この記事の要点
- 教材は公式テキスト『モバイル基礎テキスト 第9版』(リックテレコム、2024年9月、224頁、税込2,420円、ISBN 978-4-86594-417-4)が中心です。モバイル技術基礎検定と共通のテキストです。
- テキストの「出題範囲一覧」の表で、実務検定は3-2〜3-6(電波の性質、FDMA/TDMA、CDMA/OFDM、3G、4G)が範囲外です。ここは後回しにして、読む量を減らします。
- 厚く読むのは、販売の場面に直結する2章(サービス)・5章(端末の構造)・9章(法令・消費者保護)です。
- 店頭でしている説明を、電気通信事業法の条文と制度名に言い換えて覚えると、消費者保護の問題に強くなります。
- テキスト外の時事問題が全体の1割前後あります。テキストは2024年6月末時点の情報なので、その後の変化は総務省の報道資料で補います。
勉強は何から始める?
最初にすることは、出題範囲の全体像をつかむことです。公式ページに挙がっている出題カテゴリは次の8つです(2026年9月27日確認)。比率は公表されていません。
- スマートフォン・モバイル端末(商品/サービス)の知識
- モバイル機器のハードウェアとソフトウェアに関する知識
- モバイル関連サービス
- コンテンツとアプリに関する知識
- インターネットに関する知識
- 通信・通話の仕組みに関する知識
- 消費者保護に関する知識
- 時事問題(公式テキスト非掲載)
8つのうち7つは公式テキストで準備でき、残りの時事問題だけがテキストの外です。そこで、次の順に進めるのがおすすめです(当サイトの例)。
1. 公式テキストを用意し、目次で範囲外の節(3-2〜3-6)に印を付ける。2. MCPCの公式サンプル問題(PDF)を1回解いて、問題の形を知る(解けなくてよい)。3. 重点章から読み始める。サンプル問題は、テキスト巻末の付録にも同じものが載っています。
範囲外の節と重点章は?
公式テキストは10章構成です。章ごとに、実務検定での扱いと読み方を整理すると次のようになります。重点の置き方は当サイトの判断で、公式の配分ではありません。
| 章 | 主な内容 | 実務検定での扱い | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 1章 「スマートフォン・モバイル」を知ろう! | つながる仕組み、事業者の種別、電話番号 | 範囲内 | 最初に読む。全体の地図になる |
| 2章 様々なモバイルのサービス | 通話の付加サービス、メッセージ、ローミング、おサイフケータイ | 範囲内 | 重点。店頭で説明するサービスそのもの |
| 3章 モバイル通信・通話の仕組み | セルラー方式、無線LAN、光回線(FTTH)など | 3-2〜3-6は範囲外 | 3-1・3-7〜3-9だけ読む |
| 4章 インターネットの基礎と接続 | IPアドレス、ISP、メールのプロトコル、クラウド | 範囲内 | 用語を表にして覚える |
| 5章 モバイル機器の構造 | ディスプレイ、カメラ、SIMカード、外部接続 | 範囲内 | 重点。端末の説明に直結する |
| 6章 モバイル端末のソフトウェア | OS、アプリの仕組み、画像・動画の形式 | 範囲内 | 形式の名前と特徴を対にする |
| 7章 モバイルコンテンツの特徴 | 災害用伝言板、SNS、マーケットプレイス | 範囲内 | サービス名と使い方を押さえる |
| 8章 モバイルにおけるセキュリティ | リスク、迷惑メール対策、フィルタリング | 範囲内 | お客様への注意喚起の場面と結び付ける |
| 9章 モバイルに関する基本的な法制度・関連知識 | 通信業界の法知識、消費者保護、MNP、SIMロック解除 | 範囲内 | 最重点。検定の目的そのもの |
| 10章 5G/IoT/AIの最新動向 | 5G、ローカル5G、IoT、AI | 範囲内 | 時事問題の土台としても読む |
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3章の範囲外の節は、電波の周波数の性質や、複数の利用者で電波を分け合う方式(多元接続)、3G・4Gの技術です。読まなくても実務検定の得点には影響しません。ただし、同じテキストでモバイル技術基礎検定も受ける予定があるなら、そちらでは範囲に入ります。
章ごとの見どころはモバイル基礎テキスト第9版の章立てで詳しく紹介しています。
店頭の経験はどう活かす?
