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加速度・ジャイロ・地磁気センサの違い|IoT中級

加速度センサとジャイロセンサの違いを、測る量・単位・静止時の出力・弱点の比較表で整理。地磁気センサを加えたIMUとセンサフュージョンで姿勢を求める仕組み、IoT中級の独自確認問題3問と全選択肢の解説つきです。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • 加速度センサは「速さの変わり方(重力を含む)」、ジャイロセンサは「回る速さ(角速度)」、地磁気センサは「磁場の向きと強さ」を測る。Android の公式ドキュメントでは単位をそれぞれ m/s²、rad/s、μT としている(2026年9月確認)。
  • 静止していても加速度センサは重力の約9.8m/s²を出す。この性質で傾きが分かる。
  • ジャイロは角速度を積分して角度を求めるため、時間とともに誤差(ドリフト)がたまる。加速度で傾きを、地磁気で方位を補うのがセンサフュージョン。
  • 3軸加速度+3軸ジャイロが6軸IMU、地磁気を加えて9軸と呼ばれる。
  • IoT中級では「センサ/アクチュエータ技術と通信方式」(25〜30%、2026年9月27日確認)に当たる。

加速度・ジャイロ・地磁気センサとは?一言でいうと

3つとも「物の動きや向き」を数値にするセンサですが、測っている量がまったく違います。加速度センサは速さの変わり方、ジャイロセンサは回る速さ、地磁気センサは磁場です。

IoTでは、機械の振動の監視、作業者の転倒の検知、ドローンやロボットの姿勢の制御、物流の荷物の衝撃の記録などに使われます。多くは半導体の加工で作る小さな部品(MEMS)で、たとえば TDK の ICM-42688-P は3軸ジャイロと3軸加速度を1つにまとめた6軸のMEMS部品です(2026年9月27日確認)。

スマートフォンに載っているセンサの一覧はスマホのセンサとはで扱っているので、この記事では3つの違いと、組み合わせて姿勢を求める考え方に絞ります。

3つのセンサは何が違う?比較表で見る

加速度・ジャイロ・地磁気センサの比較(単位は Android 公式ドキュメントの表記、当サイトの整理)
項目加速度センサジャイロセンサ地磁気センサ
測る量加速度(重力を含む)角速度(回転の速さ)磁場の強さと向き
単位m/s²(製品仕様では g も使う)rad/s(製品仕様では dps=度/秒も使う)μT(マイクロテスラ)
静止時の出力重力の約9.8m/s²が出る理想は0だが、ずれ(バイアス)が残る地球の磁場と周りの磁場が出る
分かること傾き、振動、衝撃、歩数回転の速さ、短時間の向きの変化方位(どちらを向いているか)
弱点動いているときは重力と動きの加速度が混ざる積分するとドリフトがたまる鉄やモーターなど周りの磁場で乱れる
代表的な検出の仕組み可動の重りの変位を静電容量で読む(MEMS)振動する構造に働くコリオリ力を読む(MEMS)ホール効果や磁気抵抗(TMRなど)

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Android の公式ドキュメントでは、机の上に静止した端末の加速度センサは重力の約9.81m/s²を示すと説明されています。重力を除いた「動きだけの加速度」は、加速度から重力の成分を引いて求めます。重力のようにゆっくり変わる成分を除く処理はハイパスフィルタの一種で、ノイズとフィルタとはで解説しています。

製品仕様での測定範囲の例として、ICM-42688-P は加速度が±2〜±16g、角速度が±15.6〜±2,000dps の範囲から選べます。Bosch Sensortec の地磁気センサ BMM350 は TMR 技術を使い、±2,000μT の範囲を測ります(いずれも2026年9月27日確認)。

IMUでどうやって姿勢を求める?

IMU(慣性計測装置)は、加速度センサとジャイロセンサをまとめた計測ユニットです。3軸加速度と3軸ジャイロで6軸、3軸の地磁気センサを加えると9軸と呼ばれます。「6軸」は6個の部品ではなく、測る方向の数です。

姿勢(どちらに傾き、どちらを向いているか)を求める考え方は、次のように整理できます。

姿勢の求め方と、誤差を補うセンサ(当サイトの整理)
求めたいもの主に使うセンサ弱点補うセンサ
短時間の回転ジャイロ(角速度を積分して角度に)時間とともに誤差がたまる(ドリフト)加速度・地磁気
傾き(前後・左右)加速度(重力の向きから求める)動いている間は動きの加速度が混ざるジャイロ
方位(水平面での向き)地磁気周りの鉄や電流で乱れるジャイロ

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つまり、ジャイロは短い時間の変化に強く、加速度と地磁気は長い時間で見ると基準がずれないという、互いの弱点を補い合う関係にあります。複数のセンサの値を組み合わせて1つの推定値にすることをセンサフュージョンといい、エプソンの技術コラムでは姿勢推定にカルマンフィルタや拡張カルマンフィルタ(EKF)などの手法が使われると説明しています(2026年9月27日確認)。

Android でも、加速度と地磁気の値から回転の行列を求め、方位角・ピッチ・ロールを計算する仕組みが用意されています。加速度だけでは、重力の向きを軸にした回転(方位)が分からないことも押さえておきましょう。

設備の振動から故障の兆しを見つける使い方は予知保全とはへ。センサを小さく作る仕組みはMEMSとはで解説しています。

IoT中級ではどこで問われる?

