この記事の要点
- 第6章は、スマートフォンのソフトウェアの重なり(階層)とアプリが動く仕組み、そして文字や画像・動画の形式を扱う章です。
- AndroidはLinuxカーネルの上に、ハードウェアの違いを吸収する層、アプリを実行するART(Android Runtime)、アプリ向けの部品(APIフレームワーク)を重ねた構成です(Android公式、2026年9月27日確認)。
- アプリはサンドボックスでアプリごとに分けて動き、位置情報などを使うには利用者の権限(パーミッション)の許可が要ります。
- 画像・動画は、JPEGとHEIF、H.264とH.265(HEVC)の対比が定番です。HEIF/HEVCはJPEG/H.264より圧縮率が高いとAppleは説明しています(2026年9月27日確認)。
- テキスト(2024年6月末時点の情報)の後、スマホソフトウェア競争促進法が2025年12月18日に全面施行され、OSやアプリストアのルールが変わりました(2026年9月27日確認)。
この記事の内容12項目
- 01この章で押さえることは?「層」と「仕組み」と「形式」
- 02節ごとの要点は?7つの節を表で整理
- 03AndroidとiOSはどんな構成?アプリはどう動く?
- 04文字入力と画像・動画の形式は?圧縮の違いで覚える
- 05間違えやすい所は?層の上下と形式の中身
- 06スマホ実務検定での扱いは?第6章は全節が範囲(重みは非公表)
- 07テキストの後に変わった点は?(一次資料で確認)
- 08確認問題1:Androidの土台となっているカーネルは?
- 09確認問題2:JPEGより圧縮率が高い画像の形式は?
- 10確認問題3:サンドボックスの説明として適切なものは?
- 11確認問題(当サイトのオリジナル)のあとは?共通ドリルで仕上げる
- 12よくある質問
この章で押さえることは?「層」と「仕組み」と「形式」
第6章の見出しは「モバイル端末のソフトウェア」で、7つの節があります。当サイトでは、ソフトウェアの層(OSからアプリまで)、アプリを安全に動かす仕組み(実行環境・サンドボックス・権限)、データの形式(文字・画像・動画)の3つに分けて整理することをすすめます。
対応テキストは『モバイル基礎テキスト 第9版』(リックテレコム、2024年9月、224頁、2,420円、ISBN 978-4-86594-417-4)で、両検定に共通です(2026年9月27日確認)。この記事は節の見出しだけを参照し、説明は当サイトがAndroid・Apple・ITU-Tなどの一次資料をもとに独自に書いています。
節ごとの要点は?7つの節を表で整理
| 節 | 要点(当サイトの整理) |
|---|---|
| 6-1 モバイル端末のソフトウェア構成 | ハードウェアの上にOS、その上にミドルウェアや実行環境、いちばん上にアプリという階層 |
| 6-2 モバイル端末のOS | AndroidとiOSの2つが中心。AndroidはLinuxカーネルが土台。OSの更新で機能追加と脆弱性の修正 |
| 6-3 アプリを動かす仕組み | Androidはアプリの命令(DEX)をARTで実行。アプリごとのサンドボックスと権限の許可 |
| 6-4 代表的なアプリ | 電話・メッセージ・ブラウザ・地図・カメラなど標準のアプリと、ストアから入れるアプリ |
| 6-5 文字入力 | フリック入力、予測変換、音声入力。文字コードはUnicodeが中心 |
| 6-6 写真・画像の記録形式 | JPEG(非可逆圧縮)、PNG(可逆圧縮)、GIF、HEIF(高い圧縮率) |
| 6-7 動く画像の記録形式 | H.264(AVC)、H.265(HEVC)、AV1などの圧縮方式と、MP4などの入れ物(コンテナ) |
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AndroidとiOSはどんな構成?アプリはどう動く?
