モバイル2級の用語モバイル2級

アプリの配布と審査の仕組み|ストアと2級の要点

スマホアプリが利用者に届くまでの配布と審査の流れを、App Store・Google Play・代替配布で比較。スマホソフトウェア競争促進法の施行日と条文、公証やAABの意味、モバイル2級の確認問題3問まで解説します。

最終更新
公開
読了目安
約10分
執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • アプリの配布とは、作ったアプリを利用者の端末に届ける経路のこと、審査とは、その経路の運営者が公開前にアプリを方針に照らして確かめることです。公式ストアでは、公開する前に審査を通す流れが基本です。
  • 日本では「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」が2025年12月18日に全面施行されました(公正取引委員会)。指定を受けたOSの事業者は、他の事業者のアプリストアの提供を妨げてはならないとされています。
  • Apple は日本向けに iOS 26.2 以降で代替アプリマーケットプレイスでの配布に対応し、App Store 以外で配るアプリにも公証(Notarization)という基本的な審査を求めています(Apple、2026年9月確認)。
  • モバイル2級の出題カテゴリ「モバイル端末基本機能と端末周辺技術」(公式の比率は20%)に当たる範囲です。

アプリの配布と審査とは、何のための仕組みなのか?

一言でいうと、利用者が安心してアプリを入れられるように、配る経路で「入口の確認」をする仕組みです。スマホは個人の情報が集まる端末なので、不正なアプリが紛れ込むと被害が大きくなります。

Apple の App Review ガイドラインは冒頭で、すべてのアプリを専門のスタッフが審査し、マルウェアなどがないかをスキャンしていると説明しています。ガイドラインは Safety(安全)、Performance(性能)、Business(ビジネス)、Design(デザイン)、Legal(法律)の5つの章に分かれています(2026年9月確認)。

一方で、配る経路を1つに限ると、経路の運営者の力が強くなりすぎるという問題もあります。日本の新しい法律は、この「安全のための管理」と「競争」の両立をねらったものと整理できます。

公式ストアでは、どんな流れで配布と審査が進むのか?

公式ストアに公開するまでの一般的な流れを、当サイトが整理しました。細かな手順はストアごとに異なります。

  1. 開発と署名:アプリを作り、開発者の鍵で署名する。署名によって、誰が作り、途中で改ざんされていないかを確かめられる。
  2. ストアへの提出:Google Play では、2021年8月から新規アプリは Android App Bundle(AAB)での公開が必要とされている。AAB を受け取った Google Play が、端末ごとに最適化した APK を作って配信する。
  3. 審査:ストアの方針に合っているかを確かめる。Google Play は、アカウントによっては審査に最大7日、例外的にそれ以上かかることがあるとしている。
  4. 公開または差し戻し:方針に合わない場合は差し戻され、修正して再提出するか、異議を申し立てる。
  5. 更新:更新版も同じように提出し、審査を経て配信される。
配布経路ごとの確認の違い(Apple・Google の公式ページをもとに当サイトが整理、2026年9月確認)
経路主な確認位置づけ
App StoreApp Review(ガイドラインの5つの章に沿った審査)もっとも広い観点の審査
iOS の代替配布(日本など)公証(正確さ・機能・安全・セキュリティ・プライバシーの基本的な審査)App Review より範囲をしぼった基本の審査
Google Playポリシーとデベロッパー販売/配布契約への適合の審査公開前と更新時に確認
Android のデベロッパー認証アプリの審査ではなく、開発者の身元の確認2026年9月30日から一部の国で開始予定

← 表は横にスクロールできます →

代替配布と日本の制度は、どう動いたのか?

公正取引委員会によると、この法律は2024年6月19日に公布され(令和6年法律第58号)、2025年12月18日に全面施行されました。2025年3月26日には、Apple Inc.・iTunes株式会社・Google LLC が指定事業者に指定されています。

条文では、OS について指定を受けた事業者は、アプリストアを自社のものに限ることや、他の事業者がアプリストアを提供すること・利用者がそれを使うことを妨げることをしてはならないとされています(第7条)。ただし、サイバーセキュリティの確保や利用者の情報の保護、青少年の保護などのために必要で、他の方法では目的を達成しにくい場合は例外とされています。アプリストアについて指定を受けた事業者には、アプリの中で自社以外の支払の仕組みを使うことを妨げない義務もあります(第8条)。

