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IPv4とIPv6の違い|モバイル2級で問われる点

IPv4とIPv6の違いを、アドレス長・表記・ヘッダの比較表とNAT・移行技術(デュアルスタック・NAT64・464XLAT)で整理。RFCで確認した要点と独自の確認問題3問で、モバイル2級の4択に備えられます。

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ICT模試 編集部

この記事の要点

  • IPv4 は 32 ビット(RFC 791、1981年)、IPv6 は 128 ビット(現行の仕様は RFC 8200、2017年)のアドレスを使うインターネットの基本プロトコルです。
  • IPv6 のヘッダは 40 バイトの固定長で、ヘッダチェックサムを持たず、断片化は送信元だけが行います。IPv4 との違いはこの3点から押さえると選択肢を切りやすくなります。
  • IPv4 のアドレス不足は、プライベートアドレスと NAT(事業者の CGN を含む)でしのぎつつ、デュアルスタック・トンネル・変換の3種類の移行技術で IPv6 へ移っています。
  • モバイル2級では出題カテゴリ「ワイヤレス通信の原理とネットワーク技術」(15%)に当たります。記事の最後に独自の確認問題3問を置きました。

IPv4とIPv6とは?一言でいうと何が違う?

IPv4 と IPv6 は、どちらも「インターネットで、データを宛先のアドレスまで届けるためのプロトコル(IP)」です。最大の違いはアドレスの長さで、IPv4 は 32 ビット、IPv6 は 128 ビットです(RFC 791・RFC 8200、確認 2026-09-27)。32 ビットで表せる数は約43億しかなく、端末の爆発的な増加に足りなくなったことが IPv6 の出発点です。

IPv4 の在庫は実際に尽きています。JPNIC によると、IANA で新規に割り振れる IPv4 アドレスは2011年2月3日になくなり、アジア太平洋地域の APNIC でも2011年4月15日に通常の申請で割り振れる在庫がなくなりました(JPNIC、確認 2026-09-27)。

IP はどちらの版も「届ける努力はするが、届いたかの確認はしない」方式です。RFC 791 も、IP には信頼性のある通信の仕組みはなく、確認応答もないと明記しています。届いたかの確認や再送は、上の層の TCP が受け持ちます。

アドレス長・表記・ヘッダはどう違う?比較表で確認

RFC 791(IPv4)、RFC 8200(IPv6)、RFC 4291(IPv6 のアドレス体系)をもとに、4択で比べられやすい項目をまとめました(確認 2026-09-27)。

IPv4とIPv6の違い
項目IPv4IPv6
仕様RFC 791(1981年9月)RFC 8200(2017年7月、インターネット標準 STD 86。旧 RFC 2460 を置き換え)
アドレス長32ビット128ビット
表記8ビットずつ10進数で4つ、ドット区切り(例:192.0.2.1)16ビットずつ16進数で8つ、コロン区切り(例:2001:db8::1)
ヘッダの長さ最小20バイト(オプションで可変)40バイトの固定長(追加の情報は拡張ヘッダで)
ヘッダチェックサムありなし
断片化(フラグメント)経路上のルータも行える送信元だけが行う
中継できる回数の上限TTL(Time to Live)Hop Limit
ブロードキャストありなし(マルチキャストで代替)
最小の MTU576バイトまでの受信を必須とするすべてのリンクで1280バイト以上

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IPv6 の表記は、各16ビットの先頭の0を省略でき、0が続く区間を「::」で1回だけまとめられます(RFC 4291)。「::」を2回使うと、何個の0を省いたのか決められなくなるためです。RFC 5952 は表記を1通りにそろえるため、先頭の0は必ず省く、「::」はできるだけ長い区間に使う、16ビット1つだけの0には使わない、英字は小文字で書く、と推奨しています(確認 2026-09-27)。

IPv6 のヘッダを固定長にし、チェックサムや途中での断片化をなくしたのは、ルータが1つ1つのパケットを速く処理できるようにするためです。誤りの検出は下の層(データリンク層)や上の層(TCP・UDP)に任せています。

NATと移行技術は、アドレス不足をどう補っている?

