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AIエージェントとは|生成AIとの違いと検定の要点

AIエージェントとは何かを国のガイドラインの定義で一言にし、チャット型の生成AIとの違いを計画・ツール実行・結果確認の比較表で整理。最小権限や人の承認など安全に使う制御と、独自の確認問題3問を収録しています。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • AIエージェントは、環境を認識し、特定の目標を達成するために自律的に行動する AI システムです(AI事業者ガイドライン第1.2版の定義)。
  • チャット型の生成AIが「聞かれたことに答える」のに対し、エージェントは目標から手順を計画し、検索や外部サービスなどのツールを呼び出して作業を進め、結果を見て次の行動を決めます。
  • 実際に操作をする分、誤りの影響も大きくなります。権限を必要最小限に絞る、重要な操作の前に人が承認する、操作の記録を残す、といった制御が欠かせません。
  • モバイル2級では「生成AI、IoTシステム及び主要アプリケーションの種類とその概要」(公式ページの図で23%)の範囲。公式テキストの改版の要点にも AI エージェントが挙がっています。

AIエージェントとは?一言でいうと?

総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版、2026年3月31日公表)」は、AIエージェントを「環境を認識し、特定の目標を達成するために自律的に行動する AI システム」と位置づけています。ここでいう「自律」は、完全に人の手を離れた状態だけでなく、一定の自律性を持つものも含むと注記されています。参考として、国際規格 ISO/IEC 22989:2022 の「環境を感知して反応し、自らの目標を達成するために行動する自動化された主体」という定義も併記されています。

同ガイドラインは、複数の AI エージェントを使って目標に向けて自律的に判断・行動するシステムを、より包括的な概念としてエージェンティックAI(Agentic AI) と呼んで区別しています。また、センサで現実の環境を捉え、アクチュエータなどを通じて物理的に行動するシステムをフィジカルAIと整理しています。

身近な例に置き換えると、チャットで「来週の出張の候補を調べて」と頼むと候補を文章で返すのが従来の生成AI、候補を調べたうえで予定表を確認し、空いている日を選んで予約の下書きまで作るのがエージェント、というイメージです(当サイトの説明用の例です)。

チャット型の生成AIとAIエージェントは何が違う?

違いは「どこまで自分で進めるか」と「外の世界に働きかけるか」です。当サイトの整理で比べます。

当サイトの独自整理
観点チャット型の生成AIAIエージェント
出発点利用者の質問・指示達成したい目標
進め方1回の入力に1回答えるのが基本手順を計画し、複数の手順を順に実行する
外部との関わり文章を返すまで(操作は人が行う)検索、外部サービスの API、ファイル操作などのツールを呼び出す
結果の確認人が読んで判断するツールの結果を見て、次の行動や計画の修正を自分で決める
誤りの影響誤った文章が表示される誤った操作(送信・削除・購入など)が実行されうる

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エージェントはどう動き、外部のツールとどうつながる?

エージェントの中核では、多くの場合 LLM が「次に何をするか」を考える役を担い、その周りに、ツールを呼び出す仕組み、途中の結果や過去のやり取りを保持する記憶、全体を繰り返し回す制御が組み合わされます。典型的な流れは次のとおりです。

  1. 目標を受け取り、達成までの手順を計画する
  2. 手順に合うツール(検索、社内システム、計算、ファイル操作など)を選んで呼び出す
  3. ツールの結果を観察し、目標に近づいたかを確かめる
  4. 必要なら計画を直し、次の手順に進む。目標を達成するか、止める条件に当たったら終える

エージェントが外部のツールやデータにつながる方法はさまざまですが、つなぎ方を共通化する取り組みもあります。その一例が MCP(Model Context Protocol) です。仕様(2025-06-18版)によると、MCP は LLM を使うアプリケーションと外部のデータ源やツールをつなぐためのオープンなプロトコルで、JSON-RPC 2.0 のメッセージを使い、ホスト(LLM アプリケーション)・クライアント(ホスト内の接続部品)・サーバー(データや機能を提供する側)の3者でやり取りします。

MCP の仕様は、ツールは任意のコード実行につながりうるため慎重に扱うべきだとし、ホストはツールを呼び出す前に利用者の明示的な同意を得なければならない、と定めています。ツールの説明文も、信頼できるサーバーから得たものでない限り信用しない扱いにするよう求めています。つなぐ仕組みと、止める仕組みがセットで設計されている点は、試験対策の上でも押さえておきたい考え方です。

安全に使うためにどんな制御が必要?

