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BCPとは|IoTシステムの事業継続と中級の要点

BCPとBCM・DR(災害復旧)の違い、目標復旧時間などの指標、IoTシステムで考える冗長化や遠隔監視を表で整理。IoT中級で取り違えやすい点を、独自の確認問題3問で確かめられます。

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執筆
ICT模試 編集部

この記事の要点

  • BCP(事業継続計画)は、災害や事故で業務が止まっても、重要な業務を続けるか、決めた時間内に再開するための計画です。
  • BCM(事業継続マネジメント)は、BCP を作り、訓練し、見直し続ける管理の活動全体です。DR(災害復旧)は、主に IT システムやデータを復旧させる取り組みで、BCP の一部に当たります。
  • 判断の軸は、どの業務を優先するか、いつまでに再開するか(目標復旧時間)、どこまでのデータを守るか、の3つです。
  • IoT システムでは、機器・通信・クラウドのどこが止まっても業務に響くため、冗長化、遠隔監視、現地に行けないときの手順が加わります。

BCP(事業継続計画)とは、ひと言でいうと何か?

一言でいうと、BCP は「止まったら困る業務を、何があっても続けるか、決めた時間内に戻すための計画」です。英語の Business Continuity Plan の頭文字です。

内閣府の防災のページでは、BCP を、災害時に重要業務の継続を確保し、中断しても目標復旧時間内に再開するための計画として説明し、バックアップシステムの整備や代わりのオフィスの確保などの対策を含むとしています。内閣府の「事業継続ガイドライン」の最新版は2023年3月の改定です(いずれも2026年9月27日確認)。

ポイントは、すべての業務を守ろうとしない点です。資源が限られる中で、優先する業務を決め、その業務に必要なものを守るのが BCP の考え方です。

BCPとBCM・DRはどう違うのか?

似た略語が並ぶため、「計画か、管理か、システムの復旧か」で区別します。

BCP・BCM・DRの違い(当サイトの整理)
用語意味範囲例
BCP(事業継続計画)重要業務を続ける・戻すための計画業務・人・設備・IT を含む事業全体被災時の優先業務、代わりの拠点、連絡の手順を決めた文書
BCM(事業継続マネジメント)BCP を作り、訓練し、見直す管理の活動計画の作成から改善までの継続した取り組み年に一度の訓練と、その結果による計画の修正
DR(災害復旧)IT システムやデータを復旧させる取り組み主に IT の範囲(BCP の一部)別の地域のデータセンターにバックアップを置く

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内閣府のページでも、BCM は BCP に含まれるマネジメントの要素を強調するときに使う言葉とされています。BCP は文書、BCM は回し続ける活動、DR は IT の復旧と覚えておくと区別しやすくなります。

どんな指標で目標を決めるのか?

BCP や DR では、次の2つの指標で目標を数字にするのが一般的です。取り違えやすいので、「時間の向き」で区別しましょう。

目標を決める主な指標(当サイトの整理)
指標意味見ている方向IoTでの例(当サイトの例)
RTO(目標復旧時間)止まってから、いつまでに再開するか障害の後ろ(未来)データ収集が止まっても、4時間以内に再開する
RPO(目標復旧時点)どの時点までのデータを取り戻すか障害の前(過去)直前10分より前のセンサデータは失わない

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RTO を短くするには待機系の設備を用意し、RPO を短くするにはバックアップや複製の間隔を短くします。どちらも短くするほど費用がかかるため、業務の重要度に合わせて決めます。

IoTシステムでは何を考えるのか?(冗長化・遠隔監視)

IoT システムは、現場の機器、通信回線、ゲートウェイ、クラウドがつながって動きます。どこか一か所が止まれば、全体が止まりかねません。層ごとに考えることを表にまとめます。

IoTシステムの層ごとの備え(当サイトの整理)
層起こりうること備えの例
現場の機器・センサ停電、故障、設置場所の被災予備電源、重要な場所には予備の機器
通信回線回線の断絶、通信の混雑有線とモバイルなど複数の回線、機器側でのデータの一時保存
ゲートウェイ・エッジ処理の停止クラウドと切れても最低限の制御を現場で続ける作り
クラウド・サーバデータセンターの被災、障害別の地域への複製、定期的なバックアップ
運用・人担当者が現地に行けない遠隔監視と遠隔操作、手順書と連絡網の用意

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処理を現場とクラウドのどちらに置くかは、止まったときの影響も左右します。考え方はエッジ・フォグ・クラウドの違いで整理しています。

機器が故障したときに止めるか続けるかの設計は、フールプルーフ・フェールセーフ・フォールトトレランスの違いが参考になります。

IoT中級ではどの範囲で、どう問われそうか?