販売の経験がある人の強みは、サービスや端末を具体的な場面で知っていることです。ただし試験では、それを用語や仕組みの名前で問われます。経験を知識に変えるには、次のように「場面→用語→テキストの節」をつなげて覚えます。
| 店頭でよくある場面 | 試験で問われる言葉 | テキストの章 |
|---|---|---|
| 通話中に別の着信を知らせる機能を案内する | 割込通話などの通話の付加サービス | 2章 |
| 海外旅行に行くお客様に、現地での使い方を説明する | 国際ローミング | 2章 |
| 他社から番号そのままで乗り換える手続きをする | MNP(携帯電話番号ポータビリティ) | 9章 |
| 物理SIMとeSIMの違いを説明する | SIMカード、eSIM | 5章 |
| 子ども向けの契約でフィルタリングを案内する | 有害情報フィルタリング | 8章 |
| 自宅の電波が弱いという相談に答える | セルラー方式、小型基地局 | 3章(3-1) |
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表の右2列を隠して、左の場面から用語と章を言えるか試すと、覚えたかどうかを確かめられます。逆に、用語から店頭の場面を思い浮かべられない項目は、テキストを読み直すサインです。
販売の仕事と検定の関係はスマホ実務検定は販売員に役立つかでも扱います。
消費者保護の法令はどう覚える?
公式ページでは、この検定の目的を、携帯電話サービスなどの販売にあたり、消費者(ユーザー)保護の観点から通信にかかわる基礎知識・法知識を身につけることとしています(2026年9月27日確認)。9章は最重点です。
中心になるのは電気通信事業法の消費者保護のルールです。店頭の流れ(契約前→契約後→解約)に沿って並べると覚えやすくなります。
| 店頭の流れ | 制度 | 条文 |
|---|---|---|
| 契約の前 | 料金その他の提供条件の概要を説明する(提供条件の説明) | 第26条 |
| 勧誘のとき | 重要な事項について事実を告げない・不実のことを告げる、名乗らずに勧誘する、断られても勧誘を続ける、といった行為の禁止 | 第27条の2 |
| 契約の後 | 契約の内容を書面で交付する(書面の交付) | 第26条の2 |
| 契約後しばらくの間 | 書面を受け取った日などから起算して8日を経過するまでの、書面による解除(初期契約解除) | 第26条の3 |
| 販売代理店 | 媒介などの業務を委託した代理店に対する指導 | 第27条の4 |
| 苦情 | 苦情などの処理 | 第27条 |
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条文は、覚える順番を「説明(第26条)→書面(第26条の2)→解除(第26条の3)」と番号順にそろえると混ざりにくくなります。初期契約解除には、総務省令で定める例外があり、携帯電話では「確認措置」という仕組みも関係します。細かな適用の条件は、テキストの9章と総務省の消費者保護ルールのページで確かめてください。
電気通信事業法は改正が続いています。e-Gov法令検索に載っている2026年9月27日時点の条文は、2026年5月27日施行の改正を反映したものです。テキストは2024年6月末時点の情報なので、条番号や制度の細部はe-Govの現行の条文を優先してください。条文ごとの詳しい解説は電気通信事業法の消費者保護ルール、実務検定での出方はスマホ実務検定の消費者保護にまとめています。
時事問題はどう準備する?
公式ページの出題カテゴリには「時事問題(公式テキスト非掲載)」とあり、テキストの「出題範囲一覧」では全体の1割前後とされています。60問なら6問前後です。テキストだけでは準備できないため、次の資料を使います。
- 総務省の報道資料:月ごとの一覧で、携帯電話や消費者保護に関する発表を探す
- 総務省の電気通信消費者情報コーナー:消費者保護ルールの見直しや注意喚起がまとまっている。たとえば「携帯電話端末の販売価格に関する注意喚起」(2025年9月5日報道発表)や、情報通信審議会の消費者保護政策委員会(2025年10月〜)が掲載されている(2026年9月27日確認)
- e-Gov法令検索:法改正の施行日と条文を確かめる
時事の準備は、ニュースを広く追うより、テキストの発行(2024年6月末時点)より後に変わった制度に絞るのが効率的です。メモには必ず「何年何月に何が変わったか」を日付つきで書きます。範囲の絞り方はスマホ実務検定の時事問題対策で詳しく扱います。
問題演習はいつ、どう入れる?
MCPCは過去問題を公開していません(公式FAQ、2026年9月27日確認)。公式のサンプル問題は、実務検定の分が12問です。演習の量が足りない分は、テキストを1章読むごとに問題を解く形で補います。
- 章を読んだ直後:その章の問題を10問前後解き、間違えた用語をテキストで確かめる
- 重点章(2・5・9章)を読み終えたとき:公式サンプル問題を解き直し、形式に慣れる
- テキストを一通り読んだあと:60問・60分の通し練習を1回。カテゴリ別の正答率で弱点を見る
- 弱点の補強:正答率が低い章に戻り、問題を解き直す
- 受検の数日前:もう1回、60問・60分の通し練習。時事のメモを見直す
当サイトでは、実務検定向けに60問・60分の模試を2回と、章別ドリル約330問を用意しています。章別ドリルはモバイル技術基礎検定と共通の問題で、範囲外の3-2〜3-6の問題も入っているため、実務検定だけを受ける人はその節を飛ばしてください。模試は実務検定用に別に作った問題で、範囲外の節からは出していません。
まずは登録不要のスマホ実務の無料お試し20問で、今の実力と弱いカテゴリを確かめてください。2週間で進める場合の配分はスマホ実務検定の2週間学習計画にあります。
確認問題1:実務検定で後回しにしてよい節は?