IPv4 のアドレス不足をしのぐ代表的な方法が、組織の中だけで使うプライベートアドレスと、それをグローバルアドレスに付け替える NAT です。プライベートアドレスは RFC 1918 で 10.0.0.0/8・172.16.0.0/12・192.168.0.0/16 の3つの範囲が決められています。さらに通信事業者の網の中で多数の利用者に1つのグローバルアドレスを共有させる CGN(キャリアグレード NAT) のために、RFC 6598 で 100.64.0.0/10 が共有アドレス空間として確保されました(確認 2026-09-27)。

ただし NAT は外から内への通信を始めにくくするなど、エンドツーエンドの通信を妨げる面があります。根本的な解決は IPv6 への移行で、その技術は大きく次の3種類に分けられます。

IPv4からIPv6への移行技術(当サイトの整理)
種類仕組み代表例
デュアルスタック機器が IPv4 と IPv6 の両方のアドレスを持ち、相手に応じて使い分ける多くの端末・網で採用
トンネル一方の版のパケットを、もう一方の版のパケットに包んで運ぶIPv6 over IPv4 など
変換(トランスレーション)IPv4 と IPv6 のヘッダを付け替えて相互に通信させるNAT64+DNS64、464XLAT

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NAT64(RFC 6146、2011年)は、IPv6 だけを持つ端末が IPv4 のサーバと通信できるようにする変換で、IPv4 の宛先から IPv6 のアドレスを合成する DNS64(RFC 6147)と組み合わせて使います。464XLAT(RFC 6877、2013年)は、端末側の変換(CLAT)と事業者側の変換(PLAT)を組み合わせ、IPv6 だけの網の上で IPv4 しか扱えないアプリも使えるようにする方式で、RFC 自体がモバイル網での利用を想定して書かれています(確認 2026-09-27)。

モバイル網では、3GPP の EPS は Release 8 の最初から IPv4・IPv6・IPv4v6(デュアルスタック)の接続の種類に対応し、IPv6 では接続ごとに /64 のプレフィックスを割り当て、端末がステートレス自動設定でアドレスを作る、と RFC 6459(2012年)が説明しています(確認 2026-09-27)。LTE のコアネットワークはEPCとはで解説しています。

モバイル2級ではどこで、どう問われる?

モバイル2級の出題カテゴリでは「ワイヤレス通信の原理とネットワーク技術」(15%)に当たります(MCPC 公式ページの図で確認、2026年9月時点)。100問なら約15問の枠です。

公式テキスト『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の章立てでは、第5章「インターネット基盤技術」の範囲と当サイトは見ています。章とカテゴリの対応は当サイトの推定です。出題の頻度や配点は公表されていないため、以下は4択で問われうる観点を当サイトが整理したものです。

  • アドレス長(32ビットと128ビット)と、表記の方法(10進ドット区切りと16進コロン区切り)
  • IPv6 の省略表記のルール(先頭の0の省略、「::」は1回だけ)
  • ヘッダの違い(固定長40バイト、チェックサムなし、断片化は送信元だけ)
  • NAT・プライベートアドレス・CGN の役割
  • デュアルスタック・トンネル・変換の区別と、NAT64・464XLAT の使いどころ

どこで取り違えやすい?つまずき別の整理

選択肢で迷ったときに見直す点を、つまずき別にまとめました。

よくある取り違え正しい整理見分けるポイント
IPv6は64ビットのアドレスIPv6は128ビット。64ビットはよく使われるプレフィックスの長さ/64 は前半のネットワーク部
「::」は何回使ってもよい「::」は1つのアドレスで1回だけ2回あると0の個数が決まらない
IPv6もルータが断片化するIPv6の断片化は送信元だけが行うルータの処理を軽くする設計
IPv6のヘッダにもチェックサムがあるIPv6のヘッダにチェックサムはない誤り検出は上下の層に任せる
IPv6にもブロードキャストがあるIPv6にブロードキャストはなく、マルチキャストで代替RFC 4291 に明記
NATでIPv4とIPv6が通信できる通常のNATはIPv4どうしの付け替え。版をまたぐのはNAT64など「64」が付くかどうか

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確認問題1:IPv6のヘッダの説明として正しいのは?

(当サイトの独自問題)RFC 8200 に規定された IPv6 のヘッダについて、最も適切な記述はどれか。

  1. ヘッダは可変長で、ヘッダチェックサムを持ち、経路上のルータが断片化を行う
  2. ヘッダは40バイトの固定長で、ヘッダチェックサムを持たず、断片化は送信元だけが行う
  3. ヘッダは20バイトの固定長で、ヘッダチェックサムを持ち、断片化は受信先だけが行う
  4. ヘッダは40バイトの固定長で、ヘッダチェックサムを持ち、経路上のルータが断片化を行う

正解:2。IPv6 の基本ヘッダは40バイトの固定長で、ヘッダチェックサムはなく、断片化は送信元だけが行います(RFC 8200)。

1:可変長でチェックサムを持ち、ルータが断片化するのは IPv4 の特徴です。3:20バイトは IPv4 の最小のヘッダ長で、断片化を「受信先だけが行う」ことはありません(受信先は組み立て直す側です)。4:固定長40バイトは正しいものの、チェックサムとルータによる断片化の部分が誤りです。

確認問題2:IPv6アドレスの推奨される表記は?

