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ディープラーニングとは|CNN・RNNとIoT中級の要点

ディープラーニングを一文で定義し、層の考え方とCNN・RNN・Transformerの違いを比較表で整理。IoTの画像・時系列データでの使い分け、IoT中級で取り違えやすい点、独自の確認問題3問を解説します。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • ディープラーニング(深層学習)は、中間層を何層も重ねたニューラルネットワークで、データから特徴を段階的に取り出して学ぶ機械学習の手法です。
  • 代表的な構造は3つ。画像の局所的な特徴に強い CNN、順番のあるデータを前から順に処理する RNN、注意機構で要素どうしの関係を直接計算する Transformer です。
  • ディープラーニングは教師あり・教師なし・強化学習とは別の軸で、そのどれにも使われます。
  • IoT中級の出題カテゴリ「IoTデータ活用技術」(公式の比率は25〜30%)に当たる範囲です。

ディープラーニングとは何か?

一言でいうと、ディープラーニングは「層を深く重ねたニューラルネットワーク」を使う機械学習の手法です。「ディープ(深い)」は、入力と出力の間にある中間層(隠れ層)が多いことを指しています。

従来の機械学習では、画像のどの部分に注目するか、振動データのどの値を使うかといった特徴量を、人が考えて設計することが多くありました。ディープラーニングでは、層を重ねることで、単純な特徴から複雑な特徴へと段階的に表現を学べるため、特徴量の設計を人に頼る度合いを下げられる場合があります。

その代わり、一般に大量の学習データと計算資源を必要とし、なぜその答えになったのかを人が説明しにくいという面もあります。IoT で使う場合は、学習はクラウドで行い、推論(学習済みモデルでの判定)を機器の近くで行う、という役割分担もよく検討されます。

ニューラルネットワークの「層」はどう働くのか?

ニューラルネットワークは、入力層・中間層・出力層からなります。各層は前の層から受け取った値に重みを掛けて足し合わせ、活性化関数で変換して次の層へ渡します。

  1. 入力層:画像の画素、センサの値など、元のデータを受け取ります。
  2. 中間層(隠れ層):値を変換しながら、判断に役立つ特徴を取り出します。ここを多く重ねたものがディープラーニングです。
  3. 出力層:分類なら各カテゴリの確からしさ、回帰なら予測した数値を出します。
  4. 学習:出力と正解のずれ(誤差)が小さくなるように、出力側から入力側へ誤差を伝えて各層の重みを少しずつ直します(誤差逆伝播法)。

学習データにだけ合いすぎて新しいデータで当たらなくなる状態を過学習といいます。学習用とは別のデータで性能を確かめるのはこのためです。性能の測り方は適合率と再現率で、学習の種類そのものは機械学習の種類で整理しています。

CNN・RNN・Transformerの違いは?

3つの構造は「どんな形のデータを、どう処理するか」で区別できます。Transformer は2017年に公開された論文「Attention Is All You Need」で提案された構造で、原論文では再帰(RNN の仕組み)も畳み込み(CNN の仕組み)も使わず、注意機構だけに基づく構造として示されています(arXiv、2026年9月確認)。

CNN・RNN・Transformerの比較(当サイトの整理)
構造処理の仕方得意なデータIoTでの例
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)小さなフィルタをずらしながら掛け(畳み込み)、プーリングで要約する画像など、近くの値どうしの関係が大事なデータカメラ画像で製品の傷を見つける
RNN(再帰型ニューラルネットワーク)系列を前から順に処理し、前の状態を次の時刻へ渡す時系列・文章など順番に意味があるデータ振動の時系列から数秒先の値を予測する
Transformer注意機構で、系列内の要素どうしの関係を直接計算する文章など長い系列。並列に処理しやすい保守記録の文章を要約する言語モデル

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RNN は系列が長くなると古い情報を保ちにくいという課題があり、情報を残す・忘れるを調整する仕組みを持つ LSTM などの改良型が使われてきました。Transformer は要素を順番に一つずつ処理する必要がないため、並列計算がしやすく、大規模言語モデルの土台になっています。詳しくはTransformerとはで解説しています。

CNN の入力となる画像を作るカメラ側の仕組みはCMOSイメージセンサとはで扱っています。

IoT中級ではどの範囲で、どう問われそうか?

MCPC の公式ページでは、IoTシステム技術検定 中級(80問・90分・4者択一)の出題カテゴリの一つとして「IoTデータ活用技術(AI、ビッグデータ分析、活用事例)」が示され、比率は25〜30%です。当サイトでは、公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』の第3章「IoTデータ活用技術」がこの範囲に当たると推定しています(章名からの当サイトの判断です)。

4択の型としては次のようなものが考えられます。どれが多いかという出題頻度のデータは公表されていません。

  • 構造と特徴の対応:CNN・RNN・Transformer の説明文と名前を結び付けさせる。
  • 空欄の組合せ:「畳み込み層」「プーリング層」など、構成要素の名前を組み合わせで埋めさせる。
  • 用途の選択:画像・時系列・文章のどれにどの構造が向くかを事例で問う。
  • 言いすぎの見抜き:「ディープラーニングは教師あり学習にしか使えない」のような誤った限定を選ばせる。

試験全体の形式や日程はIoTシステム技術検定 中級とはで確認できます。

どこで取り違えやすいのか?

