この記事の要点
- JC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)は、IoT製品がセキュリティ要件を満たすかを確かめ、満たした製品にラベルを付ける制度で、IPA が運用しています。
- 2025年3月25日に運用が始まり、同日に★1の申請受付が始まりました。
- 水準は★1〜★4 の4段階です。★1・★2 は事業者の自己適合宣言、★3・★4 は第三者評価機関の評価に基づく IPA の認証です。
- ラベルは製品を選ぶ人のための目印です。使用中の機器に注意を促す NOTICE とは役割が違います。
JC-STARとは、ひと言でいうと何か?
一言でいうと、JC-STAR は「この IoT製品は決められたセキュリティ要件を満たしている」ことを、星の数のラベルで示す国内の制度です。正式名称は「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」で、情報処理推進機構(IPA)が運用しています。
IPA の発表によると、2025年3月25日に運用を開始し、同日から★1の申請受付を始めました(2026年9月27日確認)。買う側は、仕様書を読み込まなくても、ラベルで一定の対策がとられているかを判断しやすくなります。
対象は、ルータやネットワークカメラのような通信機能を持つ IoT製品です。製品の分野ごとに、どの★でどんな要件が求められるかが順次整えられています。
★1〜★4はどう違うのか?
★の数が増えるほど、求められる要件と、確かめ方の厳しさが上がります。表の「確かめ方」の列が、検定で区別を問われやすいと考えられる部分です。
| 水準 | 位置づけ | 確かめ方 | 受付の状況 |
|---|---|---|---|
| ★1 | IoT製品として共通に求められる最低限の要件 | 事業者の自己適合宣言 | 2025年3月25日から受付 |
| ★2 | ★1 に加え、製品の分野(製品類型)ごとの特徴を考えた基本的な要件 | 事業者の自己適合宣言 | IPA は2026年1月以降にネットワークカメラ・通信機器の分野から始める予定と発表 |
| ★3 | 政府機関・重要インフラ事業者・地方公共団体・大企業などの重要なシステムでの利用を想定し、★1・★2 に要件を追加 | 第三者評価機関の評価に基づく IPA の認証 | 分野ごとに順次整備 |
| ★4 | ★3 と同じく重要なシステムでの利用を想定した、より高い水準の要件 | 第三者評価機関の評価に基づく IPA の認証 | 分野ごとに順次整備 |
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各★の要件の中身や、受付を始めた製品分野は更新が続いています。試験前に IPA の制度ページで最新の状況を確かめてください(2026年9月時点では、★2 以上の申請が増えて確認に時間がかかっている旨の案内もあります)。
自己適合宣言と第三者評価は何が違うのか?
違いは「誰が要件への適合を確かめるか」です。どちらもラベルは付きますが、確かめる人と責任の置き方が異なります。
| 観点 | 自己適合宣言(★1・★2) | 第三者評価(★3・★4) |
|---|---|---|
| 確かめる人 | 製品を作る・売る事業者自身 | 独立した評価機関 |
| 手続き | 事業者がチェックし、適合を宣言して申請する | 評価機関の報告書をもとに IPA が認証する |
| 利点 | 費用と時間を抑えやすく、多くの製品が参加しやすい | 客観性が高く、高い水準の保証に向く |
| 注意点 | 確かめ方の信頼は事業者の誠実さに頼る部分がある | 評価に費用と時間がかかる |
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4択では、「★1 は第三者機関が評価する」のように確かめ方を入れ替えた記述が考えられます。★1・★2 が自己、★3・★4 が第三者と、境目を一つだけ覚えておくと迷いません。
IoT中級ではどの範囲で、どう問われそうか?
MCPC の公式ページでは、IoTシステム技術検定 中級(80問・90分・4者択一・CBT)の出題カテゴリ「IoT情報セキュリティ対策技術」の比率が20〜25%と図で示され、内訳に「標準と法制度」が挙がっています(2026年9月27日確認)。当サイトでは、公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』の第7章「IoT情報セキュリティ」がこの範囲に当たると推定しています(章名からの当サイトの判断です)。
テキストの発行時期より新しい制度なので、出題されるかどうかも含めて分かりません。学ぶ価値があるとすれば、次のような観点です。
- 運用主体:IPA が運用する制度であること。
- 確かめ方の区別:★1・★2 と ★3・★4 の違い。
- 制度の目的:調達者や利用者が製品を選ぶ目印になること。
- 他の取り組みとの区別:NOTICE やIoTセキュリティガイドラインとの違い。
試験の形式・日程はIoTシステム技術検定 中級とはにまとめています。
どこで取り違えやすいのか?