(当サイトの独自問題)IPv6 アドレス 2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0002:0001 を、RFC 5952 の推奨に従って表記したものとして、最も適切なものはどれか。

  1. 2001:db8::2:1
  2. 2001:db8::2::1
  3. 2001:db8:2:1
  4. 2001:0db8::0002:0001

正解:1。各区間の先頭の0を省き、0が続く4区間を「::」で1回だけまとめると 2001:db8::2:1 になります。

2:「::」を2回使っているため、それぞれ何区間の0を省いたのか決められず、正しい表記になりません。3:「::」を使わずに0の区間を消しているので、8区間に戻せず別のアドレスになってしまいます。4:アドレスとしては同じものを表せますが、先頭の0を省いておらず、RFC 5952 の推奨に合いません。

確認問題3:IPv6だけの網でIPv4のアプリを使う方式は?

(当サイトの独自問題)IPv6 だけで構築したモバイル網の上で、IPv4 しか扱えないアプリも使えるようにするため、端末側の変換と事業者側の変換を組み合わせる方式として、最も適切なものはどれか。

  1. デュアルスタック
  2. キャリアグレードNAT(CGN)
  3. IPv6 over IPv4 トンネル
  4. 464XLAT

正解:4。464XLAT は、端末側の CLAT と事業者側の PLAT の2か所の変換を組み合わせ、IPv6 だけの網の上で IPv4 の通信を通します(RFC 6877)。

1:デュアルスタックは網と機器が IPv4 と IPv6 の両方を持つ方式で、IPv6 だけの網という前提に合いません。2:CGN は IPv4 のプライベートアドレスを IPv4 のグローバルアドレスに付け替える仕組みで、版をまたぐ変換ではありません。3:IPv6 over IPv4 トンネルは IPv4 の網の上で IPv6 を運ぶ方式で、向きが逆です。

読んだあと、次に何をすればいい?

比較表の「アドレス長・ヘッダ・断片化」と、移行技術の3種類を言えるようになったら、4択で確かめる段階です。モバイル2級の無料お試し20問は登録不要で、公式カテゴリの比率に合わせた問題と全問の解説を確認できます。

IPv6 のアドレスを名前から引く仕組み(AAAA レコード)はDNSの仕組みとは、IP の上で届いたかを確認する層はTCPとUDPの違い、ウェブの通信の世代の違いはHTTP/2とHTTP/3の違いで続けて確認できます。試験全体はモバイル2級の試験概要へ。

よくある質問

IPv6のアドレスはどれくらい多いのですか?

128ビットなので2の128乗通りで、IPv4 の2の32乗(約43億)とは桁違いです。ただし実際にはネットワーク部とインタフェース部に分けて使い、たとえば3GPP の網では接続ごとに /64 のプレフィックスを割り当てるため、「全部を1つずつ端末に配る」わけではありません。

IPv6になればNATは要らなくなりますか?

IPv6 はアドレスが十分にあるので、アドレス不足をしのぐための NAT は基本的に要らなくなります。ただし移行期間は IPv4 の相手と通信する必要があり、NAT64 などの変換は引き続き使われます。「IPv6 なら NAT が一切存在しない」と言い切る選択肢には注意してください。

RFCの番号まで覚える必要がありますか?

どこまで細かく出るかは公表されていません。少なくとも IPv4 は RFC 791、IPv6 は RFC 8200(旧 RFC 2460)という対応は、IP の基本として押さえておくと安心です。移行技術の RFC 番号より、仕組みの違いを優先しましょう。

出典・参考

  1. [1]MCPC モバイルシステム技術検定 2級(出題カテゴリの図、確認 2026-09-27)
  2. [2]RFC 791 Internet Protocol(1981年9月、確認 2026-09-27)
  3. [3]RFC 8200 Internet Protocol, Version 6 (IPv6) Specification(2017年7月、確認 2026-09-27)
  4. [4]RFC 4291 IP Version 6 Addressing Architecture(確認 2026-09-27)
  5. [5]RFC 5952 A Recommendation for IPv6 Address Text Representation(確認 2026-09-27)
  6. [6]RFC 1918 Address Allocation for Private Internets(確認 2026-09-27)
  7. [7]RFC 6598 IANA-Reserved IPv4 Prefix for Shared Address Space(確認 2026-09-27)
  8. [8]RFC 6146 Stateful NAT64(確認 2026-09-27)
  9. [9]RFC 6877 464XLAT(確認 2026-09-27)
  10. [10]RFC 6459 IPv6 in 3GPP Evolved Packet System(確認 2026-09-27)
  11. [11]JPNIC IPv4アドレスの在庫枯渇に関して(確認 2026-09-27)

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