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Zigbee・Z-Wave・Wi-SUNの違い|IoT中級の要点

Zigbeeとは何かを、Z-Wave・Wi-SUNと周波数・トポロジ・用途・策定団体の比較表で整理。メッシュネットワークの考え方、IoT中級で取り違えやすい点の表、全選択肢を解説した独自の確認問題3問で、近距離無線の違いを確認できます。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • 3つとも、少ない電力で機器どうしをつなぐ無線規格で、中継して届く範囲を広げるメッシュを使える点が共通。
  • Zigbeeは IEEE 802.15.4 を土台にした規格で、主に2.4GHz帯。策定したZigbee Allianceは現在の Connectivity Standards Alliance(CSA)。
  • Z-Waveはサブギガ帯を使うスマートホーム向けの規格(Z-Wave Alliance)。Wi-SUNは IEEE 802.15.4 のSUN(Smart Utility Network)を使い、日本では920MHz帯でスマートメーターに使われる。
  • IoT中級では「周波数」「土台の規格」「策定団体」「用途」の組合せが取り違えやすい。最後に独自の確認問題3問で確かめる。

Zigbee・Z-Wave・Wi-SUNとは?一言でいうと?

3つとも、電池で動く小さな機器を、少ない電力で数十m〜数kmの範囲につなぐための無線規格です。LPWAのように1台の基地局で広い範囲をカバーするのではなく、機器どうしが電波を中継し合うメッシュで範囲を広げられるのが共通点です。

  • Zigbee:IEEE 802.15.4 を土台にした、家庭・ビル・エネルギー管理向けの規格。主に2.4GHz帯を使い、サブギガ帯にも対応する。CSAが策定・認証を行う
  • Z-Wave:サブギガ帯を使うスマートホーム向けの規格。Z-Wave Allianceが推進し、認証による製品間の相互運用を重視する
  • Wi-SUN:IEEE 802.15.4 のSUN(Smart Utility Network)物理層を使うサブギガ帯のメッシュ規格。電力メーター、街灯などの社会インフラ向けで、Wi-SUN Allianceが推進する

Zigbeeを策定したZigbee Allianceは、名称を Connectivity Standards Alliance(CSA) に変えています。CSAは、2022年に公開したスマートホームの共通規格Matterの策定団体でもあります(CSAの発表、2026年9月27日確認)。Matterとの関係は Matterとは で扱います。

周波数・トポロジ・用途はどう違う?比較表

土台になっている IEEE 802.15.4 は、IEEEの説明で「数か月から数年の電池寿命」と「非常に低い複雑さ」をねらった低速の無線規格です。当初の仕様では、2.4GHz帯(16チャネル)、915MHz帯(10チャネル)、868MHz帯(1チャネル)を使い、速度は250kbps・40kbps・20kbpsとされています。

Zigbee・Z-Wave・Wi-SUNの比較(各団体の公開資料より当サイトで整理。2026年9月時点)
比較軸ZigbeeZ-WaveWi-SUN
周波数主に2.4GHz帯(サブギガ帯にも対応)サブギガ帯(国・地域で異なる。米国は908.42MHzなど)サブギガ帯(日本は920MHz帯)
土台の規格IEEE 802.15.4Z-Wave Allianceの仕様IEEE 802.15.4 のSUN物理層
トポロジメッシュ(自己組織化・自己修復)メッシュ(1ネットワーク最大232台)。Long Rangeはスター型メッシュ(FANなど)
主な用途家庭・ビルの自動化、エネルギー管理スマートホームの機器スマートメーター、街灯、配電の自動化
推進・認証の団体CSA(旧Zigbee Alliance)Z-Wave AllianceWi-SUN Alliance
暗号AES-128の暗号化と認証S2セキュリティAES-128とPANA(HANの説明)

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表で押さえる分かれ目は2つです。周波数では、Zigbeeだけが主に2.4GHz帯で、Z-WaveとWi-SUNはサブギガ帯です。サブギガ帯は2.4GHz帯より障害物を回り込みやすく、Wi-Fiとの混雑も避けやすいため、屋外や壁の多い環境に向きます。用途では、Zigbee・Z-Waveが家の中の機器、Wi-SUNが電力メーターのような社会インフラ、と分けると覚えやすくなります。

Wi-SUN Allianceは、Wi-SUN FAN(Field Area Network)が2026年7月にISO/IEC/IEEE 32857:2026として採用されたと発表しています。Z-Waveの Long Range は、スター型で最大4,000台までつなげる拡張です(いずれも2026年9月27日確認)。

メッシュネットワークはなぜ強い?