Androidの公式ドキュメントは、プラットフォームを下からLinuxカーネル、ハードウェア抽象化レイヤ(HAL)、Android Runtime(ART)、ネイティブのC/C++ライブラリ、Java APIフレームワーク、システムアプリの層で説明しています。ARTは、Android向けに設計されたDEX形式の命令を実行し、事前コンパイル(AOT)と実行時コンパイル(JIT)を組み合わせて動かします(2026年9月27日確認)。
iOSはAppleが自社の端末向けに提供するOSで、アプリはApp Storeから入手するのが基本です。AndroidとiOSの違いはAndroidとiOSの違いで比較しています。
アプリを安全に動かす要がサンドボックスです。Androidは、アプリごとに固有のユーザーID(UID)を割り当てて別々のプロセスで動かし、Linuxのユーザー・グループの仕組みでアプリどうしやシステムとの間を分けています(Android公式、2026年9月27日確認)。そのため、あるアプリが別のアプリのデータを勝手に読むことはできません。位置情報・カメラ・連絡先などを使うには、利用者が権限(パーミッション)を許可する必要があります。
アプリの作り方には、OS専用に作るネイティブアプリ、Webの技術で作るWebアプリ、両者を組み合わせるハイブリッドアプリがあります。詳しくはネイティブ・Web・ハイブリッドの違いへ。
文字入力と画像・動画の形式は?圧縮の違いで覚える
スマートフォンの日本語入力では、キーを触れた位置から上下左右に指を払って文字を選ぶフリック入力や、入力中の文字から次の語を示す予測変換が使われます。世界中の文字を1つの体系で扱う文字コードがUnicodeで、絵文字もUnicodeで扱われます。
画像と動画は、データを小さくする圧縮の方式で区別します。元に完全には戻らない代わりに小さくできるのが非可逆圧縮、元どおりに戻せるのが可逆圧縮です。
| 形式 | 種類 | ポイント |
|---|---|---|
| JPEG | 画像(非可逆圧縮) | 写真で広く使われる。互換性が高い |
| PNG | 画像(可逆圧縮) | 画質を落とさずに保存。図や画面の画像向き |
| GIF | 画像 | 色数が少なく、簡単なアニメーションに使われる |
| HEIF | 画像 | Appleは、JPEGより圧縮率が高く、iOS 11以降で使えると説明 |
| H.264(AVC) | 動画の圧縮方式 | 広く普及した動画の圧縮方式 |
| H.265(HEVC) | 動画の圧縮方式 | ITU-Tで2013年4月に最初に承認。H.264より圧縮率が高い |
| MP4 | 入れ物(コンテナ) | 映像・音声のデータをまとめて入れる形式。圧縮方式そのものではない |
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iPhoneでは、設定の「カメラ」→「フォーマット」で「互換性優先」を選ぶと、HEIF/HEVCではなくJPEG/H.264で記録できます。AirDropやメールで共有するとき、相手が対応していなければ自動でJPEG/H.264に変換されることもあるとAppleは説明しています(2026年9月27日確認)。動画の方式はコーデックとはで詳しく扱っています。
間違えやすい所は?層の上下と形式の中身
| 誤解 | 正しい整理 |
|---|---|
| AndroidはWindowsのカーネルを土台にしている | AndroidはLinuxカーネルが土台 |
| アプリは互いのデータを自由に読み書きできる | サンドボックスでアプリごとに分けられ、勝手に読めない |
| 権限は一度許可したら変えられない | 設定からあとで取り消したり変えたりできる |
| MP4は動画の圧縮方式の名前 | MP4は入れ物(コンテナ)。圧縮方式はH.264やH.265など |
| PNGは非可逆圧縮 | PNGは可逆圧縮。非可逆圧縮の代表はJPEG |
| HEIFはJPEGより画質を落として小さくする形式 | HEIFは同程度の画質でより小さくできる、圧縮率の高い形式 |
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スマホ実務検定での扱いは?第6章は全節が範囲(重みは非公表)
テキストの「出題範囲一覧」の表では、モバイル技術基礎検定は全章全節が範囲です。スマートフォン・モバイル実務検定は第3章の3-2〜3-6(電波の性質、FDMA/TDMA、CDMA/OFDM、3G、4G)が範囲外で、第6章を含むそのほかは範囲に入り、テキスト外の時事問題が全体の1割前後出ます(当サイトがテキスト実物で確認)。MCPCの公式ページでも、両検定の出題範囲に「ハードウェア・ソフトウェア」と「コンテンツとアプリ」が挙がっています(2026年9月27日確認)。
第6章は両検定とも全節が範囲です。章ごとの出題数は、どちらの検定も公式に公表されていません。当サイトでは、ARTやカーネルのような仕組みの話は技術基礎検定で、権限の許可やアプリの入手先、写真の形式のように利用者から質問される内容はスマホ実務検定でも問われやすいと考えています(当サイトの推定)。
テキストの後に変わった点は?(一次資料で確認)
テキストは2024年6月末時点の情報で書かれています。第6章に関わる動きで、その後に一次資料で確認できたものを並べます(2026年9月27日確認)。
- スマホソフトウェア競争促進法の全面施行:「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」(令和6年法律第58号)は2024年6月19日に公布され、2025年12月18日に全面施行されました。対象はモバイルOS、アプリストア、ブラウザ、検索エンジンです。
- 指定された事業者:公正取引委員会は2025年3月26日に、Apple Inc.(モバイルOS・アプリストア・ブラウザ)、iTunes株式会社(アプリストア)、Google LLC(モバイルOS・アプリストア・ブラウザ・検索エンジン)を指定しました。
- 何が変わるか:セキュリティの確保を図りつつ競争を促す法律で、他社がアプリストアを提供することを妨げることの禁止や、ブラウザなどを選ぶ画面(チョイススクリーン)の表示などが定められています。アプリの入手先が公式ストア以外にも広がりうる点は、第8章のセキュリティ(不正なアプリへの注意)ともつながります。
アプリの配布の仕組みはアプリの配布でも扱っています。
確認問題1:Androidの土台となっているカーネルは?