Apple は、日本で iOS 26.2 以降、代替アプリマーケットプレイスでの配布に対応したと説明しています。App Store 以外で配るアプリは公証を受け、マーケットプレイスを運営するには Apple の認可が必要です。App Store で配るアプリは、従来どおり App Review を受けます。

Android では、開発者の身元を確かめる「デベロッパー認証」を、2026年9月30日からブラジル・インドネシア・シンガポール・タイで始め、2027年以降に世界へ広げる計画が示されています(2026年9月時点)。上級者向けに、認証されていない開発者のアプリも入れられる手順を用意するとしています。

制度と各社の対応は変わり続けています。年と内容は(2026年9月時点)の公式情報です。試験では、細かな手数料や日付よりも「審査・公証・身元確認の違い」と「制度が何を妨げてはならないとしたか」を押さえてください。

モバイル2級では、どの範囲で、どう問われそうか?

MCPC の公式ページの図では、モバイルシステム技術検定 2級(100問・100分・4者択一)の出題カテゴリ「モバイル端末基本機能と端末周辺技術」の比率が20%と示されています(2026年9月27日確認)。当サイトでは、公式テキスト『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の第8章「モバイル端末のソフトウェア技術」がこの範囲に当たると推定しています(章名からの当サイトの判断で、公式の対応表ではありません)。

4択での問われ方は、次のような型が考えられます。出題頻度の公式データはありません。

  • 流れの順序:署名・提出・審査・公開の順番や、各段階で何を確かめるかを問う。
  • 用語の区別:審査・公証・身元確認・署名の意味の違いを問う。
  • 配布形式:AAB と APK の関係を問う。
  • 制度の趣旨:法律が指定事業者に禁じた行為と、セキュリティのための例外を問う。

アプリを守るOSの仕組みはAndroidとiOSのアーキテクチャの違い、ストアを通さずに配れる Web の方式はネイティブ・Web・ハイブリッドアプリの違い、不正なアプリの手口はマルウェアとフィッシングで扱います。試験全体はモバイルシステム技術検定2級とはへ。

どこで取り違えやすいのか?

選択肢の言葉が「アプリの中身」「開発者の身元」「改ざんの有無」のどれを確かめる話かを分けると、迷いが減ります。

つまずき別の見直し表
取り違え正しい考え方確認する問い
公証は App Review と同じ審査公証は App Store 以外で配るアプリ向けの基本の審査配る経路は App Store か、それ以外か
デベロッパー認証はアプリの審査開発者の身元を確かめる仕組み確かめるのはアプリか、開発者か
AAB をそのまま端末に入れるAAB は公開用の形式で、Google Play が APK を作って配る端末に届くのは AAB か、APK か
新しい法律でセキュリティの措置は禁止セキュリティ確保等のため必要で、他の方法が難しい措置は例外例外の条件が書かれているか
署名があれば審査は不要署名は作成者と改ざんの確認で、方針への適合は審査で確かめる何を保証する仕組みか

← 表は横にスクロールできます →

確認問題1:法律が禁じた行為を選べるか?

スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律で、OS について指定を受けた事業者に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 指定事業者は、セキュリティの理由があっても、他社のアプリストアに一切の条件を付けられない
  2. 指定事業者は、自社のアプリストアを廃止し、他社のアプリストアだけを提供しなければならない
  3. 指定事業者は、他の事業者がアプリストアを提供し、利用者がそれを使うことを妨げてはならない
  4. 指定事業者は、利用者が他社のアプリストアを使う前に、自社のストアの審査を受けさせなければならない

正解:3。第7条は、アプリストアを自社のものに限ることや、他の事業者によるアプリストアの提供・利用者による利用を妨げることを禁じています。

1は言い切りすぎで、サイバーセキュリティの確保などのために必要で、他の方法では目的を達成しにくい場合は例外とされています。2のように自社のストアの廃止を求める規定ではありません。4のような自社審査の強制は、他社のアプリストアの利用を妨げる方向の行為で、条文の趣旨と逆です。

確認問題2:公証の意味を説明できるか?