メッシュネットワークは、電源につながった機器が中継役になり、電波をバケツリレーのように渡して遠くまで届ける構成です。1台ずつの電波は弱くても、中継を重ねることで家全体や街区全体をカバーできます。

スター型とメッシュ型の違い(一般的な整理)
項目スター型メッシュ型
つながり方すべての端末が中心の親機と直接つながる端末どうしが中継し合い、複数の経路を持つ
届く範囲親機の電波が届く範囲まで中継を重ねた分だけ広がる
故障への強さ親機が止まると全体が止まる1台が止まっても別の経路に切り替えられる
消費電力端末は親機とだけ話せばよく少ない中継役の機器は受信を続けるため電力を使う
例Z-Wave Long Range、LoRaWANの端末とゲートウェイZigbee、Z-Wave、Wi-SUN FAN、Thread

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CSAはZigbeeのメッシュを「自己組織化・自己修復」で、単一障害点をなくすと説明しています。一方で、中継役は受信を続ける必要があるため、電池で動く小さなセンサには中継を担わせず、電源のある機器に中継を任せる、という設計の考え方があります。「メッシュならすべての機器が電池で何年も動く」という選択肢には注意してください。

IoT中級ではどこで、どう問われる?

Zigbee・Z-Wave・Wi-SUNは、IoTシステム技術検定 中級の出題カテゴリ「センサ/アクチュエータ技術と通信方式(デバイス、ネットワーク、LPWA、プロトコル)」に入ります。公式ページの図では比率が25〜30%です(MCPC公式ページ、2026年9月27日確認)。公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』では第4章「IoT通信方式」に当たる範囲です(章とカテゴリの対応は当サイトの推定)。

規格ごとの出題数は公表されていません。4択では、次のような観点が考えられます(当サイトの予想で、出題の再現ではありません)。

  • 規格と「周波数帯」「土台のIEEE規格」「策定団体」の組合せを選ぶ
  • メッシュ型とスター型の長所・短所を入れ替えた記述を見抜く
  • スマートメーターとHEMSの通信に使われる規格を選ぶ
  • Zigbee AllianceとCSA、CSAとMatterの関係を問う

Wi-SUNがスマートメーターでどう使われるかは Wi-SUNとBルートとは で詳しく扱います。同じく近距離で使われる Bluetooth Low Energy との違いは Bluetooth Low Energyとは で確認できます。

どこで取り違えやすい?つまずき別の見直し表

取り違え正しい整理見直す手がかり
ZigbeeもWi-SUNも同じ920MHz帯だと思うZigbeeは主に2.4GHz帯。日本のWi-SUNは920MHz帯「スマートメーター」ならサブギガ帯のWi-SUN
Zigbee Allianceが今もその名前だと思う現在の名称はConnectivity Standards Alliance(CSA)CSA=旧Zigbee Alliance=Matterの策定団体
Z-WaveをIEEE 802.15.4の規格と混同するIEEE 802.15.4を土台にするのはZigbeeとWi-SUNZ-WaveはZ-Wave Allianceの仕様
メッシュならどの機器も電池で長く動くと思う中継役は受信を続けるため電力を使う。電池機器は末端にすることが多い中継役は電源につながった機器
Wi-SUNを家庭内だけの規格と思う電力メーター・街灯・配電など屋外の社会インフラが中心FAN=屋外の広域メッシュ

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確認問題1:CSAが策定し、主に2.4GHz帯で使う規格は?

