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データ駆動型システムとは|CPSとIoT中級の要点

データ駆動型システム(CPS)を、収集→蓄積→分析→フィードバックの流れで整理。IoT・デジタルツイン・Society 5.0との関係を比較表にし、IoT中級で取り違えやすい点と独自の確認問題3問で理解を確かめられます。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • データ駆動型システムは、現実(フィジカル空間)から集めたデータをサイバー空間で分析し、その結果を現実の判断や制御に返して価値を生む仕組み。この現実とサイバーの循環を CPS(Cyber-Physical System、サイバーフィジカルシステム) と呼ぶ。
  • 流れは 収集→蓄積→分析→フィードバック→評価。データを集めて見るだけでは循環が閉じていない。
  • IoT は CPS の「現実とつなぐ手段」、ビッグデータ・AI は「分析の手段」、デジタルツインは「現実を写したモデルを中心にした形」と、役割が違う。
  • 内閣府の Society 5.0 は、第5期科学技術基本計画(2016年1月閣議決定)で「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステム」による社会として示された。
  • IoT中級では「IoTシステム構成と構築技術」(15〜25%、2026年9月時点)に当たる。独自の確認問題3問つき。

データ駆動型システム(CPS)とは?一言でいうと

データ駆動型システムとは、現実の世界で測ったデータをサイバー空間(コンピュータの中)で分析し、その結果にもとづいて現実の機器や人の判断を動かす仕組みのことで、この現実とサイバー空間の循環を CPS(Cyber-Physical System)と呼びます。

「データ駆動」は、経験や勘、あらかじめ決めた固定の手順ではなく、実際に測ったデータを判断の起点にするという意味です。たとえば、決まった時刻に一律で空調を動かすのではなく、部屋ごとの温度・湿度・人の数を測り、その値から運転を決めるのがデータ駆動の考え方です。

日本の政策では、内閣府が示す Society 5.0 がこの考え方を土台にしています。Society 5.0 は、第5期科学技術基本計画(平成28年=2016年1月22日閣議決定)で初めて示され、「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」と定義されています(内閣府、2026年9月27日確認)。内閣府はその仕組みを、フィジカル空間のセンサで集めたデータをサイバー空間で AI が解析し、その結果をフィジカル空間へ返す流れとして説明しています。

収集→分析→フィードバックはどう流れる?

物流倉庫の例で、データ駆動型システムの流れを段階に分けます(説明用の例です)。

  1. 収集:棚のセンサ、フォークリフトの位置、出荷の記録などのデータを IoT で集める。
  2. 蓄積:クラウドにデータをため、形式をそろえ、欠けた値や明らかな誤りを処理する。
  3. 分析:どの時間帯・どの通路が混むか、どの商品が一緒に出荷されやすいかを調べ、翌日の作業量を予測する。
  4. フィードバック:棚の配置替えの提案、作業員の配置の変更、フォークリフトの経路の指示として現場に返す。
  5. 評価:変えた後のデータをまた集め、効果があったかを確かめて次の分析に生かす。

5 の評価が 1 の収集につながることで、循環が閉じます。試験の選択肢で「データを集めてグラフで表示する」だけの説明が出たら、フィードバックと評価が欠けていないかを確認してください。

2 の蓄積と分析の段階で扱うデータの特徴はビッグデータの3V、分析をすぐ行うかまとめて行うかはストリーム処理とバッチ処理の違いで扱っています。

CPS と IoT はどういう関係?

CPS・IoT・デジタルツイン・ビッグデータ・AI は、同じ場面で一緒に語られるため混同されがちです。役割で分けると次のようになります。

CPS と関連する用語の違い(当サイトの整理)
用語何を指すかCPS の中での役割
CPS現実とサイバー空間を結び、データで現実を動かす仕組み全体全体の枠組み
IoT機器をネットワークにつなぎ、データを集めたり機器を動かしたりすること現実とサイバー空間をつなぐ手段
ビッグデータ量・速度・多様性が大きく、従来の方法では扱いにくいデータ分析の材料
AI・機械学習データから規則を学び、予測や判定を行う技術分析の手段
デジタルツイン現実の対象を写し取り、状態を同期させ続ける仮想モデル現実を写したモデルを中心にした CPS の形
Society 5.0サイバーとフィジカルを融合させたシステムによる人間中心の社会(内閣府)CPS を社会全体に広げた目標像

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つまり「IoT があれば CPS」ではありません。IoT はデータを集めて現場を動かす手段で、そこに分析と、結果を現実に返す設計が加わって CPS になります。仮想モデルを中心にした形はデジタルツインとはで詳しく扱っています。

IoT中級ではどこで問われる?