エージェントは操作まで行うため、誤りや悪用の影響が文章の誤りより大きくなります。OWASP が公表している LLM アプリケーション向けのリスク一覧(2025年版)には、外部から入り込んだ文章でモデルの振る舞いが変えられる「Prompt Injection(プロンプトインジェクション)」や、LLM を使うシステムに操作の権限を与えすぎる「Excessive Agency(過剰な権限・自律性)」が項目として挙がっています。

代表的な制御を、当サイトの整理で並べます。

当サイトの独自整理。OWASP Top 10 for LLM Applications 2025 の項目名を参照
制御何をするか防ぎたいこと
最小権限作業に必要なツール・データ・操作だけを許可する想定外の操作や情報の持ち出し
人の承認送信・削除・支払いなど取り消しにくい操作の前に人が確認する誤った判断がそのまま実行されること
実行範囲の制限隔離した環境で動かす、回数や金額の上限を決める暴走や資源の使いすぎ
入力の分離Web ページや文書の中の文章を「命令」として扱わないプロンプトインジェクション
記録と監視どのツールを、何のために、どう使ったかを残す問題が起きたときに原因をたどれないこと

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AI事業者ガイドラインも、AIの出力をうのみにせず、承認する前に理由と根拠を自分で確かめることを求めています。エージェントに任せる範囲が広がるほど、「どこで人が確かめるか」を先に決めておくことが大切です。

IoT の分野でも、MCPC の公式テキストのページによると『IoT技術テキスト 基礎編 改訂4版』の改版の要点に、IoT エコシステム、生成AI、AI エージェントの技術、Transformer が挙がっています。IoT との関わりは生成AIのIoT活用で扱っています。

モバイル2級ではどう問われる?

AI エージェントは、モバイル2級の出題カテゴリ「生成AI、IoTシステム及び主要アプリケーションの種類とその概要」(公式ページの図で23%、2026年9月27日確認)に当たるテーマです。MCPC の公式テキストのページでは、第11版の改版の要点として、生成AIについて従来の機械学習・深層学習から AI エージェントまでの説明を加えたことが挙げられています。当サイトの推定では、『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の第10章「生成AIとAI活用」の範囲に入ります(章とカテゴリの対応は当サイトの推定で、参照しているのは目次の章名だけです)。

4択の形式に当てはめると、次のような観点で知識を確かめられる可能性があります。当サイトの整理であり、出題頻度を示すものではありません(出題頻度は公表されていません)。

  • 説明文から AI エージェントを選ぶ(目標・計画・ツール実行・結果の確認)
  • チャット型の生成AIやルールどおりに動く自動化(RPA など)との違い
  • エージェントが使う道具としての検索・RAG・外部 API
  • 安全のための制御(最小権限、人の承認、記録)
  • プロンプトインジェクションなど、エージェント特有のリスク

エージェントの頭脳になる LLM は生成AIとLLMとは、検索で資料を補う仕組みはRAGとはで確認できます。試験全体の形式はモバイルシステム技術検定2級とはをご覧ください。

どこで間違えやすい?つまずき別の見直し表

当サイトの独自整理
つまずき正しい理解見直しのコツ
チャットで答えるAIはすべてエージェントだと思うエージェントは目標に向けて計画し、ツールを使って行動するもの「答える」か「進める」かで分ける
RPA と AI エージェントは同じだと思うRPA は決められた手順を正確に繰り返す自動化。エージェントは状況を見て次の行動を決める手順が固定か、その場で決めるか
自律的なら人の確認は不要だと思う取り消しにくい操作の前に人が承認する設計が重要「任せる範囲」と「止める場所」をセットで決める
権限は多いほど便利で安全だと思う権限を与えすぎることはリスクとして挙げられている必要最小限から始める
外部の Web ページの文章は安全な情報だと思う紛れ込んだ指示文で振る舞いを変える攻撃がある外部の文章は「データ」として扱う
エージェンティックAIと AI エージェントは同じ言葉だと思うガイドラインでは、複数のエージェントを使うより包括的な概念として区別している単体か、複数の組合せか

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確認問題1:目標に向けて計画し、ツールを使って進めるAIは?

