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モバイル1級 第10章 システム開発の要点

モバイルシステム技術検定1級(エキスパート編第9版)第10章「システム開発」の学習ガイド。ウォーターフォールとアジャイル、スクラム(2020年版)、V字モデルとテスト技法、CI/CDとDORA指標、セキュアな開発(NIST SSDF)を、2026年9月時点の変化と独自の確認問題3問で整理します。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • 第10章は1級のモバイルシステム科目に当たり、テキストの目次では5節(10-1〜10-5)です。この記事では、開発プロセス・設計・テストを中心に、科目範囲の「システム開発」に当たる論点を整理します。
  • 中心は、進め方(ウォーターフォール・アジャイル)の選び方、設計とテストの対応(V字モデル)、テストケースの作り方(同値分割・境界値分析)です。
  • スクラムは2020年11月版のスクラムガイドが現行で、3つの責任(開発者・プロダクトオーナー・スクラムマスター)、5つのイベント、3つの作成物と確約で覚えます(2026年9月27日確認)。
  • テキストの情報は2023年4月末時点です。その後、PMBOK ガイド第8版(ANSI/PMI 99-001-2025)、NIST の生成AI向け SSDF プロファイル(SP 800-218A、2024年7月)が出て、DORA の指標も5つに整理されています(2026年9月27日確認)。

第10章は、どの科目のどこに当たる?

1級の公式テキストは『モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版』(リックテレコム、2023年7月中旬発行、定価5,060円(税込)、ISBN 978-4-86594-367-2)です。出版社ページに第10版の告知は見当たりません(2026年9月27日確認)。記載内容は2023年4月末時点の情報とテキストにあります。改版の有無は公式発表を確認してください。

テキストの第2〜4章がネットワーク科目、第5〜8章が端末・アプリケーション科目、第9〜12章がモバイルシステム科目に当たると当サイトは整理しています(第1章は出題範囲外と当サイトは判断していますが、推定です)。第10章は、第9章 システム要件定義で決めたことを形にする章です。

第10章で押さえる論点(当サイトの整理。テキストの節とは1対1に対応しない)
論点中身キーワード
開発プロセス計画を先に固めるか、短い周期で作って直すかウォーターフォール・アジャイル・スクラム・ハイブリッド
プロジェクト管理範囲・日程・費用・リスク・関係者を管理するPMBOK・WBS・EVM
設計機能を部品に分け、部品どうしのつなぎ方を決めるアーキテクチャ・API・モジュール分割
テスト設計の段階ごとに、何をどのテストで確かめるかを対応させるV字モデル・単体・結合・システム・受入れ
リリースと品質自動でビルド・テスト・配布し、安全な作り方を工程に組み込むCI/CD・DORA 指標・SSDF

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MCPC の1級ページでは、モバイルシステム科目の範囲に「システム開発」が含まれます。試験は1科目43問・60分の4択で、章ごとの出題数は公式に公表されていません(2026年9月27日確認)。第10章の節は、出版社の目次では「10-1 開発手法」「10-2 設計」「10-3 実装」「10-4 検証」「10-5 納入」です。上の論点は、節の見出しと一次資料をもとにした当サイトの整理です。テキストの本文・図表・サンプル問題は使っていません。

2級から、どこが深くなる?

2級のテキスト(第11版)の章見出しには、開発プロセスを独立して扱う章はありません(リックテレコムの目次、2026年9月27日確認)。2級では第8章「モバイル端末のソフトウェア技術」でアプリの作り方や配布を、第13章でアプリケーションの例を学びました。1級では、チームとしてどう開発を進め、品質をどう保証するかという管理の視点が加わる、と当サイトは見ています。

2級と1級の見方の違い(当サイトの整理)
テーマ2級で押さえた範囲(目安)1級で深くなる所(当サイトの見立て)
アプリの作り方ネイティブ・Web・ハイブリッドの違い開発プロセスの選び方、チームの役割分担
テストほぼ扱わないテストの段階と設計の対応、テストケースの設計技法
配布ストアからの配布CI/CD による自動化、段階的なリリース、指標での改善
セキュリティ脅威と対策の知識開発の工程に安全な作り方を組み込む(SSDF など)

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アプリの形の違いはネイティブ・Web・ハイブリッド、自動化の考え方はDevOpsとCI/CD、開発にセキュリティを組み込む話はDevSecOpsで扱っています。

開発プロセスとスクラムの要点は?