選択肢の説明がどの構造の特徴なのかを、次の表の問いで切り分けてください。

つまずき別の見直し表
取り違え正しい考え方確認する問い
ディープラーニング=教師あり学習層の深いネットワークという手法の名前。学習の種類とは別の軸説明しているのは手法か、学び方か
畳み込みとプーリングを逆に覚える畳み込みは特徴を取り出す、プーリングは要約して小さくする特徴を取り出す処理か、まとめる処理か
Transformer は RNN の一種再帰を使わず、注意機構で要素の関係を直接計算する前から順に処理しているか
層を増やすほど必ず精度が上がるデータ量・過学習・計算資源とのかね合いがある学習用と別のデータで確かめたか
特徴量の設計は常に不要人の設計に頼る度合いを下げられる場合がある、という程度断定が強すぎないか

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確認問題1:CNNの構成要素を埋められるか?

次の文の空欄Ⅰ・Ⅱに入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

「CNN は、小さなフィルタを画像上でずらしながら掛けて局所的な特徴を取り出す(Ⅰ)層と、取り出した特徴を要約してデータを小さくし、位置の小さなずれの影響を受けにくくする(Ⅱ)層を組み合わせた構造を持つ。」

  1. Ⅰ:畳み込み Ⅱ:プーリング
  2. Ⅰ:プーリング Ⅱ:畳み込み
  3. Ⅰ:注意機構 Ⅱ:全結合
  4. Ⅰ:再帰 Ⅱ:出力

正解:1。フィルタを掛けて特徴を取り出すのが畳み込み層、特徴を要約して小さくするのがプーリング層です。

2は二つの役割を逆にしています。3の注意機構は Transformer の中心となる仕組みで、CNN の特徴を取り出す層の説明には当たりません。4の再帰は RNN の仕組みで、出力層も特徴の要約を担う層ではありません。

確認問題2:Transformerの特徴を選べるか?

Transformer の特徴を説明したものとして、最も適切なものはどれか。

  1. 系列を前から一要素ずつ順に処理し、前の時刻の状態を次の時刻へ渡していく
  2. 注意機構で系列内の要素どうしの関係を直接計算し、並列に処理しやすい
  3. 小さなフィルタを画像上でずらしながら掛け、局所的な特徴を取り出していく
  4. 正解のないデータを似たもの同士でまとめ、グループを自動的に作っていく

正解:2。Transformer は注意機構に基づき、要素を一つずつ順に処理しなくてよいため、並列計算がしやすい構造です。

1は RNN の説明です。3は CNN の畳み込みの説明です。4は教師なし学習のクラスタリングの説明で、ネットワークの構造の話ではありません。

確認問題3:ディープラーニングの言いすぎを見抜けるか?

ディープラーニングに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. 中間層を多く重ねることで、単純な特徴から複雑な特徴へと段階的に表現を学べる
  2. 学習では、出力と正解の誤差が小さくなるように、各層の重みを少しずつ調整する
  3. 特徴量の設計を人に頼る度合いを下げられる一方、大量のデータを必要とすることが多い
  4. ディープラーニングは教師あり学習の一種であり、強化学習や教師なし学習には使えない

正解:4。ディープラーニングは層の深いネットワークを使う手法の名前で、教師あり学習だけでなく、教師なし学習や強化学習にも使われます。

1は「深い」層の役割の説明として適切です。2は誤差逆伝播法による学習の説明として適切です。3はディープラーニングの利点と負担を両方述べており適切です。

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よくある質問

AI・機械学習・ディープラーニングの関係は?

一般に、AI という広い分野の中に、データから学ぶ機械学習があり、その中の手法の一つとして層の深いニューラルネットワークを使うディープラーニングがある、という包含関係で説明されます。

IoT機器の上でディープラーニングを動かせますか?

学習済みモデルで判定する推論であれば、処理能力に合わせて小さくしたモデルを機器やゲートウェイで動かす方法があります。重い学習はクラウドで行い、推論だけを現場で行う分担がよく検討されます。

Transformer は文章専用ですか?

文章処理で広まった構造ですが、画像や時系列に応用した研究・製品もあります。試験の選択肢では「注意機構」「並列に処理しやすい」といった仕組みの特徴で判断するのが確実です。

出典・参考

  1. [1]MCPC IoTシステム技術検定 中級(出題カテゴリ・形式)確認 2026-09-27
  2. [2]MCPC 検定テキスト(IoT技術テキスト 第4版)確認 2026-09-27
  3. [3]Vaswani et al., Attention Is All You Need(arXiv:1706.03762、2017年6月初版)確認 2026-09-27

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