:3。端末は特定のゲートウェイに属さないため、同じ電波を複数のゲートウェイが受けることがあります。これらを受け取ったネットワークサーバが1つを残して重複を取り除きます。

1のエンドデバイスはデータを送る側で、受信側の重複は扱いません。2のゲートウェイは受信した電波をIPパケットに変えて転送するだけで、他のゲートウェイの受信状況は知りません。4のアプリケーションサーバは、重複を除いた後のデータを用途ごとに処理する役割です。

確認問題3:LoRaとLoRaWANの説明で正しいのは?

LoRaとLoRaWANに関する説明として、最も適切なものはどれか。

  1. LoRaは携帯電話の周波数を使う3GPPの規格である
  2. LoRaWANは物理層で使う変調方式そのものの名前である
  3. LoRaは変調方式、LoRaWANはその上のプロトコル
  4. LoRaWANは免許が必要な周波数だけで運用される

正解:3。LoRaはチャープ拡散から派生した変調方式(物理層)で、LoRaWANはそれを使うネットワークのプロトコルです。

1は3GPPのNB-IoTやLTE-Mの説明と混同しています。LoRaは免許不要のISMバンドで使われます。2は層が逆で、変調方式はLoRaの側です。4は誤りで、日本のLoRaWANは免許不要の920MHz帯で使われます。

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よくある質問

LoRaWANを使うのに無線の免許は要りますか?

日本では免許不要の920MHz帯を使うため、無線局の免許は要りません。ただし、技術基準適合証明(技適)などを受けた機器を使う必要があります。機器を選ぶときは、日本の電波法に適合した製品かどうかを確認してください。

LoRaWANは移動する機器に使えますか?

端末は特定のゲートウェイと接続を結ばないため、移動先で別のゲートウェイが受信すれば届きます。ただし、移動する範囲にゲートウェイが置かれていることが前提です。広い範囲を移動しながら確実につなぎたい場合は、携帯網を使うLTE-Mも比較対象になります。

OTAAとABPはどちらを選べばいいですか?

OTAAは参加のたびに新しいセッション鍵を作るため、鍵を固定するABPより安全性を保ちやすい方式です。ABPは参加手続きが不要な反面、フレームカウンタの扱いなど運用上の注意が増えます。検定の学習では「鍵を毎回作るのがOTAA」と区別できれば十分です。

出典・参考

  1. [1]MCPC IoTシステム技術検定 中級(出題カテゴリと比率。2026年9月27日確認)
  2. [2]LoRa Alliance: About LoRaWAN(2026年9月27日確認)
  3. [3]LoRa Alliance: TS001-1.0.4 LoRaWAN L2 1.0.4 Specification(2026年9月27日確認)
  4. [4]Semtech: What is LoRa?(2026年9月27日確認)
  5. [5]The Things Network: Device Classes(2026年9月27日確認)
  6. [6]The Things Network: LoRaWAN Architecture(2026年9月27日確認)
  7. [7]The Things Network: Security(2026年9月27日確認)
  8. [8]KCCS「LPWAとは」(2026年9月27日確認)
  9. [9]総務省 電波利用ポータル「免許を要しない無線局」(2026年9月27日確認)
  10. [10]総務省 電波利用ポータル「技適マークのQ&A」(2026年9月27日確認)

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