選択肢が左の列のように書かれていたら、右の問いで確かめてください。
| 取り違え | 正しい考え方 | 確認する問い |
|---|---|---|
| JC-STAR は総務省が運用する | 運用は IPA | 制度ページはどの機関のサイトにあるか |
| ★1 から第三者機関が評価する | ★1・★2 は自己適合宣言 | 確かめているのは事業者か、評価機関か |
| ★が多いほど対象の製品が多い | ★が多いほど要件と確かめ方が厳しい | 星は数量か、水準か |
| 使用中の機器を調べて注意喚起する | それは NOTICE。JC-STAR は販売前の製品評価 | 働きかける時期はいつか |
| ラベルがあれば更新は不要 | ラベルは評価時点の適合を示す。運用中の更新は別に必要 | ラベルは将来の脆弱性まで防ぐか |
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脅威そのものの整理はIoTの脅威と脆弱性で確認できます。
確認問題1:JC-STARの運用主体を答えられるか?
JC-STAR の説明として、最も適切なものはどれか。
- IPAが運用し、要件への適合を確かめた製品にラベルを付ける
- 総務省が運用し、使用中の機器の利用者へ注意喚起を届ける
- ISPが運用し、契約者の機器の通信を監視して異常を止める
- メーカー団体が運用し、製品の電波の出力を検査して認める
正解:1。JC-STAR は IPA が運用する、IoT製品のセキュリティ要件への適合を示すラベリング制度です。
2は NOTICE の内容に近く、運用主体の説明としても JC-STAR には当たりません。3は ISP のサービスの説明で、製品の評価ではありません。4は電波に関する適合の確認を思わせる内容で、セキュリティのラベリングとは別の仕組みです。
確認問題2:★ごとの確かめ方を区別できるか?
次の記述ア・イの正誤の組合せとして、正しいものはどれか。
ア:★1 と ★2 は、事業者が自ら要件への適合を確かめて宣言する方式である。
イ:★3 と ★4 は、事業者の宣言だけでラベルが付き、評価機関は関わらない。
- ア:正 イ:正
- ア:正 イ:誤
- ア:誤 イ:正
- ア:誤 イ:誤
正解:2。アは正しく、★1・★2 は自己適合宣言です。イは誤りで、★3・★4 は第三者評価機関の評価に基づいて IPA が認証します。
1と3はイを正しいとしている点、4はアまで誤りとしている点で当てはまりません。
確認問題3:ラベルが示すことの範囲を説明できるか?
JC-STAR のラベルについての説明として、最も不適切なものはどれか。
- 製品を選ぶ人が、対策の水準を比べるときの目印になる
- ★の数が多いほど、求められる要件の水準が高くなる
- ラベルが付けば、その後の脆弱性の修正は不要になる
- 水準によって、適合を確かめる人と手続きが異なる
正解:3。ラベルは評価した時点で要件に適合していたことを示すもので、その後に見つかる脆弱性まで防ぐわけではありません。運用中の更新は引き続き必要です。
1は制度の目的、2は★の意味、4は自己適合宣言と第三者評価の違いを正しく述べています。
同じ分野の問題を本番と同じ4択で試したい場合は、登録不要のIoT中級の無料お試し20問で、全問の解説まで確認できます。
よくある質問
調達する側は、ラベルをどう使えばよいですか?
求める水準を★の数で示し、候補の製品が満たしているかをラベルで確かめる、という使い方ができます。重要なシステムに使う機器ほど、第三者評価の★3・★4 が整っている分野かどうかも確認しておくと判断しやすくなります。ラベルを取得した後の更新方針やサポート期間は、別途メーカーに確かめます。
JC-STARのラベルがない製品は危険なのですか?
ラベルがないことだけで危険とは言えません。申請していない製品や、★2 以上の受付が始まっていない分野の製品もあります。ラベルは判断材料の一つとして使います。
海外の制度とは関係がありますか?
IPA の制度ページによると、英国の PSTI 法の制度とは2025年11月6日に協力覚書に署名し、シンガポールのラベリング制度(CLS)とは2026年3月18日に覚書に署名して相互承認が実現しています(2026年9月時点)。対象の範囲は IPA の制度ページで確認してください。
試験対策では★ごとの要件まで覚えるべきですか?
出題範囲の詳細は非公開なので断定できません。当サイトでは、細かな要件より、運用主体・4段階の区別・確かめ方の違いを優先して押さえることをすすめています。
出典・参考
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