IoTシステム技術検定 中級の公式ページに示された出題カテゴリのうち、「IoTシステム構成と構築技術(アーキテクチャ、サービスプラットフォーム)」15〜25% に当たります(2026年9月27日確認)。分析の手法そのものは「IoTデータ活用技術」(25〜30%)の範囲です。

公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』では、第2章「IoTシステムのコンピューティング技術」に当たる範囲です。章とカテゴリの対応は当サイトの推定で、使っているのは目次の章名だけです。

4択の形としては、当サイトの作問の観点で次のようなものが考えられます(出題の傾向や頻度を示すものではありません)。

  • CPS やデータ駆動型システムの説明として適切なものを選ぶ
  • 収集・分析・フィードバックの段階を正しい順に並べたものを選ぶ
  • IoT・デジタルツイン・AI の役割の違いを選ぶ
  • Society 5.0 の考え方として適切なものを選ぶ

IoTシステムの層の全体像はIoTシステムの構成にまとめています。試験の形式はIoTシステム技術検定 中級とはへ。合格基準は公式に非公開です。

取り違えやすい点は?

データ駆動型システム(CPS)で間違えやすい点(当サイトの整理)
つまずき正しい整理見分け方
データを集めて見える化すれば CPS だと思う分析の結果を現実の判断・制御に返すところまで含む「フィードバック」「制御」「指示」があるか
IoT と CPS を同じ意味だと思うIoT はつなぐ手段、CPS は循環全体の仕組み「手段」か「仕組み全体」か
フィジカル空間を仮想空間の意味だと思うフィジカル空間は現実の世界、サイバー空間はコンピュータの中フィジカル=物理的な現実
Society 5.0 を技術の名前だと思う内閣府が示した目指す社会の姿「社会」の像か「技術」かを見る
データ駆動なら人の判断は不要だと思う自動制御もあれば、人への提示で判断を支える形もある結果の返し方は「制御」と「提示」の両方がある

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確認問題1:CPS の説明はどれ?

CPS(サイバーフィジカルシステム)の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 現実の世界で集めたデータを分析し、その結果を現実の判断や制御に返す仕組み
  2. 仮想空間の中だけで人が交流し、現実の世界とは切り離して活動するための仕組み
  3. 機器の中に組み込んだプログラムを、ネットワークにつながずに動かすための仕組み
  4. 紙の記録を読み取って電子化し、検索できる形で長期間保管するための仕組み

正解:1。CPS は、現実(フィジカル)から集めたデータをサイバー空間で分析し、結果を現実に返す循環の仕組みです。

2 は現実との循環がなく、仮想空間の中で完結しています。3 はネットワークにつながないので、データを集めることも結果を返すこともできません。4 は電子化と保管で、分析して現実に返す段階がありません。

確認問題2:流れの順番として正しいのは?

データ駆動型システムの流れを表した次の a〜d を、正しい順に並べたものはどれか。

a:現場の運用を変える指示を出す b:センサで現場の状態を測る c:ためたデータから傾向を分析する d:変えた後のデータで効果を確かめる

  1. b → c → a → d
  2. c → b → a → d
  3. b → a → c → d
  4. a → b → c → d

正解:1。測る(b)→分析する(c)→現場に返す(a)→効果を確かめる(d)の順です。d の結果は次の b につながり、循環が閉じます。

2 はデータを集める前に分析しています。3 は分析する前に現場への指示を出しており、データにもとづく判断になっていません。4 も同じく、測る前に指示を出しています。

確認問題3:IoT と CPS の関係で正しいのは?

IoT と CPS の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. CPS は IoT の一部で、センサを無線でつなぐ方式だけを指す言葉である。
  2. IoT と CPS は同じ意味の言葉で、使う業界によって呼び方が違うだけである。
  3. CPS は IoT を使わない仕組みで、人が手で集めた記録だけを分析に使う。
  4. IoT は CPS の中で、現実とサイバー空間をつなぐ手段の役割を担っている。

正解:4。IoT は現実のデータを集め、分析の結果を現実の機器に返すための手段で、CPS という循環全体の中で「つなぐ」役割を担います。

1 は関係が逆で、CPS のほうが広い枠組みです。2 は、手段(IoT)と仕組み全体(CPS)の違いを無視しています。3 は誤りで、CPS は IoT のように現実とつながる手段がなければ成り立ちません。

確認問題のあとは何をすればいい?

迷った問題は、選択肢の中に「測る・分析する・返す」の3つがそろっているかを確かめてください。どれかが欠けた選択肢は、CPS の説明としては足りません。

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よくある質問

「データ駆動型社会」と「Society 5.0」は同じ意味ですか?

完全に同じ意味で使われるわけではありません。データ駆動型社会は、データを判断や価値の起点にする社会の性格を表す言葉として使われ、Society 5.0 は内閣府が示した目指す社会の姿の名前です。どちらも、現実とサイバー空間をデータで結ぶ CPS を土台にしています。

CPS とデジタルツインはどちらが広い言葉ですか?

一般には CPS のほうが広い枠組みで、デジタルツインは現実を写し取った仮想モデルを中心にした CPS の形として説明されます。デジタルツインとはで違いを表にしています。

IoT中級で CPS は何問出ますか?

公式に示されているのはカテゴリ単位の比率だけで(「IoTシステム構成と構築技術」15〜25%、2026年9月27日確認)、CPS の問題数は公表されていません。

出典・参考

  1. [1]MCPC IoTシステム技術検定 中級(出題カテゴリと比率、2026年9月27日確認)
  2. [2]内閣府 Society 5.0(定義・第5期科学技術基本計画・仕組みの説明、2026年9月27日確認)

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