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生成AIとLLMとは|モバイル2級で問われる点

生成AIとLLMの違いを、従来の予測型AIとの比較表で一言から整理。次のトークンを予測する仕組み、ハルシネーションと業務での注意点、第11版で加わった範囲との関係を、独自の確認問題3問とともに確認できます。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • 生成AIは、文章・画像・音声などのコンテンツを新しく作り出すAIの総称。LLM(大規模言語モデル)は、そのうち文章を扱う中心的な技術です。
  • LLM は、入力された文脈に続く「次のトークン(語や語の断片)」を確率的に予測し、それを繰り返して文章を組み立てます。土台には2017年に発表された Transformer の仕組みがあります。
  • 統計的な予測で文章を作るため、もっともらしいが事実と違う内容(ハルシネーション)が出ることがあります。根拠の確認と、機密情報を入れない運用が欠かせません。
  • モバイル2級の出題カテゴリ名には「生成AI」が明記され、比率は6カテゴリで最大の23%です。公式テキスト第11版の改版の要点にも生成AI・LLM が挙がっています。

生成AIとLLMとは?一言でいうと?

生成AIは、学習したデータの特徴をもとに、文章・画像・音声・プログラムなどの新しいコンテンツを作り出すAIの総称です。総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版、2026年3月31日公表)」は、AIの用途が「予測」「推奨」「判断」に加えて、画像や文章などを生成する生成AIへと広がったと説明しています。

LLM(Large Language Model、大規模言語モデル) は、大量の文章で事前に学習した、言葉を扱うための大きなモデルです。質問への回答、要約、翻訳、文章の下書き、プログラムの作成など、言葉を入り口とする生成AIの多くは LLM を中心に作られています。

つまり、生成AIは「何をするか(生成する)」による分類、LLMは「どんな技術か(大規模な言語モデル)」による分類です。画像を作る生成AIのように LLM ではないものもあれば、LLM を文章の分類や情報抽出のような「生成以外」の用途に使うこともあります。両者は重なりが大きいものの、同じ言葉ではありません。

生成AI・LLM・従来のAIは何が違う?

違いが見えやすいように、従来型の予測・分類のAIと並べます(当サイトの整理です)。

当サイトの独自整理
観点従来の予測・分類AILLM生成AI(総称)
主な出力数値・ラベル(例:不良品か否か)文章(トークンの並び)文章・画像・音声・コードなど
学習の仕方の例目的ごとに正解付きデータで学習することが多い大量の文章で事前学習し、必要に応じて追加の学習で調整扱うデータの種類ごとのモデルを使う
1つのモデルの使い道特定の作業に特化指示の出し方で多くの作業に使えるモデルにより幅が異なる
代表的な注意点学習データの偏り事実と違う内容をもっともらしく出すことがある権利・なりすまし・誤情報の拡散

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AI事業者ガイドラインは、2021年ごろから、特定の分野に限らず使える「基盤モデル」の台頭によって汎用的なAIの開発が進んだと整理しています。LLM はこの基盤モデルの代表例です。1つのモデルを、指示(プロンプト)の書き方しだいで要約にも翻訳にも使える点が、目的ごとにモデルを作ってきた従来のAIとの大きな違いです。

LLM の土台になっている Transformer の注意機構(文中のどの語に注目するかを計算する仕組み)は、Transformerとはで詳しく扱っています。

LLMはどうやって文章を作る?(トークンと次の語の予測)

LLM は文章をそのまま扱うのではなく、トークンという単位に区切って扱います。トークンは単語のこともあれば、単語の一部や記号のこともあります。LLM が文章を作る流れは、次の繰り返しです。

  1. 入力された文章(プロンプト)をトークンの並びに変える
  2. それまでの並び全体を手がかりに、次に来るトークンの候補ごとの確率を計算する
  3. 確率にもとづいて、次のトークンを1つ選ぶ
  4. 選んだトークンを並びの末尾に加え、2に戻る
  5. 終わりを示すトークンが出るか、長さの上限に達したら止める

当サイトの説明用の例で考えます。「東京は日本の」という並びの次に来る語として、モデルは「首都」に高い確率、「都市」にそれより低い確率……と候補ごとの確率を出し、そのうちの1つを選びます。選び方の設定によって、毎回同じ答えに近づけることも、表現のばらつきを増やすこともできます。

この「次を予測する」力は、学習の2段階で身に付きます。AI事業者ガイドラインは、学習を事前学習(基盤となるモデルを作る)と事後学習(特定の分野への適応や、人の意図に沿った振る舞いへの調整)に分け、事後学習の例としてファインチューニングや、人のフィードバックを使った強化学習(RLHF)を挙げています。

予測の土台になっている Transformer は、2017年6月に論文「Attention Is All You Need」で発表されたモデルで、それまで主流だった再帰型や畳み込み型のネットワークを使わず、注意機構だけで文の関係を捉える点が特徴です。

ハルシネーションとは?使うときに何に注意する?