MCPC の公式ページでは、IoTシステム技術検定 中級(80問・90分・4者択一・CBT)の出題カテゴリの一つに「IoTシステム構成と構築技術」があり、比率は15〜25%と図で示されています(2026年9月27日確認)。当サイトでは、公式テキスト『IoT技術テキスト 第4版』の第8章「IoTシステムの開発・運用・保守上の留意点」がこの内容に当たると推定しています(章とカテゴリの対応は目次の章名からの当サイトの推定です)。

出題頻度は公表されていないため、次は考えられる観点の例です。

  • 用語の区別:BCP・BCM・DR の範囲の違い。
  • 考え方:すべてを守るのではなく、重要業務を優先すること。
  • 指標:RTO と RPO が何を表すか。
  • IoT での備え:冗長化、機器側での一時保存、遠隔監視。

試験の形式・日程はIoTシステム技術検定 中級とはにまとめています。

どこで取り違えやすいのか?

選択肢が左の列のように書かれていたら、右の問いで確かめてください。

つまずき別の見直し表
取り違え正しい考え方確認する問い
BCP は IT システムの復旧計画だけを指す業務・人・設備を含む事業全体の計画。IT の復旧は DR対象は業務全体か、IT だけか
BCP はすべての業務を元どおりに続ける計画重要な業務を優先して続ける・戻す計画優先順位が決められているか
BCP は一度作れば完成訓練と見直しを続ける(BCM)作った後に何をするか
RTO はどこまでのデータを戻すかの目標RTO は再開までの時間。データの時点は RPO時間の向きは未来か、過去か
BCP の対象は自然災害だけシステム障害や感染症なども想定しうる業務が止まる原因は何か

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確認問題1:BCPの説明を選べるか?

BCP(事業継続計画)の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 重要な業務を決め、中断しても続けるか、決めた時間内に再開するための計画
  2. IT システムのデータを別の拠点に複製し、障害時に切り替えるための設備
  3. すべての業務を、被災前と同じ水準で途切れずに続けることを約束する契約
  4. 災害の発生を予測し、被害が起きないように設備を強化する工事の計画

正解:1。BCP は、重要業務を優先し、継続または目標時間内の再開を目指す計画です。

2は DR の手段の一つで、BCP の一部に当たる設備の説明です。3のように全業務を同じ水準で続けることは求めず、優先順位をつけるのが BCP の考え方です。4は防災・減災の取り組みで、止まった後の継続や再開の計画とは焦点が異なります。

確認問題2:RTOとRPOを区別できるか?

次の記述ア・イの正誤の組合せとして、正しいものはどれか。

ア:RTO は、業務やシステムが止まってから再開するまでの目標の時間である。

イ:RPO は、障害が起きてから担当者が現地に着くまでの目標の時間である。

  1. ア:正 イ:正
  2. ア:正 イ:誤
  3. ア:誤 イ:正
  4. ア:誤 イ:誤

正解:2。アは正しい内容です。イは誤りで、RPO はどの時点までのデータを取り戻すかという目標で、障害より前の時点を指します。

1と3はイを正しいとしている点、4はアまで誤りとしている点で当てはまりません。

確認問題3:IoTの備えを選べるか?

通信回線が途切れたときにセンサデータを失わないための備えとして、最も適切なものはどれか。

  1. 機器側でデータを一時保存し、回線の復旧後にまとめて送る
  2. クラウド側の保存期間を延ばし、古いデータを長く残しておく
  3. センサの測定間隔を長くして、送るデータの量を減らしておく
  4. 機器の初期パスワードを変更し、乗っ取られにくくしておく

正解:1。回線が切れている間のデータを機器側で持っておけば、復旧後に送り直せます。

2はクラウドに届いた後のデータの扱いで、途切れている間のデータは守れません。3は通信量を減らす工夫ですが、途切れている間のデータは失われます。4は乗っ取りへの対策で、回線の断絶には効きません。

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よくある質問

BCPとコンティンジェンシープランは同じですか?

どちらも非常時の計画ですが、コンティンジェンシープランは特定の事態への対応手順を指すことが多く、BCP は事業全体の継続を目的に、優先業務の選定から再開までを含む計画です。

小さな事業者でもBCPは必要ですか?

義務でない場合でも、止まると取引先や利用者に影響が出る業務があれば、重要業務・連絡の手順・データのバックアップから簡単に決めておく価値があります。

試験対策では何を優先して覚えればよいですか?

出題の詳細は非公開なので断定できません。当サイトでは、BCP・BCM・DR の区別と、RTO・RPO の意味、IoT の層ごとの備えを説明できることを優先して学ぶことをすすめています。

出典・参考

  1. [1]内閣府 防災情報 事業継続(BCP・BCM の説明、事業継続ガイドライン 2023年3月、確認 2026-09-27)
  2. [2]MCPC IoTシステム技術検定[中級](出題カテゴリと比率、確認 2026-09-27)

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