Apple が日本などで求めている iOS アプリの公証(Notarization)の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. App Store 以外で配るアプリに対して行う、安全性などに関する基本的な審査
  2. App Store で配るアプリに対して行う、App Review より詳しい追加の審査
  3. アプリの開発者が、自分の端末でアプリを動かす前に行う動作の確認作業
  4. 利用者がアプリを削除するときに、データの消去を証明するための手続き

正解:1。Apple は、App Store 以外で配るアプリに公証を求め、正確さ・機能・安全・セキュリティ・プライバシーの観点で基本的な審査を行うと説明しています。

2は逆で、App Store のアプリは App Review を受け、その基準は公証より高いとされています。3は開発時のテストの説明で、公証とは別です。4は削除の手続きで、配布前の審査とは関係がありません。

確認問題3:AAB と APK の関係を選べるか?

Android App Bundle(AAB)の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 利用者がブラウザからダウンロードして、そのまま端末にインストールして動かす形式
  2. Google Play に提出する公開用の形式で、Play が端末ごとの APK を作って配る
  3. iOS と Android の両方で同じファイルを動かすために作られた、共通のインストール形式
  4. アプリの画面の配置だけをまとめた設計図で、コンパイルしたコードやリソースは含まない形式

正解:2。Android の公式ドキュメントは、AAB をアプリのコードとリソースを含む公開用の形式とし、Google Play がそこから端末の構成ごとに最適化した APK を作って配信すると説明しています。2021年8月から、新規アプリは AAB での公開が必要です。

1は端末に入る APK の説明に近く、AAB は端末に直接入れる形式ではありません。3のように iOS と共通の形式ではありません。4は誤りで、AAB にはコンパイルしたコードとリソースが含まれます。

同じ「モバイル端末基本機能と端末周辺技術」の問題を本番と同じ4択で試すなら、登録不要のモバイル2級の無料お試し20問で解説まで確認できます。

よくある質問

「スマホ新法」「スマホ法」と呼ばれるのは同じ法律ですか?

公正取引委員会は「スマートフォンソフトウェア競争促進法(スマホ法)」という略称を使っています。正式名称は「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」です。選択肢では正式名称で出ることも想定しておきましょう。

日本でも Android のデベロッパー認証は始まっていますか?

Google の公式ページでは、2026年9月30日からの最初の対象国はブラジル・インドネシア・シンガポール・タイで、2027年以降に世界へ広げるとされています(2026年9月時点)。日本での開始時期は、公式の発表を確認してください。

企業が社員だけにアプリを配る方法もありますか?

あります。ただし方法と条件はOSや契約によって異なり、変更も多いため、この記事では扱っていません。業務端末の管理の考え方は、セキュリティの分野の MDM・MAM で扱います。

出典・参考

  1. [1]MCPC モバイルシステム技術検定[2級]CBT方式(出題カテゴリの図・形式)確認 2026-09-27
  2. [2]MCPC 検定テキスト(モバイルシステム技術テキスト 第11版)確認 2026-09-27
  3. [3]公正取引委員会: スマートフォンソフトウェア競争促進法(公布・全面施行・指定)確認 2026-09-27
  4. [4]e-Gov 法令検索: スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律(第7条・第8条)確認 2026-09-27
  5. [5]Apple Developer: App Review Guidelines 確認 2026-09-27
  6. [6]Apple Developer: Changes to iOS app distribution in Japan(代替マーケットプレイス・公証)確認 2026-09-27
  7. [7]Android Developers: About Android App Bundles 確認 2026-09-27
  8. [8]Android Developers: Android developer verification 確認 2026-09-27
  9. [9]Play Console ヘルプ: Publish your app(審査・差し戻し)確認 2026-09-27

本番と同じペースで腕試し

記事の次は、本番形式の問題で。

公式の出題カテゴリの比率どおりに組んだ無料お試しを、登録不要・カード不要で解けます。続きの模試と章別ドリルは買い切りで、月額はかかりません。

モバイルシステム技術検定 2級

100問・100分の模試と章別ドリル・¥4,980(税込・買い切り)

モバイル2級の無料お試し20問
料金と収録内容を見る →

当サイトは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)とは関係のない個人が運営する非公式の学習教材です。掲載している問題はすべて当サイトのオリジナルで、実際の試験問題・過去問題・再現問題ではありません。試験の日程・受検料・出題範囲は公式サイト(https://www.mcpc-jp.org/license/ )で必ず確認してください。合格を保証するものではありません。合格の目安は当サイトの推定です。技術・制度の記述は「最終確認日」時点のものです。

← 対策記事の一覧へ