IoTシステム技術検定 中級の公式ページに示された出題カテゴリのうち、「センサ/アクチュエータ技術と通信方式(デバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル)」25〜30% に当たります(2026年9月27日確認)。この中で慣性センサが何問出るかは公表されていません。

公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』では、第5章「IoTデバイス」に当たる範囲です。章とカテゴリの対応は当サイトの推定で、使っているのは目次の章名だけです。

4択の形としては、当サイトの作問の観点で次のようなものが考えられます(出題の傾向や頻度を示すものではありません)。

  • センサと測る量・単位の組合せを選ぶ
  • 用途(傾き・回転・方位・振動)に合うセンサを選ぶ
  • ドリフトやセンサフュージョンの説明の誤りを見つける
  • 6軸・9軸の構成として適切なものを選ぶ

試験の形式はIoTシステム技術検定 中級とはへ。合格基準は公式に非公開です。

取り違えやすい点は?

加速度・ジャイロ・地磁気センサで間違えやすい点(当サイトの整理)
つまずき正しい整理見分け方
静止していれば加速度センサの出力は0だと思う重力の約9.8m/s²(1g)が出る「重力を含む」かどうか
ジャイロは角度を直接出すと思う出すのは角速度。角度は積分して求める単位が rad/s や dps か
加速度センサだけで方位が分かると思う重力の向きからは傾きしか分からない。方位には地磁気などが要る水平面の向きを問われているか
地磁気センサはどこでも正確に北を指すと思う鉄骨・モーター・電流の磁場で乱れる。補正(キャリブレーション)が必要設置環境の記述があるか
6軸IMUは6個のセンサだと思う3軸加速度+3軸ジャイロで、軸の合計が6「軸」は測る方向の数

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確認問題1:静止時の加速度センサの値は?

水平な机の上に静止しているデバイスがある。重力を含む加速度を測る3軸加速度センサのうち、鉛直方向の軸が示す値の大きさとして最も適切なものはどれか。

  1. 0m/s²
  2. 約9.8m/s²
  3. 約1m/s²
  4. 約98m/s²

正解:2。重力を含む加速度センサは、静止していても重力の大きさ約9.8m/s²(1g)を示します。

1 は重力を除いた「線形加速度」の場合の値です。3 は「1g」の数字を m/s² と取り違えた値です。4 は重力の約10倍で、単位や桁の取り違えです。

確認問題2:ジャイロセンサの説明はどれ?

ジャイロセンサの説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 磁場の向きを測り、デバイスが向いている方位を直接求める
  2. 重力の方向を測り、デバイスの傾きを直接求めるのに使う
  3. 回転の速さを測り、積分することで回転した角度を求める
  4. 移動した距離を測り、そのまま現在の位置を直接求める

正解:3。ジャイロセンサが測るのは角速度で、角度はそれを積分して求めます。積分するため、小さなずれが時間とともにたまるドリフトが起きます。

1 は地磁気センサの説明です。2 は加速度センサで重力の向きから傾きを求める使い方の説明です。4 のように距離を直接測るセンサではなく、位置を求めるには他の情報との組合せが必要です。

確認問題3:ドリフトを補う組合せは?

ジャイロセンサだけで長い時間姿勢を求めると、角度が少しずつずれていく。このずれを補う方法の組合せとして、最も適切なものはどれか。

  1. 傾きのずれは加速度センサで、方位のずれは地磁気センサで補う
  2. 傾きのずれは地磁気センサで、方位のずれは加速度センサで補う
  3. 傾きと方位のずれを、どちらも照度センサの明るさの値で補う
  4. 傾きと方位のずれを、どちらもジャイロの測定回数を増やして補う

正解:1。加速度センサは重力の向きから傾きの基準を、地磁気センサは磁場の向きから方位の基準を与えるので、ジャイロのドリフトを補えます。

2 は役割が逆です。加速度(重力の向き)からは方位が分かりません。3 の照度センサは明るさを測るもので、姿勢の基準にはなりません。4 のように測定回数を増やしても、積分でたまるずれそのものは消えません。

確認問題のあとは何をすればいい?

迷った問題は「そのセンサの単位は何か」「静止しているとき何が出るか」の2点で見直してください。単位が分かれば、選択肢の説明が別のセンサのものかどうかをすぐに見抜けます。

他のカテゴリと混ぜて本番と同じ4択で確かめるなら、登録不要のIoT中級の無料お試し20問で全問の解説まで確認できます。

よくある質問

加速度センサで振動を測れるのはなぜですか?

振動は、物が行ったり来たりするたびに速さが変わる動きなので、加速度として現れるからです。重力のようにゆっくり変わる成分を取り除き、速く変わる成分を見れば振動の大きさや周波数が分かります。

9軸センサがあれば位置も正確に分かりますか?

姿勢(向き)は求めやすくなりますが、位置は別です。加速度を2回積分すると位置の変化になりますが、誤差が急速にたまるため、長い時間の位置にはGNSS(衛星測位)など他の情報と組み合わせるのが一般的です。

IoT中級で加速度センサやジャイロは何問出ますか?

公式に示されているのはカテゴリ単位の比率だけで(「センサ/アクチュエータ技術と通信方式」25〜30%、2026年9月27日確認)、個別のセンサの問題数は公表されていません。

出典・参考

  1. [1]MCPC IoTシステム技術検定 中級(出題カテゴリと比率、2026年9月27日確認)
  2. [2]Android Developers Motion sensors(2026年9月27日確認)
  3. [3]Android Developers Position sensors(2026年9月27日確認)
  4. [4]TDK InvenSense ICM-42688-P(2026年9月27日確認)
  5. [5]Bosch Sensortec BMM350(2026年9月27日確認)
  6. [6]エプソン 姿勢推定と姿勢制御とは?(2026年9月27日確認)
  7. [7]村田製作所 加速度センサ(2026年9月27日確認)

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