スマートフォン・モバイル実務検定の対策として公式テキスト第9版を読むとき、出題範囲一覧で対象外とされ、後回しにしてよい節はどれか。
- 9-7 SIMロックとSIMロック解除
- 3-3 FDMA方式とTDMA方式
- 2-10 ローミングサービス
- 3-7 無線LANによる通信
正解:2。実務検定では、3-2〜3-6(電波の性質、FDMA/TDMA、CDMA/OFDM、3G、4G)が対象外です。3-3はこれに含まれます。
1 のSIMロック解除は9章の節で、消費者保護にも関わる重要な範囲です。3 のローミングは2章のサービスで、範囲に入ります。4 の3-7は3章ですが、範囲外は3-2〜3-6までなので、無線LANは対象です。
確認問題2:店頭の場面と条文の組合せは?
携帯電話の契約に関する店頭の場面と、電気通信事業法の条文の組合せとして、最も適切なものはどれか(2026年9月27日時点のe-Gov法令検索の条文による)。
- 契約の前に、料金などの提供条件の概要を説明する ― 第26条の3
- 契約が成立したあとに、契約内容を記載した書面を渡す ― 第27条の4
- 契約の前に、料金などの提供条件の概要を説明する ― 第26条
- 代理店に対して、委託した業務について指導する ― 第26条の2
正解:3。提供条件の概要の説明は第26条(提供条件の説明)に定められています。
1 は誤りです。第26条の3は書面による解除(初期契約解除)の条文です。2 も誤りです。書面の交付は第26条の2で、第27条の4は代理店(媒介等業務受託者)に対する指導の条文です。4 も誤りです。第26条の2は書面の交付で、代理店への指導は第27条の4です。
当サイトはMCPCとは関係のない、個人運営の非公式教材です。合格を保証するものではありません。公式テキストの本文・図表や巻末のサンプル問題は使わず、問題はすべて独自に作っています。
よくある質問
公式テキストは古い版でも使えますか?
これから準備するなら第9版(2024年9月発行)を使ってください。第9版では生成AIやAI事業者ガイドラインなどが加わっています(MCPC公式テキスト案内、2026年9月27日確認)。旧版は制度の説明が古い場合があります。
会社でまとめて受ける場合、テキストはどうやって用意しますか?
MCPCの申込案内では、スマートフォン・モバイル実務検定の団体申込で申込ごとの人数が1社5名以上の場合、受験チケットの発行手数料2,200円(税込)が免除され、申込人数分のテキストが進呈されると案内されています(2026年9月27日確認)。詳しくはMCPC検定事務局に確認してください。
技術が苦手でも独学で合格できますか?
公表されている合格率は78.2%で、技術の深い部分(3-2〜3-6)は範囲外です。用語を店頭の場面と結び付けて覚え、1章ごとに問題を解けば、独学でも十分に準備できます。勉強時間の目安はスマホ実務検定の難易度で紹介しています。
勉強はスマートフォンだけでできますか?
公式テキストには電子版があり、Web問題集もスマートフォンのブラウザで解けます。ただし本番は会場のパソコンで解くCBT方式なので、通し練習は一度パソコンかタブレットで行うのがおすすめです。
出典・参考
- [1]MCPC スマートフォン・モバイル実務検定 CBT方式(2026年9月27日確認)
- [2]リックテレコム モバイル基礎テキスト 第9版(2026年9月27日確認)
- [3]MCPC 公式テキストのご案内(2026年9月27日確認)
- [4]MCPC 検定試験サンプル問題(2026年9月27日確認)
- [5]MCPC 検定 よくあるご質問(2026年9月27日確認)
- [6]MCPC 検定申込(団体申込・受験チケット)(2026年9月27日確認)
- [7]e-Gov 法令検索:電気通信事業法(2026年5月27日施行版・2026年9月27日確認)
- [8]総務省 電気通信消費者情報コーナー:消費者保護ルール(2026年9月27日確認)
- [9]総務省 報道資料一覧(2026年9月27日確認)
本番と同じペースで腕試し
記事の次は、本番形式の問題で。
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