IoTの用語IoT中級

アクチュエータとは|種類とIoT中級で問われる点

アクチュエータを「電気などのエネルギーを動きや力に変える部品」と一言で定義。DCモータ・ステッピングモータ・サーボ・ソレノイド・圧電素子の比較表、センサと組むフィードバック制御、IoT中級の独自確認問題3問を解説します。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • アクチュエータとは、電気・油圧・空気圧などのエネルギーを、回転・直線の動きや力に変える部品。センサが「測る」入口なら、アクチュエータは「動かす」出口にあたる。
  • 代表はDCモータ・ステッピングモータ・サーボモータ・ソレノイド・圧電アクチュエータ。位置決めを位置センサなしで行えるのがステッピング、位置のフィードバックで制御するのがサーボ。
  • センサで結果を測り、目標との差が小さくなるように動かすのがフィードバック制御(クローズドループ)。
  • マイコンの入出力端子でモータを直接動かさず、モータドライバ(Hブリッジなど)を介し、速さはPWMで調整する。
  • IoT中級では「センサ/アクチュエータ技術と通信方式」(25〜30%、2026年9月27日確認)に当たる。

アクチュエータとは?一言でいうと

アクチュエータとは、電気の信号やエネルギーを受け取り、回す・押す・引く・開け閉めするといった物理的な動きに変える部品です。モータ、電磁弁、ロボットの関節、スマートロックの錠を動かす部品などがその例です。

IoTシステムでは、センサで測ったデータをもとにクラウドやエッジで判断し、その結果をアクチュエータで現場に返すことで、はじめて「測る」だけでなく「制御する」システムになります。ハウスの換気窓を温度に応じて開ける、異常を検知したらバルブを閉じる、といった動きです。

動かすエネルギーは電気だけではありません。大きな力が必要な建設機械やプレス機では油圧、工場の搬送や把持では空気圧のシリンダも使われます。この記事では、IoTデバイスでよく使う電気式を中心に整理します。

アクチュエータにはどんな種類がある?比較表で見る

電気式の代表的なアクチュエータの比較(当サイトの整理)
種類動き特長注意すること
DCモータ(ブラシ付き)連続した回転構造が簡単で安い。電圧やPWMで速さを変えやすいそれだけでは位置が分からない。ブラシが摩耗する
ブラシレスDCモータ連続した回転ブラシがなく長寿命。効率が高い回転に合わせて電流を切り替える駆動回路が必要
ステッピングモータパルス1つごとに決まった角度だけ回る位置センサなしで位置決めできる。1.8°(1回転200ステップ)の製品が多い負荷が大きすぎると指令どおりに回らない「脱調」が起きる
サーボモータ指令した位置・速さへ動くエンコーダなどの位置の検出を返して制御するので、正確に追従する制御の仕組みが複雑で、調整が必要
ソレノイド直線(引く・押す)電磁石で鉄心を動かす。開け閉めやロックに向く動く距離が短く、位置を細かく決めるのは苦手
圧電アクチュエータごく小さな伸び縮み電圧をかけると変形する(逆圧電効果)。応答が速く、精密動く量がとても小さい

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圧電素子は、力を加えると電荷が生じる(圧電効果)のでセンサにも、電圧を加えると変形する(逆圧電効果)のでアクチュエータにも使えます。インクジェットプリンタのヘッドや燃料噴射装置、精密な位置決めの装置などで使われています。

半導体の加工で作る微小なアクチュエータ(微小ミラーなど)もあり、MEMSとはで扱っています。工場のロボットの関節で使われる動きの制御は産業用ロボットと協働ロボットの違いへ。

センサとアクチュエータはどう組み合わせる?

アクチュエータの動かし方には、結果を測らないオープンループ制御と、センサで結果を測って動きを直すフィードバック制御(クローズドループ制御)があります。

オープンループ制御とフィードバック制御の違い(当サイトの整理)
項目オープンループ制御フィードバック制御
結果を測るか測らない。決めた量だけ動かすセンサで測り、目標との差を使う
代表例ステッピングモータでパルスの数だけ回すサーボモータ、室温を一定に保つ空調
外乱への強さ負荷や環境が変わるとずれるずれを検出して直せる
仕組み簡単センサと制御の計算が必要

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フィードバック制御はどんな順番で動く?

フィードバック制御は、次の繰り返しで動きます。ハウスの室温を25℃に保つ例(当サイトの説明用)で並べます。

  1. 目標値を決める:室温25℃。
  2. センサで測る:温度センサが現在の室温28℃を測る。
  3. 差を計算する:目標との差(偏差)は3℃。
  4. 操作量を決める:差が大きいほど換気窓を大きく開ける、のように計算する。差の大きさ・たまり具合・変化の速さを使うPID制御がよく使われる。
  5. アクチュエータで動かす:モータで換気窓を開ける。
  6. もう一度測る:室温の変化を測り、2に戻る。

マイコンからモータを動かすときの注意は?

試作では、マイコンボードからモータを動かす場面がよくあります。Raspberry Pi の公式ドキュメントは、モータを入出力端子(GPIO)に直接つながず、Hブリッジ回路やモータ制御ボードを使うよう注意しています(2026年9月27日確認)。GPIOが流せる電流は小さく、モータの大きな電流や、止めたときに生じる電圧で基板を傷めるおそれがあるからです。

  • 速さ:PWM(オンとオフを速く繰り返し、オンの時間の割合=デューティ比を変える)で、平均の電力を調整する。
  • 向き:Hブリッジで、モータに流す電流の向きを切り替える。
  • 電源:モータ用の電源をマイコンと分け、グラウンドを共通にする。

ボードごとの違いはArduinoとRaspberry Piの違いで比較しています。

IoT中級ではどこで問われる?