ハルシネーションは、生成AIが事実と異なる内容を、自信のある文体で出力してしまう現象です。米国の NIST(国立標準技術研究所)が2024年7月に公表した生成AIのリスク管理の資料(NIST AI 600-1)は、これを「作話(confabulation)」と呼び、生成モデルが学習データの統計的な分布に近い出力を作る仕組みから自然に生じるもので、LLM が次のトークンを予測することと関係していると説明しています。

もっともらしい理由付けや、実在しない出典を添えてしまうこともあるため、「説明が丁寧だから正しい」とは言えません。業務で使うときの注意を、当サイトの整理で並べます。

  • 根拠を確かめる:数値・固有名詞・条文・出典は、元の資料や一次情報で照合する
  • 機密・個人情報を不用意に入れない:入力した情報の扱いを利用規約と社内規程で確認する
  • 最新の出来事に弱いことを知る:学習した時点より後の情報は、追加の情報を与えない限り正確に答えられない
  • 人が判断する:AIの出力をうのみにせず、承認する前に理由と根拠を自分で確かめる
  • 生成物であることを示す:必要に応じて、AIで作成した内容であることを利用者に伝える

外部の文書を検索して回答の根拠に使う RAG(検索拡張生成)は、AI事業者ガイドラインでもハルシネーションの抑制や根拠の透明性の向上が期待される手法として触れられています。仕組みはRAGとはで扱っています。

制度面では、日本で「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法、令和7年法律第53号)が2025年6月4日に公布されました(e-Gov で確認、2026年9月時点で施行中)。事業者向けの具体的な指針は、先の AI事業者ガイドラインで示されています。

モバイル2級ではどう問われる?

モバイル2級の出題カテゴリ「生成AI、IoTシステム及び主要アプリケーションの種類とその概要」は、公式ページの図で23%と、6つのカテゴリの中で最も大きな比率です(2026年9月27日確認)。カテゴリ名に「生成AI」が明記されている点も見逃せません。当サイトの推定では、公式テキスト『モバイルシステム技術テキスト 第11版』の第10章「生成AIとAI活用」の範囲に入ります(章とカテゴリの対応は当サイトの推定で、参照しているのは目次の章名だけです)。

MCPC の公式テキストのページでは、第11版の改版の要点として、生成AIについて従来の機械学習・深層学習から AI エージェントまでの説明を加えたことや、LLM による AI の学習・推論の技術、RAG などが挙げられています。4択の形式に当てはめると、次のような観点で知識を確かめられる可能性があります。当サイトの整理であり、出題頻度を示すものではありません(出題頻度は公表されていません)。

  • 生成AI と LLM、基盤モデルの関係(総称と技術の区別)
  • LLM が次のトークンを予測して文章を作る仕組み
  • 事前学習と事後学習(ファインチューニング)の違い
  • ハルシネーションの意味と、それを減らす工夫
  • 業務で使うときの注意(機密情報、権利、出力の確認)

関連する AI エージェントはAIエージェントとは、端末の中で AI を動かす話はエッジAIとはで整理しています。試験全体の形式はモバイルシステム技術検定2級とはをご覧ください。

どこで間違えやすい?つまずき別の見直し表

当サイトの独自整理
つまずき正しい理解見直しのコツ
生成AIと LLM を同じ意味だと思う生成AIは用途による総称、LLM は言語を扱う大規模モデルという技術「何をするか」と「何でできているか」を分ける
LLM は文章を検索して貼り合わせていると思う学習で得た確率にもとづき、次のトークンを予測して生成する「予測の繰り返し」と言い換える
自信のある文体なら正しいと思うハルシネーションはもっともらしい文体で出ることがある文体ではなく根拠で判断する
学習後の出来事も正確に答えられると思う学習時点より後の情報は、追加で与えない限り反映されない新しい情報は外部から渡す(RAG など)
ファインチューニングで最新情報を毎日反映するのが普通だと思うファインチューニングはモデルの重みを調整する学習で、手間と計算がかかる頻繁に変わる知識は検索で補う発想も持つ
トークン=単語だと思うトークンは単語の一部や記号のこともある「モデルが扱う最小単位」と覚える

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確認問題1:LLMが繰り返し予測するものは何?