次の文の空欄に入る語句として、最も適切なものはどれか。「目標を与えられると手順を計画し、外部のツールを呼び出して作業を進め、その結果を確かめながら次の行動を決める AI システムを( )という。」

  • 1. エキスパートシステム
  • 2. AIエージェント
  • 3. ルールベースのRPA
  • 4. 画像生成モデル

正解は2。AI エージェントは、環境を認識し、目標を達成するために自律的に行動する AI システムで、計画・ツールの実行・結果の確認を繰り返します。

1が誤りなのは、エキスパートシステムは専門家の知識をルールとして組み込み、推論で答えを出す仕組みで、ツールを呼び出して作業を進めることが中心ではないからです。3が誤りなのは、ルールベースの RPA は決められた手順を正確に繰り返す自動化で、状況を見て計画を立て直すものではないからです。4が誤りなのは、画像生成モデルは画像を作ることが役割で、作業を計画して進める仕組みではないからです。

確認問題2:エージェントの安全対策の組合せは?

AI エージェントの安全対策に関する次の記述ア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものはどれか。

ア:エージェントに与える権限は、作業に必要な範囲に絞ることが望ましい。

イ:取り消しにくい操作の前に人が承認する仕組みは、誤った操作の影響を抑える手段になる。

  • 1. ア:正 イ:正
  • 2. ア:正 イ:誤
  • 3. ア:誤 イ:正
  • 4. ア:誤 イ:誤

正解は1。アは正しい記述です。権限を与えすぎることは、OWASP の一覧でも Excessive Agency としてリスクに挙げられています。イも正しい記述です。送信や削除など取り消しにくい操作の前に人が確認すれば、誤った判断がそのまま実行されるのを防げます。

アまたはイのどちらかを誤とする2・3・4は、いずれも誤りです。MCP の仕様がツール呼び出しの前に利用者の同意を求めているのも、同じ考え方に立っています。

確認問題3:AIエージェントについて不適切な記述は?

AI エージェントに関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  • 1. Web ページに紛れ込んだ指示文に従ってしまう攻撃に注意が必要である。
  • 2. ツールの結果を見て、計画を修正しながら作業を進めることがある。
  • 3. 自律的に動くので、どのツールを使ったかの記録を残す必要はない。
  • 4. 検索や外部サービスの API をツールとして呼び出すことがある。

正解は3。自律的に動くからこそ、どのツールを何のために使ったかを記録しておかないと、問題が起きたときに原因をたどれません。記録と監視は重要な制御です。

1は適切です。外部の文章でモデルの振る舞いを変えるプロンプトインジェクションは、OWASP の一覧で最初の項目に挙がっています。2は適切です。結果を観察して計画を直すことは、エージェントの基本的な流れです。4は適切です。検索や外部サービスの呼び出しは、エージェントの代表的なツールです。

3問の根拠を説明できたら、生成AI以外のテーマも含めて本番形式で確かめてみましょう。モバイル2級の無料お試し20問は登録不要で解けます。

よくある質問

AI エージェントとエージェンティックAIは違うものですか?

AI事業者ガイドライン(第1.2版)は、エージェンティックAIを、複数の AI エージェントを使って目標に向けて自律的に判断・行動する、より包括的で発展的な概念として区別しています。単体の AI エージェントと、それらを組み合わせたシステム全体、と整理すると覚えやすくなります。

スマホの音声アシスタントは AI エージェントですか?

機能しだいです。質問に答えるだけなら従来型の対話システムに近く、目標に向けて複数のアプリや外部サービスを使い分け、結果を見ながら作業を進めるなら、エージェントの性質を持つと言えます。名称ではなく、計画・ツールの実行・結果の確認があるかで判断するのがコツです。

MCP は試験に出ますか?

出題の有無や頻度は公表されていないため、分かりません。当サイトでは、MCP を「エージェントと外部のツールをつなぐ仕組みを共通化する取り組みの一例」として紹介しています。名前の暗記より、ツール呼び出しの前に利用者の同意を求めるといった安全の考え方を理解しておくことをすすめます。

出典・参考

  1. [1]総務省「AI事業者ガイドライン」掲載ページ(第1.2版、確認 2026-09-27)
  2. [2]Model Context Protocol Specification(2025-06-18、確認 2026-09-27)
  3. [3]OWASP Top 10 for LLM Applications 2025(確認 2026-09-27)
  4. [4]MCPC モバイルシステム技術検定[2級](出題カテゴリ・確認 2026-09-27)
  5. [5]MCPC 公式テキスト(改版の要点・確認 2026-09-27)

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