IoTシステム技術検定 中級の公式ページに示された出題カテゴリのうち、「センサ/アクチュエータ技術と通信方式(デバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル)」25〜30% に当たります(2026年9月27日確認)。この中でアクチュエータが何問出るかは公表されていません。

公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』では、第5章「IoTデバイス」に当たる範囲です。章とカテゴリの対応は当サイトの推定で、使っているのは目次の章名だけです。

4択の形としては、当サイトの作問の観点で次のようなものが考えられます(出題の傾向や頻度を示すものではありません)。

  • 用途(位置決め・開け閉め・微小な動き)に合うアクチュエータを選ぶ
  • ステッピングモータとサーボモータの違いを選ぶ
  • フィードバック制御の説明として適切なものを選ぶ
  • モータの駆動(PWM・Hブリッジ)についての誤りを見つける

試験の形式はIoTシステム技術検定 中級とはへ。合格基準は公式に非公開です。

取り違えやすい点は?

アクチュエータで間違えやすい点(当サイトの整理)
つまずき正しい整理見分け方
ステッピングモータは位置センサが必須だと思うパルスの数で回す角度が決まり、センサなしで位置決めできる(オープンループ)「パルス」「決まった角度」の記述
サーボはモータの形の名前だと思う位置などを検出して返す制御の仕組みを指す「フィードバック」「エンコーダ」の有無
圧電アクチュエータは大きく動かすのに向くと思う動く量はとても小さく、精密で速い動きに向く動きの大きさを問われているか
PWMは電圧そのものを連続して変えていると思うオンとオフの時間の割合で平均を変えている「デューティ比」という言葉
マイコンの端子で直接モータを回せると思うモータドライバを介して電流を流す電流の大きさ・駆動回路の記述

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確認問題1:位置センサなしで位置決めできるのは?

位置を検出するセンサを使わずに、入力するパルスの数に応じて決まった角度ずつ回転させ、位置を決めたい。最も適切なアクチュエータはどれか。

  1. ブラシ付きDCモータ:電圧を加えている間、連続して回り続ける
  2. ステッピングモータ:パルス1つごとに、決まった角度だけ回る
  3. ソレノイド:電磁石で鉄心を引き、短い距離を直線に動かす
  4. 圧電アクチュエータ:電圧に応じて、ごくわずかに伸び縮みする

正解:2。ステッピングモータは、パルスの数で回る角度が決まるため、位置センサなしでも位置決めができます。ただし負荷が大きすぎると脱調して、指令とずれることがあります。

1 のDCモータは連続して回るだけで、位置を決めるには別に位置の検出が必要です。3 のソレノイドは直線の短い動きで、回転の角度を決める用途ではありません。4 の圧電アクチュエータは動きがごく小さく、回転の位置決めには向きません。

確認問題2:フィードバック制御の説明はどれ?

フィードバック制御の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 目標値だけを使い、結果を測らずに決めた量だけ動かし続ける制御
  2. アクチュエータを止めたまま、センサの値を記録だけしておく制御
  3. センサで結果を測り、目標との差が小さくなるように動きを直す制御
  4. 結果とは関係なく、決めた周期で動かす量を毎回増やしていく制御

正解:3。フィードバック制御は、センサで測った結果と目標値の差を使って、アクチュエータの動きを直し続けます。

1 は結果を測らないオープンループ制御です。2 は記録(監視)だけで、動きを制御していません。4 は結果を使っていないので、フィードバックになっていません。

確認問題3:モータの駆動で誤りはどれ?

マイコンボードを使ってDCモータを動かす方法として、最も適切でないものはどれか。

  1. GPIOの3.3Vの出力だけで、モータの電流をすべてまかなう
  2. モータの回転の速さは、PWMのデューティ比を変えて調整する
  3. 回転の向きは、Hブリッジ回路で電流の向きを変えて切り替える
  4. モータはGPIOに直接つながず、モータドライバを介して動かす

正解:1。GPIOが流せる電流は小さく、モータの駆動には足りません。Raspberry Pi の公式ドキュメントも、モータをGPIOに直接つながないよう注意しています。

2 のPWMによる速さの調整、3 のHブリッジによる向きの切り替え、4 のモータドライバを介した駆動は、いずれも適切な方法です。

確認問題のあとは何をすればいい?

迷った問題は「どんな動き(回転・直線・微小)か」「結果を測って直すか」の2点で見直してください。アクチュエータの種類と制御の方式を分けて考えると、選択肢の取り違えが減ります。

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よくある質問

リレーはアクチュエータですか?

リレーは電磁石で接点を動かし、別の回路の電気を入れたり切ったりする部品です。中で電磁石が接点を動かす点ではソレノイドと似ていますが、役割は「電気の切り替え」です。試験では、問題文が物を動かす部品を問うているのか、回路を切り替える部品を問うているのかで判断してください。

ステッピングモータとサーボモータはどちらが正確ですか?

条件によります。ステッピングモータは簡単な仕組みで位置決めできますが、負荷が大きいと脱調してずれても気づけません。サーボモータは位置を検出して直すので、負荷が変わっても目標に追従しやすい反面、仕組みが複雑です。

IoT中級でアクチュエータは何問出ますか?

公式に示されているのはカテゴリ単位の比率だけで(「センサ/アクチュエータ技術と通信方式」25〜30%、2026年9月27日確認)、アクチュエータの問題数は公表されていません。

出典・参考

  1. [1]MCPC IoTシステム技術検定 中級(出題カテゴリと比率、2026年9月27日確認)
  2. [2]Raspberry Pi Documentation GPIO and the 40-pin header(2026年9月27日確認)
  3. [3]テキサス・インスツルメンツ DLPチップ概要(2026年9月27日確認)

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