次の文の空欄に入る語句として、最も適切なものはどれか。「LLM は、入力された文脈に続く( )を確率的に予測し、それを繰り返すことで文章を生成する。」

  • 1. 次のトークン
  • 2. 正解のラベル
  • 3. 検索の順位
  • 4. 画素の値

正解は1。LLM は、それまでのトークンの並びを手がかりに次のトークンの確率を計算して1つ選び、末尾に加える処理を繰り返します。

2が誤りなのは、正解のラベルを出力するのは、特定の作業向けに学習した分類型のモデルの説明だからです。3が誤りなのは、検索の順位を決めるのは検索エンジンの役割で、LLM の生成の仕組みではないからです。4が誤りなのは、画素の値を扱うのは画像を生成するモデルの説明で、文章を生成する LLM の説明ではないからです。

確認問題2:ハルシネーションと学習時点の組合せは?

次の記述ア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものはどれか。

ア:ハルシネーションとは、もっともらしいが事実と異なる内容を生成AIが出力する現象である。

イ:LLM は、学習した時点より後の出来事についても、追加の情報を与えなくても正確に答えられる。

  • 1. ア:正 イ:正
  • 2. ア:正 イ:誤
  • 3. ア:誤 イ:正
  • 4. ア:誤 イ:誤

正解は2。アは正しい記述です。NIST AI 600-1 も、自信を持って提示される誤った内容を、一般にハルシネーションと呼ばれる現象として説明しています。

イは誤りです。LLM が持っている知識は学習した時点までのデータに基づくため、その後の出来事は、検索結果などを追加で与えない限り正確には答えられません。したがってイを正とする1と3は誤り、アを誤とする3と4も誤りです。

確認問題3:業務で生成AIを使うときの注意として不適切なのは?

業務で生成AIを使う際の注意として、最も不適切なものはどれか。

  • 1. 生成された数値や固有名詞は、元の資料や一次情報で確かめる。
  • 2. 社外秘の情報を入力する前に、利用規約と社内規程を確認する。
  • 3. AIで作成した内容であることを、必要に応じて利用者に伝える。
  • 4. 回答の文体に自信があれば、事実の確認を省いて公開してよい。

正解は4。生成AIは誤った内容も自信のある文体で出すことがあるため、文体の印象は正しさの根拠になりません。公開前の事実確認は省けません。

1は適切です。数値や固有名詞は誤りが入りやすく、一次情報での照合が有効です。2は適切です。入力した情報の扱いはサービスごとに異なるため、事前の確認が必要です。3は適切です。AI事業者ガイドラインでも、AIで生成したことを示す工夫が取り上げられています。

3問の根拠を説明できたら、次は生成AI以外も含めた本番形式で確かめてみましょう。モバイル2級の無料お試し20問は登録不要で、公式カテゴリの比率に沿って出題されます。

よくある質問

ChatGPT のようなサービスと LLM は同じものですか?

サービスと、その中で動くモデルは分けて考えます。LLM は文章を生成するモデル(技術)で、チャットサービスは LLM に画面、会話の履歴の管理、安全のための仕組みなどを組み合わせた製品です。同じ LLM を使っていても、サービスによって振る舞いが異なることがあります。

生成AIの範囲はモバイル2級でどれくらいの割合ですか?

生成AIを含むカテゴリ「生成AI、IoTシステム及び主要アプリケーションの種類とその概要」全体が23%です(公式ページの図、2026年9月27日確認)。このカテゴリには IoT や各種アプリケーションも含まれるため、生成AIだけの割合は公表されていません。

第10版のテキストで生成AIの範囲は足りますか?

MCPC の公式ページによると、第11版は2026年5月の第42回から適用され、生成AI・LLM・RAG などが改版の要点に挙がっています。第10版にない内容が含まれる可能性があるため、第10版で学ぶ場合は、この範囲を公式ページや一次資料で補うのが安全です。

出典・参考

  1. [1]総務省「AI事業者ガイドライン」掲載ページ(第1.2版、確認 2026-09-27)
  2. [2]NIST AI 600-1: Generative Artificial Intelligence Profile(2024年7月、確認 2026-09-27)
  3. [3]Vaswani et al., Attention Is All You Need(arXiv:1706.03762、確認 2026-09-27)
  4. [4]e-Gov 法令検索:人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(確認 2026-09-27)
  5. [5]MCPC モバイルシステム技術検定[2級](出題カテゴリ・確認 2026-09-27)
  6. [6]MCPC 公式テキスト(第11版の改版の要点・確認 2026-09-27)

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