要件が固まっていて変わりにくいならウォーターフォール、利用者の反応を見ながら変えていくならアジャイル、という選び方が基本です。実際には、全体の計画は予測型で立て、アプリの画面などは短い周期で作る、というハイブリッドも使われます。

スクラムガイド(2020年11月版)は、スクラムチームの責任を開発者・プロダクトオーナー・スクラムマスターの3つ、イベントをスプリント・スプリントプランニング・デイリースクラム・スプリントレビュー・スプリントレトロスペクティブの5つとしています。作成物と確約の組み合わせは次のとおりです(2026年9月27日確認)。

スクラムの作成物と確約(スクラムガイド2020年版、2026年9月27日確認)
作成物確約意味
プロダクトバックログプロダクトゴールプロダクトの将来の状態。チームが計画するときの目標
スプリントバックログスプリントゴールそのスプリントのただ1つの目的
インクリメント完成の定義インクリメントが品質の基準を満たした状態の正式な説明

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プロジェクト管理の知識体系として参照される PMBOK ガイドは、第8版(ANSI/PMI 99-001-2025)が出ています。PMI が公開している第8版の目次には、原則の見直し、プロセス群を「フォーカスエリア」として再導入、パフォーマンス領域の更新が改訂点として挙がり、パフォーマンス領域はガバナンス・スコープ・スケジュール・財務・ステークホルダー・資源・リスクの7つになっています(2026年9月27日確認)。

テストは、どう設計と対応させる?

V字モデルは、左側の設計の段階と右側のテストの段階を、同じ高さで対応させる考え方です。「そのテストは、どの段階で決めたことを確かめるのか」を言えるようにしておきます。

V字モデルの対応(当サイトの整理。呼び方は組織によって異なる)
左側(決めること)右側(確かめるテスト)確かめる中身
要件定義受入れテスト発注者・利用者の求めを満たしているか
基本設計(外部設計)システムテスト(総合テスト)システム全体として機能と非機能要件を満たすか
詳細設計(内部設計)結合テスト部品どうしのつなぎ(インタフェース)が正しいか
モジュール設計・プログラミング単体テスト部品1つずつが仕様どおりに動くか

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テストケースの作り方では、入力を「同じ扱いになるまとまり」に分けて代表値を選ぶ同値分割と、境目の前後を選ぶ境界値分析がよく使われます。たとえば「1以上100以下の整数を受け付ける」なら、境界値は 0・1・100・101 です。条件の組み合わせで結果が決まる場合はデシジョンテーブルで漏れを防ぎます。

リリースの自動化では、DORA がソフトウェアのデリバリーの成果を、スループット(変更のリードタイム・デプロイの頻度・失敗したデプロイからの回復時間)と不安定さ(変更失敗率・デプロイのやり直し率)の5つの指標で示しています(dora.dev、2026年9月27日確認)。

間違えやすい所は?

第10章で取り違えやすい点(当サイトの整理)
誤解しやすい言い方正しい整理見分け方
スクラムマスターはチームに指示を出す管理者スクラムの理解と実践を助け、チームの効果を高めることに責任を持つ。作業の割り当て役ではない「支援」「障害を取り除く」
インクリメントの確約はスプリントゴールインクリメントの確約は完成の定義。スプリントゴールはスプリントバックログの確約作成物と確約の組み合わせ
結合テストは要件を満たすかを確かめる結合テストは部品どうしのつなぎを確かめる。要件は受入れ・システムテストで確かめるV字の同じ高さの段階
境界値は範囲の内側だけ試せばよい境目の内側と外側の両方(1と0、100と101)を試す範囲の外側の値があるか
アジャイルは文書も計画も作らない動くソフトウェアを重視するが、必要な計画やバックログは作って更新し続ける「一切」「不要」という断定

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テキストの後に、何が変わった?(2026年9月時点)

テキストは2023年4月末時点の情報です。第10章に関係する変化のうち、一次資料で確かめたものを挙げます。

  • PMBOK ガイド第8版:ANSI/PMI 99-001-2025 として出ています。公開されている目次では、改訂点として原則の見直しとパフォーマンス領域の更新に加え、プロセス群を「フォーカスエリア」として再導入したことが挙がっています(PMI の公開目次、2026年9月27日確認)。
  • DORA の指標:当初の4つの指標から、失敗したデプロイからの回復時間への見直しと、デプロイのやり直し率の追加で5つの指標になっています(dora.dev、2026年9月27日確認)。
  • 生成AIのセキュアな開発:NIST は SSDF(SP 800-218、SSDF 1.1、2022年2月)を補う「生成AIとデュアルユース基盤モデルのための SSDF コミュニティプロファイル」(SP 800-218A)を2024年7月に公開しました(2026年9月27日確認)。部品の管理はSBOMとはへ。
  • ストアの要件:Google Play では、2026年8月31日から新規アプリと更新が Android 16(APIレベル36)以上を対象にする必要があり、延長の申請で2026年11月1日まで猶予を得られます(2026年9月27日確認)。開発計画に、毎年の対象APIレベルの引き上げへの対応を組み込む必要があります。

確認問題1:境界値分析で選ぶ値は?