Androidのプラットフォームの最も下の層にあり、土台となっているカーネルはどれか。
- Linux
- Windows NT
- MS-DOS
- ITRON
正解:1。Androidの公式ドキュメントは、プラットフォームの土台をLinuxカーネルとしています。アプリの分離(サンドボックス)も、Linuxのユーザー・グループの仕組みを使っています。
2 のWindows NTはWindowsの系統のカーネルです。3 のMS-DOSはパソコン用の古いOSです。4 のITRONは組込み機器向けのリアルタイムOSの仕様で、Androidの土台ではありません。
確認問題2:JPEGより圧縮率が高い画像の形式は?
iPhoneのカメラで使われ、AppleがJPEGより高い圧縮率を持つと説明している画像の形式はどれか。
- PNG
- HEIF
- GIF
- BMP
正解:2。HEIFは圧縮率の高い画像の形式で、Appleは動画のHEVCと合わせて、JPEGやH.264より高い圧縮率を持つと説明しています。互換性を優先する設定では、JPEGで記録することもできます。
1 のPNGは画質を落とさない可逆圧縮の形式で、写真ではファイルが大きくなりがちです。3 のGIFは色数が少なく、簡単なアニメーション向きです。4 のBMPは基本的に圧縮しない形式で、ファイルが大きくなります。
確認問題3:サンドボックスの説明として適切なものは?
スマートフォンのOSにおけるアプリのサンドボックスの説明として、最も適切なものはどれか。
- アプリの画面を2つ並べて同時に表示する機能
- アプリを公式ストアから自動で更新する機能
- アプリごとに実行環境を分け、他のアプリのデータを勝手に使えないようにする仕組み
- 使っていないアプリを自動で削除して容量を空ける機能
正解:3。サンドボックスは、アプリごとに実行環境を分けて、他のアプリやシステムのデータに勝手にアクセスできないようにする仕組みです。Androidでは、アプリごとに固有のユーザーIDを割り当てて分けています。
1 は画面分割(マルチウィンドウ)の機能です。2 はアプリの自動更新の機能です。4 はストレージの容量を空けるための機能で、いずれもサンドボックスとは関係ありません。
確認問題(当サイトのオリジナル)のあとは?共通ドリルで仕上げる
第6章は、層の上下(カーネル→実行環境→アプリ)と、形式の中身(圧縮方式か入れ物か、可逆か非可逆か)で点が分かれます。迷った問題はその2点で見直してください。
本番と同じ形式で確かめたい方は、モバイル技術基礎検定の無料お試しまたはスマートフォン・モバイル実務検定の無料お試しを使ってください。前の章は第5章 モバイル機器の構造、次は第7章 モバイルコンテンツの特徴です。
当サイトはMCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)とは関係のない、非公式の個人運営の教材です。合格を保証するものではありません。公式テキストの本文・図表・巻末サンプル問題は使っていません。
よくある質問
OSのバージョンの番号まで覚える必要がありますか?
当サイトでは、個々のバージョン番号より、OSの更新で脆弱性が修正されることや、古いOSのままにする危険のような考え方を優先して押さえることをすすめます。どこまで問われるかは公表されていません。
スマホソフトウェア競争促進法はテキストに載っていますか?
当サイトはテキストの見出しだけを参照しているため、本文にどこまで書かれているかはお答えできません。法律の全面施行は2025年12月18日で、テキストの情報時点(2024年6月末)より後です。スマホ実務検定では時事問題の題材になりえます。
第6章はスマホ実務検定でも出ますか?
テキストの出題範囲一覧では、スマホ実務検定で範囲外なのは第3章の3-2〜3-6だけで、第6章は全節が範囲です。章ごとの出題数は公表されていません。
出典・参考
- [1]リックテレコム『モバイル基礎テキスト 第9版』(2026年9月27日確認)
- [2]MCPC モバイル技術基礎検定(2026年9月27日確認)
- [3]MCPC スマートフォン・モバイル実務検定(2026年9月27日確認)
- [4]Android Developers Platform architecture(2026年9月27日確認)
- [5]Android Open Source Project Application sandbox(2026年9月27日確認)
- [6]Apple サポート AppleデバイスでHEIF/HEVCのメディアを使う(2026年9月27日確認)
- [7]ITU-T H.265 High efficiency video coding(2026年9月27日確認)
- [8]公正取引委員会 スマホソフトウェア競争促進法(2026年9月27日確認)
- [9]公正取引委員会 特定ソフトウェア事業者の指定について(2025年3月31日、2026年9月27日確認)
本番と同じペースで腕試し
記事の次は、本番形式の問題で。
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