IEEE 802.15.4 を土台とし、主に2.4GHz帯でメッシュネットワークを構成できる規格で、Connectivity Standards Alliance(旧Zigbee Alliance)が策定するものはどれか。

  1. Z-Wave
  2. Wi-SUN
  3. LoRaWAN
  4. Zigbee

正解:4。ZigbeeはIEEE 802.15.4を土台にした規格で、主に2.4GHz帯を使い、CSA(旧Zigbee Alliance)が策定・認証しています。

1のZ-Waveはサブギガ帯を使い、推進団体はZ-Wave Allianceです。2のWi-SUNはIEEE 802.15.4のSUN物理層を使いますが、サブギガ帯の規格で、推進団体はWi-SUN Allianceです。3のLoRaWANはLPWAのネットワーク仕様で、LoRa Allianceが管理し、メッシュではなくスター・オブ・スターズの構成です。

確認問題2:メッシュネットワークの利点はどれ?

スター型と比べたメッシュ型ネットワークの利点として、最も適切なものはどれか。

  1. すべての機器が中継をしないので消費電力が最も少ない
  2. 1台が故障しても別の経路で通信を続けやすい
  3. 中心の親機が1台あれば経路の管理が不要になる
  4. 機器の台数が増えても遅延が必ず小さくなる

正解:2。メッシュ型は複数の経路を持つため、中継役の1台が止まっても別の経路へ切り替えられ、単一障害点をなくしやすい構成です。

1は逆で、メッシュでは中継役の機器が受信を続けるため電力を使います。3はスター型の特徴に近く、メッシュでは経路を組み立てる仕組みが必要です。4は誤りで、中継の段数が増えると、その分だけ遅延は大きくなりえます。

確認問題3:Wi-SUNの説明として正しいのは?

Wi-SUNの説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 2.4GHz帯だけを使い、家庭内の照明制御だけに特化した規格である
  2. 携帯電話事業者の免許帯を使う3GPPの規格である
  3. 802.15.4のSUN物理層を土台に、国内は920MHz帯で使う
  4. Z-Wave Allianceが策定し、最大232台までのメッシュを組む

正解:3。Wi-SUNはIEEE 802.15.4のSUN(Smart Utility Network)物理層を土台にしたサブギガ帯の規格で、日本では920MHz帯でスマートメーターなどに使われています。

1は周波数も用途も違います。2.4GHz帯が中心なのはZigbeeで、Wi-SUNは屋外の社会インフラが中心です。2は3GPPのNB-IoTやLTE-Mの説明です。4はZ-Waveの説明(最大232台のメッシュ)です。

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よくある質問

ZigbeeとBluetooth Low Energyはどちらも2.4GHz帯ですが、何が違いますか?

Zigbeeは IEEE 802.15.4 を土台にした規格で、家やビルの機器をメッシュでつなぐことを重視します。Bluetooth Low Energy は Bluetooth SIG の規格で、スマートフォンと周辺機器の接続が中心です。2.4GHz帯という共通点だけで同じ規格と考えないようにします。

ZigbeeはMatterに置き換わるのですか?

CSAはZigbeeの新しい版(Zigbee 4.0など)の策定も続けており、2026年9月時点で置き換えが決まったという公式の発表は確認できません。MatterはIPを使うアプリケーション層の共通規格で、ZigbeeはIEEE 802.15.4上の規格です。役割の違う規格として区別してください。

Wi-SUNは家の中でも使われますか?

使われます。Wi-SUNには家庭向けのHAN(Home Area Network)の仕様があり、日本ではスマートメーターと家庭のHEMSをつなぐBルートがその代表例です。詳しくは Wi-SUN と Bルートの記事で扱います。

出典・参考

  1. [1]MCPC IoTシステム技術検定 中級(出題カテゴリと比率。2026年9月27日確認)
  2. [2]IEEE 802.15 WPAN Task Group 4(2026年9月27日確認)
  3. [3]Connectivity Standards Alliance: Zigbee(2026年9月27日確認)
  4. [4]Connectivity Standards Alliance: Matter Arrives(2022年10月。2026年9月27日確認)
  5. [5]Silicon Labs: Zigbee(802.15.4プラットフォーム。2026年9月27日確認)
  6. [6]Z-Wave Alliance: What is Z-Wave(2026年9月27日確認)
  7. [7]Wi-SUN Alliance(2026年9月27日確認)
  8. [8]Wi-SUN Alliance: Home Area Networking(2026年9月27日確認)
  9. [9]OpenThread: Thread Primer(2026年9月27日確認)

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