(当サイトの独自問題)入力欄が「1以上100以下の整数」を受け付ける。境界値分析でテストデータを選ぶとき、最も適切な組み合わせはどれか。

  1. 1、50、100
  2. 0、50、101
  3. 0、1、100、101
  4. 1、2、99、100

正解:3。境界値分析では、有効な範囲の端(1と100)と、そのすぐ外側の無効な値(0と101)を選びます。

1:50は範囲の中の代表値で、同値分割の考え方です。範囲の外側を試していません。2:範囲の外側は試していますが、有効な範囲の端(1と100)を試していません。4:有効な範囲の中だけで、外側の無効な値(0と101)が入っていません。

確認問題2:インクリメントの確約は?

(当サイトの独自問題)スクラムガイド(2020年版)で、作成物「インクリメント」に対応する確約として、最も適切なものはどれか。

  1. プロダクトゴール
  2. スプリントゴール
  3. ベロシティ
  4. 完成の定義

正解:4。インクリメントの確約は完成の定義で、インクリメントが品質の基準を満たした状態を正式に説明するものです。

1:プロダクトゴールはプロダクトバックログの確約です。2:スプリントゴールはスプリントバックログの確約です。3:ベロシティはチームが使うことのある計測の値で、スクラムガイドの確約ではありません。

確認問題3:詳細設計に対応するテストは?

(当サイトの独自問題)V字モデルで、詳細設計(内部設計)で決めた部品どうしのつなぎ方を確かめるテストとして、最も適切なものはどれか。

  1. 結合テスト
  2. 受入れテスト
  3. システムテスト
  4. 単体テスト

正解:1。詳細設計では部品の分け方とインタフェースを決め、それが正しくつながるかを結合テストで確かめます。

2:受入れテストは、要件定義に対応し、発注者・利用者の求めを満たすかを確かめます。3:システムテストは、基本設計に対応し、システム全体としての機能と非機能を確かめます。4:単体テストは、部品1つずつを確かめるテストで、部品どうしのつなぎは対象外です。

確認問題のあとは、何を解けばいい?

間違えた問題は「どの段階の話か(計画・設計・テスト・リリース)」「どの作成物・どの役割の話か」で見直してください。第10章は組み合わせの取り違えを突く選択肢が作りやすい章です。

本番と同じ4択で確かめるなら、登録不要のモバイルシステム科目の無料お試し10問で解説まで読めます。科目ごとの模試と章別ドリルはモバイル1級の対策ページへ。前の章は第9章 システム要件定義、次の章は第11章 システム運用です。

当サイトはMCPCとは関係のない個人運営の非公式教材です。合格を保証するものではありません。公式テキストの本文・図表・巻末のサンプル問題は使っていません。

よくある質問

PMBOK は第7版と第8版のどちらで覚えればいいですか?

テキストは2023年4月末時点の情報なので、第7版までの考え方で書かれていると考えられます。試験がどの版に寄るかは公表されていません。当サイトでは、版に左右されにくい用語(WBS・クリティカルパス・EVM など)を先に押さえ、第8版の変化(プロセス群のフォーカスエリアとしての再導入)は「変わった点」として知っておくことをすすめています。

テスト技法の計算問題は出ますか?

章ごとの出題内容は公表されていません。当サイトでは、境界値の選び方やデシジョンテーブルの読み方のように、手を動かせば確実に解ける型を優先して練習することをすすめています。計算の型は1級の計算対策にまとめます。

モバイルアプリ特有のテストは何ですか?

端末の機種・OS のバージョン・画面の大きさの違い、通信が切れたり遅くなったりする状況、バックグラウンドへの移行や電池の節約機能による制限などです。対応する範囲を要件(第9章)で決め、テストの計画に落とし込むのが基本です。

出典・参考

  1. [1]リックテレコム『モバイルシステム技術テキスト エキスパート編 第9版』(目次・発行・価格、2026年9月27日確認)
  2. [2]リックテレコム『モバイルシステム技術テキスト 第11版』(2級の目次、2026年9月27日確認)
  3. [3]MCPC モバイルシステム技術検定[1級](科目・範囲・形式、2026年9月27日確認)
  4. [4]The Scrum Guide(2020年11月版、2026年9月27日確認)
  5. [5]PMI: PMBOK Guide Eighth Edition 目次(ANSI/PMI 99-001-2025、2026年9月27日確認)
  6. [6]DORA: DORA's software delivery performance metrics(2026年9月27日確認)
  7. [7]NIST SP 800-218 SSDF Version 1.1(2022年2月、2026年9月27日確認)
  8. [8]NIST SP 800-218A(2024年7月、2026年9月27日確認)
  9. [9]Google Play: Target API level requirements(2026年9月27日確認)

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